「ほっ」と。キャンペーン

第16回フェリシモ文学賞に応募していて、おしくも(?)入選はしなかったものの、優秀作品に選ばれていたんですが、このたび本になりました。
6月ごろに発売と聞いていたのが、今日宅配便で届きました。
アマゾンにはまだ出ていないので、作者にだけ先に送ってくださったようです。

「かわいい」がテーマの割に地味めな装丁?
と思ったら。
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何とケース入りだったんですね。
中からはピンクのかわいいイラスト入りの本。
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僕の作品はこちら「交通事故」です。
若い女の子が運転する車の交通事故の相手は、何と宇宙人の乗ったUFOだった?
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モノクロですが、ちゃんとイラストも描いてくださいました。
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そのイラストのアップ。
作者は寺田マユミさんです。
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ほら間違いなく「海野久実」(笑)
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目次です。
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読めないのでアップ。
「交通事故」が僕の作品ですが、ここに名前が入ってないんですね。
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大賞作品にはカラーのイラストが入ります。
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お気に入りの本の間に並べてみました(笑)
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こちらは裏表紙です。
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ケースの裏側に書かれた作品タイトルです。
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さてさて、海野久実のペンネームでは初めての商業出版で本に載りました。
これからもこういう機会が増えて行くといいですね。


作品名と作者名をここに書いておきましょうか?

大賞(一遍)
梅雨明け     湊 菜海

優秀賞(二編)
犬のまくらと鯨のざぶとん     日比野 碧
嫉妬に火をつけて     鮫田 心臓

佳作(三篇)
借景     溝口 さと子
ハル子さんの胸     睦月 羊子
天国料理人     雨の国

以下、優秀作品
ハートエイド     門馬 昌道
シロー先輩の告白     前田 美幸
交通事故     海野 久実
バイバイほらふき     碧井 かえる
咲いた団栗     奥田 登
ビーフシチューでもいいかしら     森 朝美
夏のすきま     わかはら あつ子
小さくたって     二瓶 ゆき子
爪に爪なし猫に爪あり     野咲 野良
父の指輪     荒城 美鉾
苺の家     村上 あつこ
きれいな人     桜庭 三軒
大切な朝     貴布 吉申
BABY     久下 ハル
僕の彼女は〇〇様     パラリラ
とるにたらない     勝本 詩織
みかの魔法の粉     木村 光治子
わたしのかたち     遠野 奈々
ふわりとさいた     1eemin
かおるさん     柄澤 潤

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by marinegumi | 2013-05-29 13:39 | | Comments(13)

リモコン (5枚)

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仕事から解放され、帰りの電車に乗った。
窓の外を流れて行く夜の都会の風景は、あまりにも現実的だった。
高層ビルの群れ。
そこを縫って走る電車や自動車の多さ。
迷路のような交通網。
そしてあまりにもたくさんの人、人、人。
あまりにもそこは広く、あまりにも複雑で、あまりにも質量にあふれていた。
軽い頭痛を感じて目を閉じた。
でも精神は冴えたままで電車の音を聞いていた。

マンションの自分の部屋に帰るともう何もする気にはなれない。
テレビを見ながら、きのうのカレーの残りを食べ、それだけで夕食は済ませる事にした。
早く眠ってしまいたかった。

ベッドに横になる。
今から眠ってしまうと10時間も眠れる。
でも、少しも眠くはないのだった。
常夜灯だけを残して照明を消した。
いつもこの状態で眠る。
部屋の壁や、カーテンの柄、本棚や洋服箪笥等がうっすらと見えている。
うっすらと見えてはいるが、それはそこに確かに存在している。
そう、あの街と同じように確固とした質量としてそこにあるのが判る。
都会もこの部屋も、私には私を圧倒する存在なのだ。
それらがそこに存在していると言うだけで感じる圧迫感が私には耐えがたいのだ。

