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海野久実が掌編小説やら短編小説を書いています。タイトルの後に原稿用紙換算の(枚数)があるのが小説です。


by marinegumi
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そら君のどこでも衣装ケース  競作(3枚)

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はるさんの留守中にそら君のいたずらが始まります。
そら君がこの家に来てから、もうだいたいの場所は探検してしまいました。
それで今日は押し入れの中を細かく点検してみる事にしたのです。
押し入れの中は衣装ケースがいっぱい。
はるさんはとても整理をするのが好きです。
洋服などはみんなすっきりと衣装ケースに収納されています。
その積み重ねられた衣装ケースの、一番上のふたをそら君は前足で開け、頭で持ち上げました。
服がいっぱいに入っていると思っていたそら君はその中に飛び込みましたが、意外なことに何も入ってなかったのです。
そら君は衣装ケースの中を落ちていきます。
でもいくら落ちても底に着かないではありませんか。
そら君はひげで風を感じながらどんどん落ちていきます。
やがて落ちるスピードが遅くなりふんわりと着地しました。
そら君は猫ですから少々のスピードで落ちてもちゃんと着地する自信があったので、その華麗な身のこなしを使えなかったのがちょっと不満でした。
ところで落ちてきた場所はなんだか賑やかな劇場のようなところです。
音楽に誘われてドアを開けるとなんとそこではファッションショーが開かれていました。
きれいに着飾ってランウエイを歩いているのは猫のファッションモデルたちです。
そして観客たちも全部猫、猫、猫。
舞台上のファッションモデルの猫たちはもちろん、観客席の猫たちもみんなちゃんと服を着ています。
自分だけが裸なのに気が付いて、急に恥ずかしくなったそら君に誰かが声をかけました。
「ああ、あなたははるさんちのそら君ですね」
その猫は背広を着てネクタイを締めています。
「わたしはこの劇場の支配人です。今日ははるさんの洋服をお借りしてファッションショーを開いておるのです。いやあ、はるさんにはいつもお世話になっています。ここではみんな洋服を着ているのですよ」
ふっと、目の前の支配人猫の顔がかすんで揺らいで見えたと思うと、そら君は気が遠くなりました。
そして目の前が真っ暗になったのです。

気が付くとどうやら洋服の入った衣装ケースの中に寝ているようでした。
頭でふたを押し上げて外に出ると、ちょうどはるさんが帰って来たところで、そら君を見て大きな声を上げました。
「どうしたの?そら。わたしのお気に入りのワンピースをどうやって着たの?」



おわり




この作品ははるさんのブログでおなじみの猫のそら君を主人公にした自然発生的な競作のお話です。
ただ今、小説を書くのは絶不調ですが、競作と聞くと書かずにいられませんでした。
はるさんには無断で画像をお借りしました。
ありがとうございました。

Tome館長さん 「そら君の冒険」
りんさん     「そら君のお仕事」

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Commented by haru123fu at 2015-05-05 22:21
わ~ぉ!海野さんありがとうございます。
皆さんのおかげで、そらは色々な経験をさせてもらって、
とっても活き活きとして楽しそうです。
この作品も朗読させて下さいね。おねがいします。
Commented by marinegumi at 2015-05-05 23:42
はるさんこんばんは。
競作は楽しいですよね。
そら君は幸せなネコちゃんかもしれません。
朗読ごくろうおかけします。
Commented by りんさん at 2015-05-06 10:14 x
そら君のこの写真からイメージしたんですね。
とても可愛い冒険です。
最後にはるさんのワンピースを着ているあたりが、なんとも素敵な演出です。
Commented by curatortome at 2015-05-06 19:55
競作、嬉しい展開です。
夢オチは当然ながら、服オチには見事に落とされました。
Commented by marinegumi at 2015-05-07 00:16
りんさんおはようございます。
そうですそうです。
お話の出発点はすべてこの写真からです。
どこでも衣装ケースだからいろんな所へ行けるのでしょう。
Commented by marinegumi at 2015-05-07 00:20
Tome館長さんこんばんは。
競作は楽しいですよね。
お話のヒントはもらえるし、気軽に書けるし。
あ、そういえばこれは禁断の夢オチでしたね。
でもまあ、どこでも衣装ケースだから本当に何処にでも行けるのかもしれませんよ。
by marinegumi | 2015-05-05 19:23 | 掌編小説(新作) | Comments(6)