桃の花狂想曲 (2枚)

a0152009_14433156.jpg

桃の花の下で、突如大騒ぎが持ち上がる。

「ねえ、ちょっと。私おトイレ行きたくなっちゃったんだけど」
「行って来るがよかろう?」
「だってこの階段、人がたくさんいるし。こんな着物じゃ歩きにくそうだし」
「気を付けて行けばいいではないか」
「はいはい、ちょっとお姉さんごめんなさいね。きゃっ。袖が引っ掛かった。水がこぼれちゃったわね」
「大丈夫ですよ。それよりお召し物が濡れてしまって」
「いいからいいから。あいた!今度はおもちをひっくり返しちゃった。あとで直しますからね」
「いいです。私たちでやっておきます」
「バンドの皆さん空けてくださいな。その太鼓がじゃまっけだから。はいはいどうも」
「気を付けて行ってらっしゃい」
「ありがと、ぼうや。あらお爺さんのその刀、出っ張ってるので後ろが通れないわ。はいはいごめんなさいね。きゃ!弓が髪の毛に」
「おおこれは失礼つかまつった」
「そのほうきや熊手を持ってるおじさんたち、ちょっと引っ込めててね。あら、ちり取りをけ飛ばしちゃったわ。ごめんなさ~い」
ガラガラガッシャ~ン
「ああ、もう!何で家具をみんなこんな所におきっぱにしてるのよ!みんなひっくり返っちゃったじゃないよ。あらら牛が車を引いて勝手にどこかに行っちゃうわ。早くみんなで追いかけなさいってば」

七段飾りのお雛様んちは大騒ぎ。

これ以降、屏風の裏に仮設トイレを設ける事になりましたとさ。



おわり




写真はプリ画像さんでお借りしました。

ランキング参加してます。
クリックであなたに幸運が(笑)
    ↓
にほんブログ村 小説ブログ 掌編小説へ
にほんブログ村
[PR]
Commented by 雫石鉄也 at 2017-02-24 13:24 x
途中で、ちょっとネタばれしましたけれど、
面白かったです。こんなんじゃ、トイレに入ってからもたいへんですね。
Commented by marinegumi at 2017-02-24 16:43
雫石さんいらっしゃいませ。
ネタバレ上等、と言う感じで書きました。
人によって、どの辺で気がつくかと言うのをアンケートしてみたい気がします。
しばらく更新していなかったので、過去のツイッター小説を長くしてみました。
Commented by りんさん at 2017-02-26 18:33 x
お雛様がトイレに(笑)
まさに狂想曲ですね。
昔の人って、トイレ行くのも大変だっただろうなって、これ読んでしみじみ思いました。
Commented by marinegumi at 2017-02-27 15:13
りんさんありがとうございます。
あのお雛人形ってよく見ると奇妙ですよね。
たいてい、お雛さまとお内裏様が大女、大男なのか、他の人たちが小人なのか、体格が全然違う。
移動するのも不便。
まず屏風をセットして、お雛さまたちの座る台座、と順番にセットしていかないといけない。
手順を間違うと収拾がつかなくなっちゃいますよね。。
by marinegumi | 2017-02-23 14:46 | 掌編小説(新作) | Comments(4)