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海野久実が掌編小説やら短編小説を書いています。タイトルの後に原稿用紙換算の(枚数)があるのが小説です。


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キャベツの千切り (2枚)

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最新式のお手伝いロボットは頼りになる。
家事のことなら何でもおまかせだ。
掃除から、ゴミの分別、ゴミ出しまで。
洗濯から、乾燥から、たたんでタンスに仕舞う、出かける前にはちゃんと洋服一式揃えてくれる。
お買い物から、献立から、お料理、後片付けまで。
食事後に口の周りが汚れているとちゃんと拭いてくれるしさ。
料理もおやつもおいしい上にお腹いっぱい食べても太っちゃうということもない。
カロリー計算も正確だからね。
まあ、その代わりお母さんが勉強勉強とうるさく言う時間が増えたんだ。
でも、プラスマイナスすればプラスのほうが大きいかな。
日々の暮らしはメリーさん(ロボットの名前)におまかせで大丈夫。
今日も台所から軽やかな包丁の音が聞こえる。
今夜のごちそうは何だろうか?
さっき台所を覗いたんだ。
きっとあれはトンカツだと予想した。
今はキャベツの千切りを作っているのかも。
宿題を片付けて、おやつを食べて、眠くなったのでちょっとお昼寝。
 
目が覚めた。
台所から、まだ包丁の音が聞こえる。
トントントントン、軽やかな気持ちのいい音。
でもあんまり長くないか?
いつまでどんだけ作ってるんだ?
ちょっと嫌な予感がして、台所を覗いた。
台所に緑色の小山が出来ていた。
それはきれいにそろったキャベツの千切りだった。
もうすぐ天井まで届きそうに盛り上がっている。
メリーさんはそのキャベツの小山の中で、まだ千切りを作り続けている。
「太陽のフレア爆発の影響で強力な電磁波が地球を襲いました」
テレビの臨時ニュースが流れていた。



おわり



元ツイッター小説。
もう入院してから15本ほどショートショートを完成させました。
ブログ用や、あっち用や、そっち用にね(笑)

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by marinegumi | 2016-11-22 14:46 | 掌編小説(新作) | Comments(0)