まりん組・図書係 marinegumi.exblog.jp

海野久実が掌編小説やら短編小説を書いています。タイトルの後に原稿用紙換算の(枚数)があるのが小説です。


by marinegumi
プロフィールを見る
画像一覧

海のクリスマスツリー (2枚)

a0152009_152425.jpg

はるか遠い南の島のクリスマス。
素晴らしい夕焼けのあと、満天の星空の下を二人で波打ち際を歩いていた。
裸足で砂を踏みながら。
すると目の前に打ち寄せる波が青白く光っている。
まるでクリスマスツリーのイルミネーションのように。
波と一緒に何万個の光は強く弱くそれぞれに輝く。
波が引くと、砂浜に取り残される光もある。
「発光プランクトンかなぁ」
彼が言った。
彼はいつも感動するより先に理屈で考えようとする。
「ツリーだよ。海のクリスマスツリー」
「なるほどね」
彼の返事はそっけない。
その時、流れ星が光った。
「あ、あれを見て!」
指をさす夜空から星が落ちてくる。
一つや二つではない、次から次へとその数はどんどん増えて行く。
この海に落ちているんだ。
夜空の星がその数を減らし、反対に海の光の粒はその数を増した。
時と共に海の光はさらに明るくなって行った。
しばらく目を点にして、ポカンと口を開いてそれを見ていた彼が、ようやく声を出した。
「宇宙ってこうやって滅んで行くんだろうか?」
めったに聞けない彼の非現実的な言葉だった。
でもそれは目の前で本当に起こっている。
「宇宙が滅んで行ってるんだとしたらこの地球はどうなるの?」
わたしは聞いた。
「うーん、やっぱりこの海に落っこちるのかもしれないね」

わたしたちは砂浜に立ちつくし、その時が来るのを待ち続けた。




おわり




さっき書いたツイノベを、即、掌編小説に仕上げて、即、投稿しています。
仕事が早い!
元はと言えばこの画像ですね。
幻想的な波打ち際。地上に現れた天の川が異常な美しさ。

ランキング参加してます。
クリックであなたに幸運が(笑)
    ↓
にほんブログ村 小説ブログ 掌編小説へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ
[PR]
Commented by 雫石鉄也 at 2013-12-04 13:31 x
いいですねえ。ブラッドベリっぽくて。
わたしは、こんな話は逆立ちしても書けません。
Commented by haru123fu at 2013-12-05 10:04
とっても綺麗な海ですね。お話もステキ!
なんだか、この海をゆらゆらと動かしたくなります。
若い二人の為に。。。あらら、私の悪い癖ですね。
Commented by marinegumi at 2013-12-07 00:13
雫石さんこんにちは。
あー、なるほどね。
ブラッドベリがこのテーマで書くとどんな作品になっただろうかと想像してしまいますね。

こんどお会いした時に逆立ちを見せてもらいましょうか?
Commented by marinegumi at 2013-12-07 00:16
haruさんおはようございます。
ほんとにこの作品はこの写真を見てすぐに出来ちゃいました。
きれいですよね。
でも、これはゆらゆら揺らしても感じは出ないかな。
波打ち際ですからね。
うーん(ちょっと想像中)でも案外良いかもしれませんね。
Commented by りんさん at 2013-12-07 10:27 x
いいですね。
ロマンチックできれいな話と思わせて、星の滅亡^^
淡々としたふたりの会話もいいですね。

宇宙が滅んでも海だけは残る。
やっぱりロマンチックですね^^
Commented by marinegumi at 2013-12-10 00:16
りんさんおはようございます。

あ。

>宇宙が滅んでも海だけは残る。

それいいですね。
宇宙の星が全て地球の海に落ちてしまい、その地球さえその海に落ちる。
宇宙があったはずの空間には海だけが残っている。
美しく輝く海が。
Commented by かよ湖 at 2013-12-15 01:30 x
「わ~、海野さんっぽくな~い」って読んでいたら、やっぱり海野ワールドでした。(笑)
宇宙が滅んでも、地球が滅んでも、海だけが残っている。・・・・・きっとどんな状態でも、・・・イルミネーションを纏った海野さんはずっと海野文学を書き続けることでしょう。そんな絵が見えます!
Commented by marinegumi at 2013-12-18 00:43
かよ湖さんこんばんは。
ぽくないと言うのはラブストーリーっぽかったからですかね?
そうですね。
ラブストーリーは苦手です。

キラキラ輝く海野文学……
文学なんておこがましい。
海野物語を書き続けますよ。
by marinegumi | 2013-12-04 01:59 | 掌編小説(新作) | Comments(8)