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海野久実が掌編小説やら短編小説を書いています。タイトルの後に原稿用紙換算の(枚数)があるのが小説です。


by marinegumi
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水槽 (2枚)

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熱帯魚を買ってきた。
夕焼けの色をしたプラティーを15匹。
プラティーを入れる前に水槽の中に景色を作りたくなった。
魚たちにはビニール袋のまま、エアーポンプで空気を送り、待ってもらうことにした。

色違いの砂を何層かに敷き、丘を作り、水草の樹木を植える。
左奥にはこんもりとした森を作る。
丘には曲がりくねった道を作り、その先にレンガ造りの家を置く。
庭を柵で囲い、郵便ポストを取付け、外灯のポールを立てる。

ふと思いついて、道だけを残してごく短い水草をびっしりと植えた。
砂でグラデーションを描いた地面は見えなくなったけれど、それはそれでいい。
やりだしたらとことん凝らないと気が済まないのがぼくの悪い癖だ。

水槽の中のその景色を確認して、やっと水を張りだしたのは夕暮れ近かった。
注意深く、景色を壊さないように少しづつ水を入れていると窓の外に音が聞こえた。
いつの間にか空は雲に覆われ、夕立が降り出したところだった。
なんだか大雨になりそうな予感がした。



おわり


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Commented by りんさん at 2016-06-22 13:17 x
いろいろと想像力が膨らむ話ですね。
水槽に作った景色が、自分の家とリンクしてしまうような不思議な感覚です。
実際に魚が泳いでいるところを見てみたいです。
Commented by marinegumi at 2016-06-24 00:03
りんさんありがとうございます。
>窓の外を見ると魚が泳いでいた。
>それも体長3メートルはありそうなプラティーだ。
な~んてところまで行くとちょっとやりすぎかなと思って。
by marinegumi | 2016-06-19 17:46 | 掌編小説(新作) | Comments(2)