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未来からの手紙 (3枚)

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その手紙は、ある大学の物理学教授の目の前、彼の机の上に突然現れた。
封を切ると一枚きりの便せんに、こう書かれていた。

これは未来から来たチャレンジです。
次のしりとりの答えをタイムマシンを完成させてから十年過去へ送ってください。
タイムリミットは手紙を受け取ってからきっかり一年後です。
歴代物理学教授の名誉にかけて!
  
      カモメ

それからというもの、教授とその助手たちは寝る間も惜しんでタイムマシンの研究に没頭した。
人間が乗って過去へ旅する、そんな大げさな物でなくてもいい。
手紙を一通、過去に送れるだけの性能があればいいのだ。

またたく間に日々は過ぎ、タイムマシンが完成したのはタイムリミットのわずか7分前だった。
それは、見かけは一見電子レンジのようではあったが、正真正銘のタイムマシンなのだ。
教授は言った。
「さあ、いよいよ手紙を過去へと送る時が来た」
彼は、この一年間の過酷な生活のため、げっそりとやせ衰えてはいたが、目だけは生き生きと輝いていた。
「教授!まだ手紙を書いていません!」
助手がそう言いながらペンと便せんを差し出した時にはタイムリミットの5分前だった。
「おう、そうだった!」
教授はペンを走らせたが疲労で手が震え、なかなか思うように書けない。
「教授!あと3分です!」
「わかっとる!せかすんじゃない」
焦れば焦るほど手は震え、何度か書き直ししながらやっとのことで書き上げる。
それを封筒に入れる時にも手が震え、なかなか入らず何十秒かを無駄にする。
汗だくになりながら、やっと出来た手紙をタイムマシンの中へ入れ、扉を閉じ、十年過去へと送信ボタンを押した。
残り時間はわずか3秒だった。
手紙が過去へと消えた瞬間、研究室はしんと静まり返った。

その時、教授は失敗に気が付いたのだ。

これは未来から来たチャレンジです。
次のしりとりの答えをタイムマシンを完成させてから十年過去へ送ってください。
タイムリミットは手紙を受け取ってからきっかり一年後です。
歴代物理学教授の名誉にかけて!

      メロン


おわり



この作品は「未来からの手紙 (1枚半)」の改稿バージョンです。
川越さんのアドバイスをもとに、タイムリミットのため、焦って間違ってしまうという風に直しました。
考えて見ればこうなるのが当然の持って行き方だと思いました。
まあ、なるべく短く仕上げようとした結果あんな感じになってしまったんですが。
これはあまり書きこむと、いろいろ矛盾が出てくるアイデアなので、さらっと書いて逃げるのが一番かなと思ったんです(笑)

電子レンジ…ではなくて、タイムマシンの画像は今回、合成で作りなおしました。


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Commented by 川越敏司 at 2012-01-23 14:20 x
わぁ~書き直されたんですね。ずっとおもしろくなったと思います。
しかし、過去へ過去へとさかのぼっていくと、最後は誰にいきつくんでしょうね? タイムマシンを作るための科学技術的ハードルも高くなりそうですし。電子レンジがタイムマシンというのは、『steins; gate』みたいですね。
Commented by marinegumi at 2012-01-24 10:05
川越さんこんちは。
これは詳しく書き込めば書き込むほど疑問が出てくるお話ですね。
>過去へ過去へとさかのぼっていくと
だからタイムマシンの設計図と一緒に送られてくるとか、さかのぼるほどにタイムリミットが長くなるとか、いろいろ考えましたが、それ以上いろいろ設定してもそれを支えるほどの落ちではないですよね。
Commented by かよ湖 at 2012-01-25 00:39 x
カキコミは大変ご無沙汰しております。

大爆笑です!
タイムマシンを1年で完成させるほどの物理学教授が・・・「メロン」とは!
ケアレスミスは怖ろしい。。。ですね。
Commented by marinegumi at 2012-01-26 00:19
かよ湖さんこんばんは。
こちらこそ、ご無沙汰です。

テレビでよくある常識クイズみたいなものですね。
てんぱると高学歴の芸能人でも簡単な問題が解けない。
それを見て視聴者が優越感に浸るみたいな。

「一行ショートショート」かよ湖さんのも拝見していましたが、読み逃げしておりました(汗)
by marinegumi | 2012-01-22 11:35 | 掌編小説(新作) | Comments(4)