こぼかたさん頑張る (4枚)

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その1

こぼかたさんは無事に記者会見を終えた。
自分の非は素直に認め、深々と頭を下げて謝罪をした上で言いたいことをちゃんと説明した。
その健気さと、時折涙を見せる頼りなげな表情にテレビ中継を見て心打たれた男性ファンが激増したことだろう。

何百人と言う報道陣がすべて撤収したところに再びこぼかたさんが現れた。
ホテルの従業員によって片付けの真っ最中の会場に入って唖然としている。
従業員の一人に声をかけた。
「あの。記者会見は中止になったのですか?」
振り返った従業員はそれがこぼかたさんだったので意外な顔をした。
「あ、いえ、中止だなんて。ちゃんと記者会見は終わったじゃないですか? こぼかたさん、立派でしたよ」と満面の笑顔になった。
「ひょっとしてこぼかたさん、記者会見の記憶がないとか? 相当お疲れのように見えましたけれど」
「ああ、そうなんだ。あの子がやってくれたんだわ」
そう言うとこぼかたさんはその場に崩れるように倒れた。

その後判明したところによると、こぼかたさんは交通事故による道路の渋滞で車が遅々として進まず、大幅に記者会見に遅れてしまったらしい。
そして、彼女の代わりに記者会見をこなしたのはSTAP細胞によって作成されたこぼかたさんの複製だったのだ。
なんとSTAP細胞はそこまで大幅に進歩していたのだった。



その2

iPS細胞やSTAP細胞、ES細胞など、さまざまな万能細胞が実用化され、医療現場ではなくてはならないものになっていた。
しかしある年を境にして万能細胞の暴走と呼んでもいい症例が頻発し出したのだ。
最初の報告例としては、ある男性が万能細胞によって事故で失った右腕を取り戻したが、その再生された部分からもう一本の腕が生えて来たのだ。
腕は完璧なもので、それぞれ思うように動かせた。
便利と言えば便利だったがその見かけのグロテスクさに切除手術をしたと言う。
またある女性は胃がんによって切除した胃を万能細胞で再生したのだが、お腹が張ると言うので検査をすると、いつの間にか胃が二つに増えていたのだった。
こういう症例が日を追うごとに増えて行った。
テレビや新聞雑誌のマスコミは「万能細胞の暴走始まる」「神からの警告」などと言うタイトルで特集を組んだ。

そんな中、こぼかたさんの記者会見がテレビで放映されていた。
「これが新しく培養した細胞の写真です」
スクリーンにパワーポイントの画像が映し出されている。
その細胞は赤い色をしていた。
「それは新しい万能細胞ですか? 今、問題になっている暴走が起きないように改良された万能細胞だとか?」
「いえ、そうではありません。これはあらゆる万能細胞と同時に使用して、万能細胞の暴走を食い止めるものです。名前はSTOP細胞と言います」



おわり


「こぼかたさん」で検索して来て下さる皆さん、「小保方(おぼかた)さん」を「こぼかたさん」にしたのはこの作品がフィクションだと言うことをはっきりさせるためです。
「小保方」は「こぼかた」ではなく「おぼかた」ですからね。
ちなみに「ソメイヨシノ」も、おぼかたさん関連の創作です。
合わせて読んでください。


またもや時事ネタになっちゃいますね。
現実のパロディーですね。
世の多くの男性と同じく(?)好意的な目線で書かせていただきました。

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Commented by りんさん at 2014-04-11 19:21 x
うわ~、面白い^^
すごいタイムリー。
その1が特に好きです。
こんな結末だったら本当にいいのに^^
Commented by 齊藤 想 at 2014-04-12 07:36 x
STOP細胞に大うけしました。
このセンス好きです!

STAP細胞はなんか泥仕合になってきましたが、科学的にどうなんですかね。
Commented by marinegumi at 2014-04-12 21:43
りんさんこんばんは。
あまりタイムリーな物は季節物以外には書かないのですが。
小保方さん効果ですね(笑)
こんな結末だったらそれはそれで大問題ですね。
Commented by marinegumi at 2014-04-12 21:54
齊藤さんおはようございます。
STOP細胞のダシャレはきっと誰かが使ってるでしょうけど、僕はまだ耳に、目にしていません。

週刊文春や日刊スポーツの小保方さんの取り上げ方には腹が立ちます。
もしSTAP細胞が本当にあるならあいつらはその後どういう書き方をするのかが楽しみです。
あってほしいですね。
by marinegumi | 2014-04-10 15:44 | 掌編小説(新作) | Comments(4)