サンタクロースへの手紙 (3枚)

写真はサンタクロース村です
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隠居して久しいサンタクロースは、クリスマスが近づいても毎日をゆったりと暮らしていました。
若かった頃はそれはもう忙しい思いをしたものです。
一か月ぐらい前から届く世界中の子供たちからの手紙を読み、それぞれに合わせプレゼントを用意してクリスマスが終わるまでにすべて配り終わるのですから、それはもう目の回るような忙しさでした。
思い出すだけでもじんわり汗ばんでしまうような気がしました。
でも次第にサンタクロースを信じている子供たちの数も減り、サンタの代わりに子供たちの両親がプレゼントを用意するのが当たり前のように変わってしまいました。
そしてある年、子供からの手紙が一通も届かなかったのです。
それでサンタクロースは隠居を決心したのです。

それはサンタの隠居生活12年目の事でした。
彼の家の郵便受けに一通の手紙が舞い込んだのです。
それは日本と言う国に住む一人の子供からのものでした。
封を切り、便箋を開いてみるとたどたどしいひらがなばかりで書かれています。
サンタクロースは、昔はあらゆる国の文字がすらすら読めました。
でも、今はその手紙に何と書いてあるのかが一瞬判らなかったのです。
ところが目を走らせているうちに次第に思い出してきました。
間もなく書いてある内容も理解できるようになっていました。

  サンタさんへ 
  こんどのクリスマスにはプレゼントはいりません
  ほんとうはほしいけれどがまんします
  おかあさんからきいたんです
  サンタさんはソリからおちてけがをしたんでしょ
  あしのほねをおってしまったそうですね
  ゆっくりやすんでなおしてください
  プレゼントは らいねんでいいです

                    まもる

サンタクロースは一瞬、自分が足の骨をいつ折ったのか思い出そうとしてしまいましたが、すぐに気がつきました。
これは、このまもるという子供の親が、まもる君に嘘をついているんだと。
何かの親の事情でプレゼントを用意できなかったんだなと。
サンタクロースは椅子に座って目をつぶって少しの間考えている風でしたが、次の瞬間勢いよく立ち上がりました。
そしてクローゼットの扉をあけました。
そこにはちゃんと手入れされた真っ赤なサンタクロースの服が掛けてあったのです。
「そうかそうか。そういう事なら本物のサンタクロースの出番じゃな」
手早く着替えるとドアを開け、庭に向かって叫びました。
「お~い。ルドルフ!仕事じゃ、仕事じゃ」
サンタクロースはとても楽しそうでした。




おわり




うーん。
去年と打って変わってなかなか書く気が起きない今日この頃です。
去年はクリスマスのテーマでたくさんのお話を書いたのが嘘のようですね。
数えてみるとなんと13話も書いていましたよ。
中には12枚の作品もありますね。
それに引き替え今年は……
これではいかん!と言うわけで、無理やり書いてみました。
やっぱり書いてみるものですね。
書いているうちに楽しくなってきますね。

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Commented by りんさん at 2014-12-20 17:51 x
いい話ですね。心が温まる。
本当のサンタは、こういう子のためにあるべきですね。
Commented by marinegumi at 2014-12-22 00:07
りんさんこんにちは。
ありがとうございます。
心が冷え切っちゃうクリスマススト-リーを書いた反動で、こういうのも書きたくなるんですよね。
by marinegumi | 2014-12-14 17:35 | 掌編小説(新作) | Comments(2)