万華鏡 (2枚)

画像は仙台万華鏡美術館ホームページからいただきました。
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万華鏡を作った。
ボール紙を筒にして、その中に三枚の細長い鏡を三角形に組み合わせて入れる。
片方は丸い小さな穴が開いた蓋をする。
もう片方には三角に切った透明なガラスをはめ込み、おなじ形のすりガラスを隙間を開けて取り付ける。
その透明なガラスとすりガラスの間に入れるのは君の写真だ。
君の全身が写った写真を2枚。
一枚は高校の制服姿。
もう一枚はワンピースの水着姿。
それを君の形のままに切り抜いて、少し眺めて、それから。
ハサミを入れてバラバラにする。
頭、手、腕やふともも、足の先から脛や胸から何から、なるべく小さな部品にしちゃう。
それを透明なガラスとすりガラスの間に入れて、ガラスをボンドでくっつける。
ボール紙の筒には赤い血の色の色紙(いろがみ)を張って出来上がりだ。
明るい窓の方へ向けて僕はその万華鏡を覗きこむ。
くるくると回すと、君の体の部品が色んな模様を作るんだ。
たくさんの君の手足が、頭が体が、くっついたり離れたり。
いろんな化け物に姿を変える。
笑っているけど、手が4本。
まじめな顔の頭から手が生えていたり。
足の作る六角形の中に顔があったりさ。
化け物だけど可愛い君。
そしてたまにちゃんとした人間の姿になる事もある。
おもしろいよ。
楽しいよ。
君にも見せてあげようか。

机の上に目を開けたままの君の頭がある。
さあ、覗いてごらん。
血の色をした万華鏡。



おわり



元は例によってツイッター小説です。

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Commented by 雫石鉄也 at 2013-06-28 13:22 x
ホラーと解釈して読みましたが、よろしいでしょうか。
机の上の「君の頭」は切断された頭ですよね。
まちがっていたら、ごめんなさい。
Commented by marinegumi at 2013-06-28 20:51
雫石さんこんにちは。
そうですね、ホラーでいいと思います。
元のツイッター小説では「机の上の小さな君」に万華鏡を覗かせるんだったんですけどね。
もひとつ状況がはっきり見えないので、切断された頭が机に乗っていると、変えました。
Commented by haru123fu at 2013-06-29 10:32
海野さんのホラーは珍しいですね。
あ、もう夏だから。。。そんなことも無いか?(笑)
朗読お願いしてもいいですか?
ホラーらしくなく明るく読んで気がついたらホラーだった!
みたいな感じがいいかなぁ~。
Commented by りんさん at 2013-06-29 13:21 x
こ…怖いですよ、これ。
写真を刻むという行為だけでも普通じゃない。
だけどその辺を、ちょっとコミカルに表現しているところがいいですね。
あとから怖さがじわじわ来ます。
Commented by marinegumi at 2013-06-29 21:15
haruさんおはようございます。
あー、そういえばそうですかね。
いかにもホラーと言う感じのは書きたくないのでしょうね。
ホラーになりそうでもファンタジーにくるんでしまうのね。


>ホラーらしくなく明るく読んで気がついたらホラーだった!
>みたいな感じがいいかなぁ~。
そうそうそれです。
無邪気な感じが無邪気なだけにより怖い。
そんな感じ。
Commented by marinegumi at 2013-06-29 21:23
りんさんこんにちわ。
>写真を刻むという行為だけでも普通じゃない。
そういうことですね。
彼でもないやつが自分の写真を持ってるだけでも気味が悪いのに更にそれを切り刻むなんてね。
写真だけならまだましじゃん、と言うお話なんですけどね。
Commented by これは怖い at 2013-07-15 05:57 x
うわぁぁ、これは怖い。
人間にちょっと偏執的なことをさせるとこんなにホラーになるものなんですね。
夏にぴったりかも。
Commented by marinegumi at 2013-07-16 21:42
齊藤さんおはようございます。
書いている時はこんな結末を予想してなかったのです。
書いてしまった自分が怖い(笑)
最近書く物はほぼすべてがツイッター小説を発展させたものです。
ツイッターはなかなかいい発想の場ですね。
by marinegumi | 2013-06-28 00:36 | 掌編小説(新作) | Comments(8)