ふと、部屋を真っ暗にしてみようかと思いついてリモコンのボタンを押す。
部屋は暗闇にのまれる。
すると嘘のように圧迫感を感じなくなった。
ベッドの上に横になっているのか、立っているのかさえ分からず、重力から解放されたような気もする。
わたしはベッドを離れて立ち上がった。
恐る恐る歩いて見た。
手を前にさしのばして、2歩、3歩。
意外な事に手はどこにも触らない。
そんな馬鹿なと思いながらじわじわとすり足で前に進むが、それでもまだ壁に届かない。
さすがに少し不安を覚えて後ろに下がるとベッドがあった。
ベッドのまくら元の照明のリモコンを手探りで掴んだ。
ボタンを押すと元通りの自分の部屋だ。
その明るさに目を細めた。
しばらく考えた。
ベッドから降りて、たぶん10歩ぐらいの距離は歩いたはずだ。
それなら壁に突き当たっていて当たり前だ。
不思議な事がある物だとは思ったが、さっきのあの開放感を思い出した。
そして、今感じている圧迫感。
恐る恐るもう一度照明を消した。
真っ暗になると圧迫感は消え、宇宙の真ん中に浮かんでいる気分になる。
私はまた立ちあがった。
手には照明のリモコンを持って。
数歩歩いてみた。
壁には届かない。
最初はゆっくり、次第に普段歩く速さで歩いていた。
いくら歩いても何もさえぎる物はなかった。
私は最後には走り出していた。

もう何時間経ったのだろう。
走ったり、歩いたりを繰り返した。
ふと、手に握っているリモコンの事を思い出した。
もう今はさえぎる物は何もない。
しかしこのスイッチを入れると、また私の部屋があり、その外には現実的な都会が広がり、その質量で私を圧倒しようとするだろうと思った。
そうか。
これが。
私の握っているこのスイッチが世界を出現させるのかもしれない。
だとすれば。

私は手に持っていたそのリモコンを力いっぱいに投げた。
出来るだけ遠くへ。

どこかに落ちる音はいつまでたっても聞こえなかった。




おわり



この作品は例によってTome館長さんのブログ、「Tome文芸館」の作品、「真っ暗闇」を読んで、想像力を刺激されて書いた作品です。
Tome館長さん、いつもありがとうございます。

さてさて、書き続けている角川ツイッター小説の「どこまでも遥香」は今のところ212ツイートになりましたよ。
原稿用紙にすると50枚は超えている感じかな?

それからですねー
応募していた「Twitter小説大賞」で、僕の作品がノミネートされています。
応募総数2.383編。
ノミネートは128編です。
大賞/優秀賞/佳作が選ばれます。
それぞれ賞金が出ます(笑)
人気投票が行われていて、受賞作品選考の参考にされるようですので、皆さんの投票をよろしくお願いします。
投票にはツイッターのアカウントが要ります。
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by marinegumi | 2013-05-24 22:40 | 掌編小説(新作) | Comments(13)

どこまでも遙香 (その後)

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「角川Twitter小説」の作品「どこまでも遙香」ですがまだまだ書き続けていますよ。
150ツイートを超え、原稿用紙にすると約40枚ぐらいにはなると思います。

どこまでも遙香(はるか)

作者も予期しなかった展開に突入。
「オズの魔法使い」が劇中劇として展開され始めました。
これにどう結末を付けるのか、なかなか大変かもしれませんが、楽しみでもあります。

あと、海野久実でも「角川Twitter小説」に参加しています。

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by marinegumi | 2013-05-17 12:47 | ツィッター小説 | Comments(2)

母の日に (2枚)

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「母の日だって言うのにプレゼントが来ませんね。あなた」
「しようがないだろ、それは。みんな忙しいんだよ」
「いくら忙しいとしてもですよ、母の日なんて前から判っているんですからね、いまどき宅急便なんて便利なものもあるじゃないですか」
「それもそうだけどさ」
「テレビではもう1週間も前から母の日、母の日って言い続けてますしね。忘れようたって忘れられないんじゃありませんか?」
「まあ、いいじゃないか。忙しくてテレビを見る時間もあまりないのかも知れないよ」
「あなたはいつもそうなんです。子供に甘くって。わたしが厳しく躾けようとしているのに、『まあ、いいじゃないか』って。そればっかり」
「私はね、子供をやさしい人間に育てたかったのさ。思いやりがあって、いつでも笑顔で、誰にでも優しい、そんな大人になって欲しかったのさ」
「それじゃあ、あなた。わたしの育て方が悪かったとおっしゃるんですか?」
「な、何もそんな事は言ってないじゃないか」
「いいえ、あなたは遠まわしに、そう言っています」
「違うんだよ、お前」
「そう言えば、去年もなかったですよね、母の日に。カーネーションの一本でも持ってきて、『お母さんありがとう』ってそれだけでいいんですよ。何も豪華なプレゼントをよこせって言ってるわけじゃないし。そうですよ、手ぶらだってかまわないんです。元気な顔を見せてくれるだけでうれしいんですよ、母親はね」

