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童話 クリスマスバージョン (5枚)

マッチ売りの少女
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マッチ売りの少女は最後のマッチを取り出しました。
少女がマッチをすると、あたたかい光に包まれました。
光の中には少女の亡くなったおばあさんが立っており、おだやかにやさしく笑っています。
「おばあちゃん!」と、少女は大声を上げました。
「ねぇ、わたしをいっしょに連れてって。このマッチの火が消えたら、おばあちゃんもどこかへ行っちゃうんでしょ。温かいストーブや、ガチョウの丸焼きや、きれいなクリスマスツリーみたいに」
「なに言ってるんだいこの子は、しっかりおし。あんたが死ぬのは大みそかの夜だよ。今はまだクリスマスイブじゃないか」




ヘンゼルとグレーテル
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ヘンゼルとグレーテルはクリスマスの夜、森の中においてけぼりにされました。
寒くておなかがすいて二人は抱き合い、フラフラになって森をさまよい歩きました。
やがて向こうの方に明かりが見えてきます。
近づいて見るとそれは大きなクリスマスケーキでした。
魔法使いのお菓子の家がクリスマスバージョンになっていたのです。
「すご~い!」
「おいしそう!」
二人は目を輝かせました。
「そうだ、グレーテル。今夜はクリスマスだけど、お前の誕生日でもあるよね。今まで一度も祝ってもらえなかっただろ」
ヘンゼルはまきを拾ってケーキの上に7本立てて火を点けました。
「ロウソク代わりだよ。さあ、吹き消してグレーテル」
でも火は大きく燃え上がり、とても吹き消せません。
クリスマスケーキの家は焼け落ち、中で眠っていた魔法使いは死んでしまいました。
ヘンゼルとグレーテルは焼ける前にたっぷりケーキを食べたので、元気よく帰り道を探しました。




赤ずきん
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「赤ずきんや。クリスマスケーキが焼けたからおばあさんのところへ持って行っておくれ」
「はーい」
「あんまり揺らしたら崩れるから気を付けてね」

赤ずきんはバスケットに出来たてのケーキを入れて森の小道を慎重に歩いて行きました。
「お嬢ちゃんどこへ行くんだい」
悪いオオカミが声をかけます。
「しぃ~。だまってて。バスケットを揺らしちゃうとケーキが崩れるでしょ」
赤ずきんはバスケットが揺れないように小声で答えます。
「わかったよ。お邪魔したね」
オオカミも小声でそう言いながらすごすごと帰っていきます。

「お嬢ちゃん。この辺には悪いオオカミが出るから気を付けるんだよ」
通りかかった猟師のおじさんが言いました。
「しぃ~。そんなこと知ってるわ。気が散ってバスケットを揺らしたら中のケーキが崩れるでしょ」
と、小声で言います。
「おお、そりゃあ悪かったね」
猟師のおじさんも小声で言い、頭をかきながら行ってしまいました。

「おばあちゃん。おばあちゃん。赤ずきんよ」
赤ずきんはバスケットを揺らさないように小声で言いながら、おばあさんの家のドアをゆっくりあけました。

「赤ずきんや~!よく来てくれたね。おばあちゃんはうれしいよ!」

おばあさんは大声でそう言いながら走り寄って来ると、赤ずきんを抱き上げ、グルんグルんと振り回しました。

「おいしいね。おばあちゃん」
「ほんとだね。お前の母さんのお菓子は天下一品さ」
ケーキはぐちゃぐちゃに崩れていましたが、味には変わりはありませんよね。




おわり




この作品はりんさんの「おとぎ話(笑)クリスマスバージョン」に乗っかって書いたものです。
りんさんのコメント欄に書きかけて、長くなりそうだったのでこちらでアップしました。

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Commented by りんさん at 2014-12-20 18:04 x
私のブログの紹介までしていただいてありがとうございます。
面白いですね。
こういうのを考えるのは楽しいですよね。

マッチ売りの少女…そうそう。この話ってクリスマスの御馳走とか出てくるけど、大晦日の話なんですよね。
ヘンゼルとグレーテル…薪で作った蝋燭って(笑)そりゃあ燃えるわ^^
赤ずきん…おばあさん、めっちゃ元気じゃん(笑)
Commented by さきしなのてるりん at 2014-12-21 20:22 x
ポチしたからいいことあるかなぁ。天からケェキが降ってきますように。(笑)
Commented by marinegumi at 2014-12-22 00:18
りんさんがああいうのを書くとむらむらと書く気力がわいてきます。
これを見てもわかるように、僕は基本的に童話のパロディーを書くときは元のお話の設定のままパロディーにすることが多いですね。
りんさんのように現代お話をリンクさせるというのも面白いですけれど。
Commented by marinegumi at 2014-12-22 00:22
さきしなのてるりんさんこんばんは。
これからの人生で、たくさん幸運があなたにも訪れると思いますが、きっとそのうちの一つはここでポチしたからなのです。
信じる者はスクワット。
by marinegumi | 2014-12-19 01:10 | 掌編小説(新作) | Comments(4)