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節分あれこれ (3枚)

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「玄関に何を飾ってるの?」
「節分にはねえ、これの頭を玄関の外に吊るしておくと魔よけになるって」
「そうなんだ?だけどよくそんなのが捕まえられたね」
「そりゃあ大変だったよ。このために猟銃の免許をとったりね」
「ちょっと失礼。それを見せてください」
「あなた誰ですか?」
「日本自然保護協会の者です。イヌワシは希少野生動植物種で天然記念物なんですよ」
「え?それで?」
「節分に玄関に飾るのはイワシの頭!」




「憎しみは新しい憎しみを生み出すだけです。形の上だけは戦うのもいいでしょう。豆の代わりにマシュマロやチョコレートを撒きましょう。キャンディーや甘納豆もいいですね。地面に落ちても、それを拾った鬼たちが食べられるように、ちゃんと個別包装されたお菓子を撒く事にしましょう」
毎年の節分には甘いお菓子が撒かれるようになり、鬼たちはその味を覚え、日常的に甘いものを食べるようになりました。
そして糖尿病や虫歯の鬼が増えて行ったのです。
鬼の国にはお医者さんがいません。

「にた~り。鬼退治はこうやらなくちゃね」 




「あ、いたぞ。あそこに鬼の親子だ」
「こいつらもやっつけてやろうぜ!ほら、豆の用意はいいか?」
「あ、ちょっと待って。見逃してやろうよ」
「なんでだよ?」
「あの鬼の親子、切り株に座って恵方巻を食べてるじゃん」
「かなわねーなあ。最近の鬼は」




鬼の棲む島に今日も爆撃機が向かいます。
爆弾はもちろん大豆です。
島全体に炒った大豆を大量に撒くのです。
何日も、何か月もそれが続きました。
いつしか、島全体が大豆に覆われ、生態系が完全に破壊され、まともに食料が採れなくなり、鬼たちは滅びました。
何年か後。
しっかり炒られてなかったいくつかの大豆が芽を出し、空高く伸びました。
それはどんどん伸びて行って雲の上まで届いたのです。

やがてその豆の木を伝い、天空の大鬼たちが仲間の復讐に大挙して降りてきました。




「玄関に何を飾ってるの?」
「節分にはねえ、これを玄関の外に吊るしておくと魔よけになるってさ」
「何それ」
「石清水(いわしみず)八幡宮のお札」
「それは節分でなくても魔よけになると思うけど。石清水じゃなくて、イワシなの!」
「じゃ~これにしようか?」
「それは岩津(イワツ)ネギ!だんだん無理やりになって来た」



おわり



これまでに書いたツイッター小説で、二月三日前後に書いたものを見てみると、節分テーマの物が結構ありました。
それを長くしたものです。

写真は「フリー写真・イラスト素材(ロイヤリティフリー)Photo Chips」さんからお借りしました。

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Commented by りんさん at 2016-02-05 19:51 x
節分でこれだけの話を思いつくなんてすごいです。
イワシのダジャレで始まり、イワシのダジャレで終わる(笑)
楽しいですね。
鬼が恵方巻を食べるのがツボでした。
何だか画が浮かんでしまって^^
Commented by marinegumi at 2016-02-14 22:04
あら。
こちらにレスするの忘れてました。
三年間のツイッター小説の日付が2月3日頃のをピックアップすると結構節分ネタが出てきました。
やっぱりツイッターはアイデアの貯金箱だと思いました。
りんさんもツイッターをぜひ。

>鬼が恵方巻を食べるのがツボでした。
>何だか画が浮かんでしまって^^

セブンイレブンで買った恵方巻でしょうかね。
by marinegumi | 2016-02-02 22:09 | 掌編小説(新作) | Comments(2)