まりん組・図書係 marinegumi.exblog.jp

海野久実が掌編小説やら短編小説を書いています。タイトルの後に原稿用紙換算の(枚数)があるのが小説です。


by marinegumi
プロフィールを見る
画像一覧

誰でもサンタクロース (2枚)

a0152009_18223554.jpg

幸せな子供時代を過ごしたと思う。
クリスマスが近づくたびに幸せだったあの頃を思い出す。
毎年必ず両親は私のためにクリスマスプレゼントを、心を込めて用意してくれた。
その包みを開くとき、ふと、こんな素敵なプレゼントをもらえない子供が世界中にはきっとたくさんいるんだろうなと考える事もあった。
でもすぐにそのプレゼントに夢中になってそんなことは忘れてしまったものだ。

大人になってちゃんと結婚をしたけれどなぜか子供に恵まれなかった。
自分の子供にクリスマスのプレゼントを選ぶ時が来るのが楽しみだったけれど、それは今さら仕方のないことだ。
ささやかな住まいで日々を送り年を取り、やがて連れ合いを亡くし、一人暮らしの十年近い年月を過ごした。
そして今、理解していた。
世界中にいる、両親からクリスマスプレゼントをもらえない数えきれない子供たちも、きっとささやかなプレゼントを手にしていたんだと。
私は今、白いあたたかなファーの付いた真っ赤な服を来て雪の野原に立っている。
背中には中身が一杯の大きな白い袋がある。
あごに手をやると豊かな白いひげだ。
トナカイに引かれたそりが目の前にゆっくりと現れた。

今になってサンタクロースは本当に居たんだと言うことが判った。
私は子供時代に毎年プレゼントをもらったままで、自分の子供や人々にお返し出来ていない。
そのチャンスがなかった。
人は誰でも自分の人生でもらった分だけのプレゼントを誰かにお返しをしてから天国に行くんだね。
それがサンタクロースだったんだね。




おわり




これは、きのう書いたツイッター小説を元にして書いたものです。

ランキング参加してます。
クリックであなたに幸運が(笑)
    ↓
にほんブログ村 小説ブログ 掌編小説へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ
[PR]
Commented by りんさん at 2014-12-20 17:56 x
死ぬ前に、こんな素敵なお返しが出来るなんて、きっと天国行きは決定ですね。
誰でもサンタクロースだけど、ホントにサンタになれるのは優しい人なんだろうと思いました。
Commented by marinegumi at 2014-12-22 00:12
りんさん。
ああ、なんかいいですね。
死ぬ前にサンタクロース姿で雪原に立っている自分を想像してしまいました。
人はクリスマスプレゼントだけではなくて、いっぱいいろんなプレゼントを人生でもらっているんでしょう。
それを返すまでは天国に行けない。
そういうシステムだったらいいですね。
by marinegumi | 2014-12-15 18:27 | 掌編小説(新作) | Comments(2)