「ほっ」と。キャンペーン

魔法少女マカロン (2枚)

画像は「魔法少女まーりゃん」のフィギュアですa0152009_23491294.jpg

「あ、そうだ。呪文の練習の時間だわ」
マカロンはショップモールで買い物の最中にそう言い出した。
彼女はまだ新米の魔法使いなのだ。
ボールペンぐらいのステッキをポケットから取りだすと、それはニョ~ンと1.5メートルほどに伸びた。
みゆきはうろたえた。
「こんな人ごみの中で何するの?ただでさえその服装で目立ってるのにさ」
みゆきの言葉をほぼ無視してマカロンは呪文を唱え始めた。
「テリメリ、ムルマリ、チピクレ、ホミョロ、カナペカル~」
マカロンは魔法のステッキを差し上げて大きく振りながらそんな呪文を口にした。
ステッキがブティックの店先の「SALE」と書いた紙に当たってそれが破れた。
周りには人だかりが出来始めた。
「あのさー」
「スルネル、ケレミノ…」
「終わってねーのかよ、呪文」
みゆきがずっこけた時に建物の床が小刻みに振動を始めた。
ゴゴゴゴゴという低い音と共に。
「ツレニコ、スメニロ、ツテロノミ~」
それでやっと呪文は終わった。
「マカロン。それって何の呪文なの?」
「うん。ただの練習だから」
「じゃなくて、何の呪文の練習かって聞いてるの!」
地響きはだんだん大きくなって来る。
「えーと。何だっけか?」
「何だったけって、あんた覚えてないの?」
「覚えてないんじゃなくてさ、忘れちゃった。うふっ」
「うふっ、じゃないでしょ~!!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

建物が激しく振動を始め、店の品物が棚から落ち始めた。
二人を物珍しそうに見ていた買い物客たちはあわてて逃げまどう。
「は…、早く思い出した方がいいわよ」
みゆきはマカロンの両手を握って顔を見ながら言った。
「えーと、えーと」


バリバリバリバリ


「バリバリって言ってるしー!」




ドカーン!




おわり




これは昔の原稿類を整理している時に見つけた、漫画のアイデアノートから文字にしたものです。
元は、絵でラフに描いた、いわゆる「ネーム」というものですね。
1ページで終わる漫画のシリーズ物でした。
こういう漫画として描こうと思って考えていて、そのまま眠っているアイデアがけっこうたくさんあるんですよね。
漫画として描くのが一番いいのでしょうけど、いまやもう文章で書く方が楽なんです。

ランキング参加してます。
クリックであなたに幸運が(笑)

    ↓
にほんブログ村 小説ブログ 掌編小説へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ
[PR]
Commented by ヴァッキーノ at 2012-06-06 21:47 x
漫画を文字にする試みってのが
面白いですね。
漫画だと思いながら読めば漫画ですけど
漫画だと思わないで読んでも、漫画っぽい
ところが大事なんでしょうね。
Commented by marinegumi at 2012-06-08 00:30
ヴァッキーノさんこんばんは。
この作品は1ページをコマ割して、せいぜい10コマぐらいで終わる漫画だったんですね。
まあ、ちょっと長い4コマ漫画みたいな感じです。
でも文章にしてみると、背景が殆どなくて、登場人物は二人だけだったはずなのに、後ろに背景(ショッピングモール)やその他大勢の登場人物が自然に見えて来てしまうんですよね。
その辺が面白い、と自分でも思いました。
by marinegumi | 2012-06-06 18:30 | 掌編小説(新作) | Comments(2)