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海野久実が掌編小説やら短編小説を書いています。タイトルの後に原稿用紙換算の(枚数)があるのが小説です。


by marinegumi
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角川Twitter小説【オールジャンルコンテスト】に参加していたのですが、途中経過が発表になっています。
最優秀賞候補作品30
何とその中に僕の「どこまでも遥香」が入っています。
まったく期待しておらず、発表がいつなのかも知らずに過ごしていましたが、お友達のツイートで知りました。
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こう言うことになるのならもうちょっとちゃんとストーリーを練って書くんだったんですけどね。

この作品は海野遥香と言う名前の主人公のツイッターのつぶやきがそのまま作品になって行くと言うていで書いて行ったものです。
それこそ行き当たりばったりで下書きもなく書き進めた感じですね。
コンテスト後にちゃんと書きなおしてライトノベルの賞に応募するのもいいかな、たぶんしないだろうなと漠然と考えていました。
ま、最優秀賞は無理でも、これで長い物を書く自信にはなりましたね。

この30作品の作者さんたちの中にはツイッターで相互フォローしてくださっている方が結構いますね。
いや、楽しみ楽しみ。

発表は9月6日です。

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by marinegumi | 2013-08-24 22:18 | ツィッター小説 | Comments(4)

食卓

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夕食のテーブルの上にはずらりと食器が並び、それぞれに目にも豪華な料理が盛られている。
海の幸と野菜の前菜。
コンソメスープにパン。
鯛の白ワイン蒸しサフランライス添え。
大きなボウルに山盛りの豆。
牛ひれ肉のグリル。
野菜と魚介のミックスサラダ。
チョコレートムース。
それを囲んで座る家族の瞳にそのおいしそうな料理が写っている。
「みんなおあがりなさい」
「いただきま~す!」
5人の子供たちの手が一斉に豆の入ったボウルに伸びる。
痩せた小さな手が豆を奪い合う。
すぐにボウルは空になり、あとには貧しい画家が食器に描いた豪華な料理の絵が残る。



おわり



カテゴリ「ツイッター小説プラス」で同時に4本投稿しています。
「ツイッター小説プラス」と言うのは、ツイッターで書いたツイッター小説をなるべくそのままの形を保ちつつ、短さゆえに書き足りなかった所を書き加えたものです。

どうか同時投稿の他の三本も読んでやってください。


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by marinegumi | 2013-08-15 22:40 | ツイッター小説プラス | Comments(4)

呪い

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ある世界の人々は常に歌っていないと死んでしまうと言う魔女の呪いをかけられました。
そこではどんな時にでも、どこからともなく低く音楽が流れ続けています。
その音楽に合わせて、しゃべる言葉を歌にするのです。
お互いの会話はもちろん、独り言の時も、寝ている時でさえも、絶えず歌わなければならないのです。
何もしゃべらない時でさえその音楽に合わせ、ハミングをしなくてはなりませんでした。

また、それとは別のある世界の人々は空気を呼吸し続けなければ死んでしまうと言う呪いをかけられたと言います。
それだけではなく魔女はその世界の人々に二重三重の呪いをかけました。
心臓を絶えず動かさないと死んでしまうと言うのもその呪いの一つでした。
誰かを好きにならないと生きて行けないというのもまた呪いの一つでした。
その最後の呪いは、果たして呪いなのかどうか、人々の間で意見は分かれていましたけれど。



おわり


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by marinegumi | 2013-08-15 22:38 | ツイッター小説プラス | Comments(2)

馬鹿

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自分がずっと同じ景色を見上げているのに気が付いたのは七日前の事だった。
身動きも出来ずに、ずっと同じ風景が夜になり、朝になりするのを見ていたんだ。

妙なにおいが鼻につきだしたのは三日前の事だった。
そしてどうやらそのにおいは僕自身のにおいらしいということが判った。

何やらたくさんの虫たちが僕の体を食べ始めているのに気がついたのは昨日だった。
そこまで来てやっと僕は自分が死んでいるんだと思い至ったと言うわけだ。
「馬鹿は死んでも治らない」と言っていたおじいちゃんの言葉はこういう意味だったんだと気が付いたのは、ほんのさっきの事だったよ。



おわり



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by marinegumi | 2013-08-15 22:36 | ツイッター小説プラス | Comments(0)

指輪

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『泉のある広場で素敵な挙式を』という触れ込みの結婚式場で、私たちは式を挙げた。
人工の小じんまりした泉の前に神父さんが立ち、私と彼に指輪交換を促した。
私はケースから取り出した彼の指輪をうっかり落としてしまい、それは石のタイルに二度三度跳ね返り、泉に落ちた。
泉から女神が現れた。
「あなたの落としたのはこの指輪ですか?」
女神が差し出したのはさっきの金の指輪ではなく、みすぼらしいプラチナの指輪だった。
「いえ、違います」
「そうですね。でもこの指輪はあなたが本当に好きな人の指輪ですよ」
そう言うと式場の後ろの方を指差した。
そこには翔君くんが立っていた。
「これをあの人に」
参列者も彼も、何も言えず身動きも出来ず、ただ見つめるだけだった。
わたしはその金よりも美しく輝く指輪を翔くんの薬指にはめた。



