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永遠のクリスマスイブ (2枚)

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わたしはずっと此処にいる。
何年なのか、何十年もなのか、もう思い出せはしない。
船の様子はあのクリスマスの日のままだ。
甲板には巨大なクリスマスツリーが飾られ、通路やロビーにもさまざまな大きさのそれがイルミネーションで輝いていた。
至る所にクリスマスの飾り付けが施され、そう、夜の海を走るこの船そのものがまるでクリスマスツリーのようだった。
3か所あるレストランではそれぞれ、これでもかと言うほどに豪華な食事が振舞われ、人々はお腹いっぱいにそれを詰め込み、お酒を酌み交わし、子供たちはケーキを頬張った。
バーではピアノの生演奏が聞かれ、劇場では短いミュージカルが何度も上演される。
何人かいるサンタクロースは、子供たちにささやかなプレゼントを配っている。
そんな暖かい小さな世界が確かにあった。
それが今は海の底に横たわっている。

12月24日の暗い海の上。
クリスマスイブには珍しく雪が降っていた。
船の明かり一つ見えない夜の海の上にたくさんの雪が降り続いていた。

わたしのいるこの船の上にも降り注ぐものがある。
一切の音はなく、マリンスノーがゆっくりと降り続いている。
この海の中の雪は、年中降り止むことを知らない。
だからこの船の時間をあの日のまま、止めてしまったのだろうか?

わたしたちは永遠のクリスマスイブの中にいる。




おわり




ツイッターでは毎日のようにクリスマスネタでツイノベを書いています。
その中からチョイスして原稿用紙2枚ほどの掌編にしています。
このお話は「海のクリスマス」のスピンオフ作品と言う感じですね。

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Commented by haru123fu at 2013-12-18 19:28
わわわ、わーっ!や、やっぱり死んでしまったのですね。
あああ、あーっ!海野さんが殺しちゃったあ~!
だって、「海のクリスマス」の続編ですよね。
うん。どう見ても続編だ。。。(勝手に納得……涙)
Commented by marinegumi at 2013-12-18 20:21
はるさんこんばんは。
ご心配なく。
「海のクリスマス」のスピンオフ作品で、続編ではありません。
あの船には他にも大勢の人が乗ってましたからね。
船と一緒に沈んだ人もいたと言うことです。
Commented by haru123fu at 2013-12-18 20:39
なるほど、他にも乗客はいますよね。それに同じ船とは限らないか?
うん、うん。また勝手に納得。

朗読してみると、悲しいというよりもとても綺麗な感じがします。

クリスマス企画の作品はもう25日まで埋まっているので、
「海のクリスマス」と一緒にUPしても宜しいでしょうか。
お願いします。(._.)ペコリ
Commented by haru123fu at 2013-12-18 20:49
またまたすみません。「海のクリスマス」と一緒だとそれこそ続編みたいに
なってしまいますよね。
明日は、海野さんの「海のクリスマスツリー」をUPします。
そこで、大至急作って明日UPしたいのですが。よろしくです。
Commented by marinegumi at 2013-12-18 21:09
はるさんどうぞご自由に。
でももう予定が詰まってるのに大変でしょ?
今日以降の作品は朗読は見送ってもいいんですよ。(と言うことはまだ書くつもり(笑))
そのつもりで書いていますから。
by marinegumi | 2013-12-18 17:09 | 掌編小説(新作) | Comments(5)