袋の中身 (2枚)
「日本の七福神の中におられる大黒と言う神様は大きな袋を背負ってらっしゃるのじゃが、あの袋の中には何が入っていると思う?」
「きっと宝物ね。宝石とか金貨とか」
「違うよお姉ちゃん。ぜったい色んなおもちゃだよ」
「ふむふむ。何ともおろかな子どもたちじゃ。そんな物は入っとりゃせんわ。開けてびっくり、空っぽなんじゃのう、これが」
「え~?それじゃあ、なんでそんな袋をかついでるのさ?」
「大黒様のその袋には七宝が入っていると言われとる」
「ほら、やっぱり宝物じゃない?」
「まあ、まあ、聞きなさい。七宝とは物質的な宝物ではなく『寿命』『人望』『慈悲』『清麗』『威光』『愛嬌』『大量』と言う人間にとって大切な精神的な七つの宝物のことを指していると言われておるのじゃ。目には見えず、手に取ることも出来ない物じゃが、人間には大事な物なんじゃよ。解ったか?そこのおバカ兄弟」
「目に見えないし、さわれないし。そんな物もらってもしょうがないじゃん」
「おお、何と言う事を。おバカ兄弟ではなく、大バカ兄弟じゃのう。人間がみんな物質的な欲望ばかりを追い掛け……」
「それでいったい何が言いたいわけ?サンタさん!?」
「いや、その、つまりじゃな。今日は大黒様の袋と間違ってソリに積んでしまったようなんじゃが」
「取りに帰ってらっしゃい!」
おわり
あれ?結局12月18日に三本投稿と言う感じになってしまいましたね。
最初の一本は昨日の夜に書いたんですが投稿した時には、日付が変わってましたか。
ちょっとコミカルな物もと思って書きました。
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by marinegumi | 2013-12-18 20:21 | 掌編小説(新作) | Comments(2)
結局おバカなのはサンタさんだったんですね。
子供相手に薀蓄語ってるオヤジサンタ。どこかにいそうです(笑)
一番のおバカはサンタさん。
まあ、お年寄りですから物忘れが多くなってるのかもしれません。
しかし、大黒さんと袋が変わっちゃうと言うことは付き合いがあるんでしょうね。
サンタクロースも神さまなんでしょうかね。