「お前さあ、考えてみれば、おと年も誰も来なかったんじゃないか?」
「おや、そうでしたっけ?」
「そうだよ。その前の年も、ずっと前から誰も来やしないんだ」
「…………」
「母さんや、どうしたんだい?」

「ねえあなた。そもそも私達の間に子供なんて生れて来なかったんじゃありませんか?」



おわり



元は母の日に書いたツイッター小説です。
長くしていくうちに別役実さんの不条理劇にだんだん似て来るなーと思いながら書きあげました。

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by marinegumi | 2013-05-14 20:55 | 掌編小説(新作) | Comments(8)

どこまでも遙香(はるか)

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ただ今「角川Twitter小説」でツイッターによる長編小説を書いています。

どこまでも遙香(はるか)

主人公の名前が海野遙香(うんのではなくて、うみのはるか)なんですが、彼女がツイッターでつぶやきながら旅をするんですが、そのつぶやきが作品そのものと言う設定です。
ですからアカウントも海野遙香になっています。
これはほぼ行き当たりばったりに書いているので、どういう結末になるのか作者にもわかりません。
上の写真のようにUFOが出て来るかどうかもわかりません。
今、僕のオリジナルキャラクターの「とげクマ」が登場したところですが、こいつが出てくる予定はまったくありませんでした(笑)

あと、海野久実でも「角川Twitter小説」に参加しています。

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by marinegumi | 2013-05-10 11:46 | ツィッター小説 | Comments(8)

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メリーさんは羊を飼っていました。
誕生日のプレゼントとして、お父さんが買ってくれたのです。
「うんと可愛がってやるんだぞ」
お父さんは言いました。

メリーさんはその羊にメリーちゃんと言う名前を付けました。
メリーさんは感心な事に、毎日、毎日、メリーちゃんの世話を忘れませんでした。
餌をあげたり、毛を梳(と)かしたり、ウンチの始末さえちゃんとやりました。

メリーさんがメリーちゃんを呼ぶときは「メリー!」と呼びます。
メリーちゃんがメリーさんを呼ぶときは「メエェ~」と呼びます。
お母さんが庭に向かって「メリー!」と呼ぶとメリーちゃんとメリーさんが両方やってきます。
「メリー!ごはんですよ」
メリーさんはテーブルで夕食を食べます。
メリーちゃんはテーブルの下で餌を食べます。
この餌はメリーさんが用意した物です。
メリーちゃんの餌は必ずメリーさんが用意すると自分で決めていたからです。
夕食の後、メリーさんはメリーちゃんと一緒にお風呂に入り一緒のベッドで眠ります。
メリーちゃんはふわふわでとってもあったかでした。

メリーさんが学校へ行っている時に、お母さんが庭に向かって「メリー!」と呼ぶとメリーちゃんだけがやってきます。
メリーちゃんはやってきますがそんなにうれしそうではありません。
だってお母さんが呼んでも餌はくれないからです。

学校がお休みの時は、メリーさんとメリーちゃんは家の庭で遊んでいます。
お母さんが庭に向かって「メリー!」と呼ぶと、メリーさんとメリーちゃんが競争するように走ってやってくるのです。

ある日の夕方、お母さんが庭に向かって「メリー!」と呼ぶとメリーさんだけがやってきました。
「さ、今日はあなたのお誕生日ね。おめでとう」
お父さん、お母さん、メリーさんがテーブルに着きます。
メリーちゃんはと言いますと、一足お先にお母さんに呼ばれ、誕生日のごちそうのメインディッシュになっていたのです。

メリーちゃんは三か月前、この日のために買われてきたのでした。
メリーさんは今日から眠る時、ちょっと寒いかも知れないなと思いました。



おわり



この作品はTome館長さんのブログ「Tome文芸館」の作品、「メリーちゃん」のコメント欄に書いたものを元にしています。

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by marinegumi | 2013-05-05 11:22 | 掌編小説(新作) | Comments(6)