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メリーさんとメリーちゃん (3枚)

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メリーさんは羊を飼っていました。
誕生日のプレゼントとして、お父さんが買ってくれたのです。
「うんと可愛がってやるんだぞ」
お父さんは言いました。

メリーさんはその羊にメリーちゃんと言う名前を付けました。
メリーさんは感心な事に、毎日、毎日、メリーちゃんの世話を忘れませんでした。
餌をあげたり、毛を梳(と)かしたり、ウンチの始末さえちゃんとやりました。

メリーさんがメリーちゃんを呼ぶときは「メリー!」と呼びます。
メリーちゃんがメリーさんを呼ぶときは「メエェ~」と呼びます。
お母さんが庭に向かって「メリー!」と呼ぶとメリーちゃんとメリーさんが両方やってきます。
「メリー!ごはんですよ」
メリーさんはテーブルで夕食を食べます。
メリーちゃんはテーブルの下で餌を食べます。
この餌はメリーさんが用意した物です。
メリーちゃんの餌は必ずメリーさんが用意すると自分で決めていたからです。
夕食の後、メリーさんはメリーちゃんと一緒にお風呂に入り一緒のベッドで眠ります。
メリーちゃんはふわふわでとってもあったかでした。

メリーさんが学校へ行っている時に、お母さんが庭に向かって「メリー!」と呼ぶとメリーちゃんだけがやってきます。
メリーちゃんはやってきますがそんなにうれしそうではありません。
だってお母さんが呼んでも餌はくれないからです。

学校がお休みの時は、メリーさんとメリーちゃんは家の庭で遊んでいます。
お母さんが庭に向かって「メリー!」と呼ぶと、メリーさんとメリーちゃんが競争するように走ってやってくるのです。

ある日の夕方、お母さんが庭に向かって「メリー!」と呼ぶとメリーさんだけがやってきました。
「さ、今日はあなたのお誕生日ね。おめでとう」
お父さん、お母さん、メリーさんがテーブルに着きます。
メリーちゃんはと言いますと、一足お先にお母さんに呼ばれ、誕生日のごちそうのメインディッシュになっていたのです。

メリーちゃんは三か月前、この日のために買われてきたのでした。
メリーさんは今日から眠る時、ちょっと寒いかも知れないなと思いました。



おわり



この作品はTome館長さんのブログ「Tome文芸館」の作品、「メリーちゃん」のコメント欄に書いたものを元にしています。

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Commented by haru123fu at 2013-05-05 21:41
えっ!そ、そんな、まさかの結末!
メリーさんの誕生日祝いってそういう意味だったのですね。
この作品朗読してみたいなっ♥でも、難しそう
でも、どこまでも明るく楽しく朗読した方がいい感じかも。。。
ちょっと練習して出来そうだったら、挑戦してみてもいいでか?
Commented by marinegumi at 2013-05-05 22:44
haruさんこんばんは。
そうなんですよねー
誕生日のお祝いじゃなくて、誕生日のために前もって買ってくれてたんですね。
オチの伏線になっているわけです。
朗読お願いします。
うん、やはり明るく読んでいただいた方がよろしいかと思います。
Commented by りんさん at 2013-05-07 19:08 x
えええ~^^;ブラック!
まさかの展開でした。
メリーさんの感想が怖いなあ。
寝るとき寒いって…(笑)
自分のためにメリーちゃんに餌をあげていたのね。
Commented by marinegumi at 2013-05-07 21:58
りんさんこんばんは。
あとから思いついたんですけど、メリーさんて、毎年誕生日前には子羊をもらってたんじゃないでしょうか?
それで慣れてしまっているので、あまりメリーちゃんを可哀相だと思っていない。
また来年になれば新しいメリーちゃんが来るんです。
寒い時期だけ一緒に過ごして、暖かくなりかけた季節に誕生日が来て食べちゃう。
そう言う感じで書きなおしたい様な(笑)
Commented by curatortome at 2013-05-12 01:49
あっ! メリーちゃんと間違って、メリーさんを・・・・・・
Commented by marinegumi at 2013-05-13 11:10
Tome館長さんこんばんは。
いくらなんでもそういう展開のは無理があるなー
なんて考えてると、いくらでも持って行きようはあるものですね。
ある日、メリーさんが自分が料理されている夢を見て、メリーちゃんの身になって考えるようになる。
で、食べちゃわないでずっと飼うようになる。
そして何年かのち、メリーさんより大きくなってしまった巨大ブタを持て余す。
そんな感じ。
by marinegumi | 2013-05-05 11:22 | 掌編小説(新作) | Comments(6)