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校庭の桜の木 (2枚) ~空見の日~

3月16日は、もぐらさんの呼びかけで『空見の日』なのでした。
空見の日は、みんなで空を見上げようという日です。
毎回忘れていて他の人のブログを見て、そうだった~と思い出すのですけどね。
そう言う訳で一日遅れの『空見の日』。
でもまあ、空は昨日から今日へと続いているわけで(^_-)

校庭の桜の木 (2枚) ~空見の日~_a0152009_1712220.jpg


今日は雲一つない空でした。
写真では結構青く映っていますが、実際は春がすみと言うやつでしょうか、もっと白っぽい空なんですね。

ではさっき作ったお話です。



校庭の桜の木

それはある春の日の事だった。
学校の校庭に一本の桜の木があった。
放課後、傘を持ってなかった君と僕は雨が止むまでその木の下で雨宿りをしたね。
上を見上げると花が満開で、それでもやっぱりいくらか雨は落ちてきて。
濡れた君の頭にハンカチをかけてあげた。
いつもいじめられていた僕たちにはそこしか雨宿りをする場所はなかったんだ。

それは夏休み前のある日だった。
みんな帰ってしまった放課後。
君と二人で鉄棒をしていると急に空が暗くなり夕立がやって来た。
その時も校庭の桜の木の下で雨宿りをした。
上を見上げると濃い緑の葉が揺れるほどの大粒の夕立だった。
二人して木の幹を背にして囲むように両手をつないだね。

今はもう誰もいない学校。
あれから何年が過ぎたのだろう。
閉じられたままの校門を乗り越えて雨の中、校庭に入って来た。
桜の木は花をすっかり落していて、葉桜にはまだ早い。
木の下でずぶぬれになりながら雨が止むまで待つことにした。
見上げると枝の間から青空が少しのぞき始めるのが見えた。

君はもういない。
僕だってもうここに帰って来ることはないだろう。
すっかりぬれてしまったけれど、これは僕の雨宿りなんだ。





おわり



みなさんの「空見の日」の記事です。
もぐらさん「空見の日」
はるさん「今日は空見の日」
りんさん「天国の歓迎会(空見の日)」

他にも「空見の日」に参加してらっしゃる人はいないかと探してみました。
いらっしゃいましたね~

八少女 夕さん「空見の日」
harumimiさん「札幌の空」
雫石鉄也さん「ハクモクレンの木」

みなさん勝手にリンクしてしまってごめんなさい。
もぐらさん、他には参加してらっしゃる方はいないのでしょうか?

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by marinegumi | 2017-03-17 17:05 | 掌編小説(新作) | Comments(8)

Commented by haru123fu at 2017-03-17 22:01
皆の「空見の日」をつないでくれてありがとです。(^_-)-☆
良い作品ですね。朗読のお願いです。
よろしくお願いします。<(_ _)>
Commented by marinegumi at 2017-03-17 23:06
はるさん朗読よろしくお願いします。
こういう企画と言うか、競作と言うか、こんな機会があると書くきっかけになってくれますのでうれしいですね。
あと、 harumimiさんが参加宣言はないけれど、参加されている風なのでリンク追加します。
Commented by marinegumi at 2017-03-17 23:18
はるさん、最後の一行を追加しましたけれど、たぶんもう出来上がっているでしょうから気にしないでください(笑)
Commented by haru123fu at 2017-03-17 23:35
あれっ?朗読している声が聞こえていたのかな?
は~い!すでに完成してました。(-"-;A ...アセアセ
Commented by もぐら at 2017-03-19 13:34 x
今年も参加してくださってありがとうございます。
まとめまでしてくださってありがとうございます。
本当なら私がしないといけないのに。m(__)m

あとはtoyokoさんが参加してくださいました。
銀河径一郎さんも参加です。そうしましょう。(*^^*)

書き込めるかな。
Commented by marinegumi at 2017-03-19 15:07
もぐらさん、毎年ありがとうございます。
なんとなくお話を書くのが億劫な時には、こういう企画(?)に乗っかると書けることが多いんですよね。
下の作品もりんさんのお雛様ネタに乗っかって書いたものです。
来年こそ忘れないように……
なんて言いながらきっと忘れてますよ。
Commented by りんさん at 2017-03-20 21:07 x
いい青空ですね。
そして、いい話です。
この学校は、廃校になってしまったんでしょうか。
すごくノスタルジックなお話です。
Commented by marinegumi at 2017-03-21 10:32
りんさんありがとうございます。
廃校。
そうなんでしょうね。
主人公は、大人になっているけれど何か人生につまづいて、たまたま帰って来た故郷の廃校になった小学校の桜の木の下にやって来る。
一時的な人生の雨宿りをしにやって来た。
そんな感じです。