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空の住人 (2枚)

今日は、ネット上のお知り合い、もぐらさんの提唱する「空見の日」だそうです。
ただ空を見上げ、ブログのお友達がみんなで何かを思う日。
やっぱり僕は何かお話を書かなくちゃね。

今日は一日中雨模様で、特に空を見ても何も思う事はありませんでした。
でもまあ、曇った空でもいいから写真を撮ろうと外に出て見ると、思いがけず青空が見えていました。
もうすぐ夕ぐれに押しやられそうな青空でした。
a0152009_20213655.jpg




空の住人


少年は空にあこがれていた。
毎日空を見上げて、ため息をついていた。
空を飛びたい。
あの鳥のように。

大きくなったらパイロットになれば?
そうお父さんは言う。
「そんなんじゃない」
それは飛んでいる飛行機の中にいるだけだ。

スカイダイビングとかやれば?
そうお母さんは言う。
「そんなんじゃない」
そんな道具を使うのは違う。

「そんなんじゃないんだ、そんなんじゃ」
少年はこの地上に縛り付けられた毎日が嫌だったのだ。
空の住人になりたかったのだ。

少年はあまりに空を見上げ過ぎたので首が痛くなった。
そして地面を見下ろした時、足元の草にテントウ虫を見つけた。
見ているうちにそれは小さな羽根を広げて飛び立った。
飛び立ったとは言っても少年の足もとを、低く水平に見えなくなるまで飛んで行ったのだ。

「空だ!」
少年は気が付いた。
ここも空なんだと。
地面からわずかに離れただけで、そこはすでに空なんだと。
小さくジャンプすると、すでに少年は空を飛んでいた。
地面からわずかに離れればそこはすでに空の一部。
あの雲が流れる何千メートルの上空も空ならば、ずうっとつながっているこの地面すれすれのところまでが空なのだ。

少年はすでに空の住人だったんだと言う事がわかった。
少年は両手を広げて、体いっぱいに風を受けて走り出した。




おわり




haruさんがこの作品を映像とともに朗読してくださっています。

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Commented by もぐら at 2012-03-18 23:44 x
きれいな空。
ありがとうございます。

風と空を感じるお話。
ありがとうございます。
Commented by りんさん at 2012-03-18 23:45 x
貴重な青空写真が撮れましたね。
きれいな空です。

このお話もとてもいいです。
私も、空の住人なんだ…そう思うと、すごく素敵な気持ちになりました。
Commented by 春待ち りこ at 2012-03-19 00:18 x
朝。。。この辺は、モヤがかかっていて。。。
本当にどこから空だかわからなかったんです。
境界線を探そうとして目を凝らしたりしてましたが
結局わからず。。。
でも、今。。。わかりました。
そうですね。。。
私たちみんな、空の住人だったんですね。

いいお話でした。

青空。。。見れたんですね。
きれい!!!(p゚∀゚q)おぉ♪
Commented by haru123fu at 2012-03-19 14:51
雨どころか雪。。。空間を舞っている雪も空の住人かな?
今日は氷点下4℃……((((;゚Д゚))))
でも、空は大好き!
このお話朗読させていただいても良いですか?
お願いします。
Commented by marinegumi at 2012-03-19 17:40
もぐらさんこんばんは。
こちらこそ作品を書くきっかけをいただいてありがとうございます。

最近は特にそうなんですが、自分で一から発想するより、人からお題をいただいたり、人の作品にインスパイアされて書く方が楽に書けるんですよねー
Commented by marinegumi at 2012-03-19 17:43
りんさんこんばんは。
思わぬきれいな空でした。
どうせ曇っていると思いながら外に出ると…
こういう意外さって結構嬉しかったりします。

みんな空の住人、そう思うとなんだか自分の背が高くなったような気がしませんか(笑)
Commented by marinegumi at 2012-03-19 17:48
りこさんこんばんは。
こちらもずっと雨が降ったりやんだりしていましたよ。
お天気は西の方から移り変わっていきますよね。
たまたまこちらが西の方に位置していただけですね。

空ってとても広いですよね。
なにしろ宇宙空間さえ空の続きですからね。
Commented by marinegumi at 2012-03-19 17:50
haruさんこんにちは。
雪は完全に空の住人ですね。
生まれも育ちも空でござんす。

朗読、よろしくどうぞー
Commented by ヴァッキーノ at 2012-03-20 09:26 x
お久しぶりです。
ボクは、このまんまブログを書かないでも、生きていけることは生きていけそうな気がしていたんですけど、書いても書かなくてもいいんだったら、なんか書いてみようかっていう気分になってきました。
春なんですよ。

空は地面のすぐ上にある。
っていう発想がいいですね。
唇はお尻の穴とつながっている。
ってのとは、違って、ステキです。
Commented by marinegumi at 2012-03-20 20:01
ヴァッキーノさんおはようございます。
春ですよねー
僕も描けなくなって沈んでいた時代を超えて、小説でも書いてみようかなと思ったのは春でした。
僕の場合、実際に書き始めたのは仕事が忙しい夏を過ぎてからでしたけど。
ヴァッキーノさんがヴァッキーノさんとして帰って来てくれたのがうれしいですね。
ぼくは次々ペンネームを使い捨てにしてきました。
少々反省。

>空は地面のすぐ上にある。

って言うか、地面の下にもあるのが空ですよね。
つまり大いなる空っぽが空で、その中に色んな物が存在していると言う事ですね。
もぐらさんのおかげでいろいろ考えてしまった「空見の日」でした。
by marinegumi | 2012-03-18 20:29 | 掌編小説(新作) | Comments(10)