おわり



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by marinegumi | 2013-08-15 22:33 | ツイッター小説プラス | Comments(0)

リアル書店でお買いもの

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本を買うのは殆どセブンネットになってしまってたんですが、久しぶりにリアル書店で買いこみました。
ネットで買うのも便利ですが、やっぱり実物を手にとって、パラパラ拾い読みをして買うのを決めると言うのは良いもんですね。
近所の小さな書店で買うことは、1冊2冊ぐらいならない事はないのですが、足を延ばして大きな本屋さんで買うのは久しぶりの事でした。

最初から買うと決めていたのは眉村卓さんの3冊。
「ペルセウス座流星群」は前から買うリストに入っていたのですが、何と、今がペルセウス座流星群の旬ですね。同じウィルスン作の「時間封鎖」からの3部作や「クロノリス」も買おうかどうしようか迷ったのですが、今回はパス。
諸星大二郎作品は、新しいのが出ると迷わずゲット。
筒井康隆さんの作品も同じく。
「5分で読めるひと駅ストーリー」は書店で発見。ショートストーリーを書く上での参考になればと。面白ければ「西口編」も。え?「乗車編」「降車編」なんてのも出ているって?

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by marinegumi | 2013-08-14 14:11 | | Comments(0)
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犬が大好きだった。

私が10歳の時におばあちゃんが死んだ。
それでおばあちゃんが飼っていた柴犬をうちで飼うようになったのが最初の一匹だった。
犬にしてはだいぶ年寄りだったけれど、私はその子がかわいくて仕方がなかった。
散歩をしたり芸を覚えさせたり、毎日毎日を楽しく過ごした。

ある日、エサを買いに父とペットショップに行ったときに見た1匹のトイプードルから私は目を離せなくなってしまった。
そのケージの中の愛らしい生き物に魅入られてしまい、動けなくなった私のために父はその子を買うことを許してくれた。
お小遣いをはたいてまで。
やっぱり父も犬が好きだったのだ。

犬が2匹になっても私は前からいるおばあちゃんの柴犬をほったらかしにしたりはしなかった。
ちゃんと分け隔てなく2匹ともかわいがったのだ。

それから3年ぐらい経つうちに我が家の犬は5匹に増えていた。
ペットショップで買ったり、私が拾ってきた犬だったり、人からもらった犬だったりした。
庭で飼っていた犬もいれば、家に上げて飼っていたいわゆるお座敷犬もいる。
そんな犬たちみんなを、私は同じようにかわいがったと思う。

かわいがっていただけに、犬が死ぬときにはとても悲しい思いをした。
初めて自分の飼っていた犬が死んだ日には一晩中泣き明かしてしまった。
そんな時は私の周りにたくさんの犬たちが寄り添って寝てくれた。
それはまるで私を慰めてくれているようだった。

犬が7匹になった頃、私は結婚した。
一人っ子だった私の家に、彼は一緒に住むことになったのだけれど、彼も私に輪をかけた犬好きだったので、それから2年のうちに10匹にまで増えていた。

年月が過ぎていくうちに、更に1匹また1匹と死んで行き、そんな子たちの写った写真がサイドボードの上に増えて行った。
そして不思議な出来事が起こりだした。

死んだ犬たちの鳴き声が時々聞こえる事がある。
今いる犬たちの声との聞き間違いだったりは絶対にない。
私にははっきりとわかる。
声が聞こえたとき、今はもういないその犬の顔をはっきりと思い浮かべることが出来る。
たくさんの犬たちにも聞こえているようで、一斉に聞き耳を立てるのだから、空耳なんかじゃない。
彼にもそれはちゃんと聞こえていて、とても気味悪がった。
少しおびえている風でもあった。

さらに年月が過ぎ、死んで行った犬の数が増えると、あの世からの犬たちの声が聞こえるのも珍しい事ではなくなってしまった。
「ああ、あの子の声だわ」と思って懐かしい思いもあったけれど、その声が聞こえるのが真夜中だったりすれば、決して気持ちはよくなかった。
でも、その声を怖いと思ったことは一度もない。
そうなんだ。
おばあちゃんが飼っていた柴犬がもう80歳近くにもなると言うのに、いまだに生き続けていることに比べればどうと言うことはない。
何年も何も食べず、水も飲まず、やせ衰え、毛はあちこちが抜け落ちて目は白く濁っている。
そんな状態でも確かに生きている。
犬小屋の奥にうずくまり、腐臭を漂わせ、小さなうめき声を上げ続けているおばあちゃんの愛犬。
それに比べれば、死んだ犬たちの声が聞こえるぐらいは少しも怖くなかった。




おわり



『#twnovel納涼祭』で書いたツイノベを掌編小説にしてみました。

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by marinegumi | 2013-08-05 22:26 | 掌編小説(新作) | Comments(4)