機械の心臓 (2枚)
画像は宮永咲メイド服バージョンのフィギュアです
働き始めてまだ一年目のメイドのミミはとても可愛く、しかもよく気の付く娘だった。
そして心底、私のことを心にかけてくれているのがよく解った。
しかし、彼女も解雇することにした。
僅かに心残りではあったけれど、どうしようもなかったのだ。
彼女よりずっと年上の古株のメイドも三人同時にやめてもらうことにした。
そう、私のわがままだった。
「それでは長い間お世話になりました」
メイドたちはこの屋敷を去る時に無表情で深々とお辞儀をして出て行った。
しかしミミだけは違っていた。
言葉もなく、ただ目を潤ませていた。
何度も私を振り返りながら屋敷を後にした。
三日後には新しいメイドがやって来た。
最新型のメイドロボットが二体だ。
一体はスタンダードな作りだが、もう一体はその顔をミミとそっくりに作ってもらった。
そう、私にはまだミミに対する思いがわずかに残っているのかもしれない。
メイドロボットたちはよく気が付き、よく働いた。
無表情で、しゃべる語彙も少なかったけれどそれは今の私には心地が良かった。
交通事故で車両に体が押しつぶされ瀕死の重傷を負った私の体はその殆どが医療用機械体躯に交換されていた。
元のままなのは脳と顔の一部だけだった。
ほぼロボットだなと考える事がある。
でも、別にそれが悲しいとも、嫌だとも思わない。
ただものの考え方が変わってしまったように思う。
人間相手では会話が思うように行かなくなってしまった。
ぎくしゃくして脳がストレスを感じるのだ。
ロボットのメイドたちといるとそんなことはない。
至って快適なのだ。
ただ、たまに、あの可愛かったミミの笑顔を思い出すことがある。
そんな時は決まって機械の心臓が、チクリとわずかに痛むような気がするのだ。
おわり
ここのところ、おおむねツイッター小説が快調です。
書こうと思って考え始めるときは面白いものが書ける気はしないんですけど、すぐにぽっと何らかのアイデアが浮かびます。
それがけっこうおもしろかったりすることが多いと言うことですね。
これは昨日のツイッター小説を長くしたものです。
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働き始めてまだ一年目のメイドのミミはとても可愛く、しかもよく気の付く娘だった。
そして心底、私のことを心にかけてくれているのがよく解った。
しかし、彼女も解雇することにした。
僅かに心残りではあったけれど、どうしようもなかったのだ。
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言葉もなく、ただ目を潤ませていた。
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三日後には新しいメイドがやって来た。
最新型のメイドロボットが二体だ。
一体はスタンダードな作りだが、もう一体はその顔をミミとそっくりに作ってもらった。
そう、私にはまだミミに対する思いがわずかに残っているのかもしれない。
メイドロボットたちはよく気が付き、よく働いた。
無表情で、しゃべる語彙も少なかったけれどそれは今の私には心地が良かった。
交通事故で車両に体が押しつぶされ瀕死の重傷を負った私の体はその殆どが医療用機械体躯に交換されていた。
元のままなのは脳と顔の一部だけだった。
ほぼロボットだなと考える事がある。
でも、別にそれが悲しいとも、嫌だとも思わない。
ただものの考え方が変わってしまったように思う。
人間相手では会話が思うように行かなくなってしまった。
ぎくしゃくして脳がストレスを感じるのだ。
ロボットのメイドたちといるとそんなことはない。
至って快適なのだ。
ただ、たまに、あの可愛かったミミの笑顔を思い出すことがある。
そんな時は決まって機械の心臓が、チクリとわずかに痛むような気がするのだ。
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by marinegumi | 2014-04-04 14:31 | 掌編小説(新作) | Comments(0)