a0152009_21362386.jpg

ジョージアのキャンペーン「ほっとジョージアボイス」に投稿して採用されちゃった。
ジョージアエメラルドマウンテン1ケースゲットです。

このキャンペーンは色んな状況でのほっとする一言をツイッターで投稿するものです。
全部で24回の募集で、僕のは13回目でした。
まだまだ投稿できますよ。

採用された物は動画になって配信されます。

こちら


「遅刻して上司に怒られた後に同僚からほっと一言」
と言うお題に対して。
「わたしのことばっか考えてて、寝不足なのかな~?」

この動画の出演はタレントの加藤瑠美さんと言う女の子。
「この言葉少し恥ずかしかったです!(笑)ありがとうございました♡」
なんて@ツイートもらっちゃって嬉しかったりしています。
[PR]
by marinegumi | 2013-11-21 21:49 | わたくし事 | Comments(4)

a0152009_17285320.jpg

帰りの電車にゆられながらクリスマスに浮かれている街の明かりを見ていた。
寒空の下に暖かい世界があった。
私だけがその世界の住人ではないような気がした。

電車を降り、しばらく自転車で走ると我が家のある静かな住宅街だ。
どの家にも暖かそうな明かりが灯っている。
ふと、小さく家族の話し声や笑い声が聞こえた。
「クリスマスイブだよなー」
ため息とともに声に出していた。
重いペダルを踏んで我が家にたどり着く。
門柱灯は自動点灯なので明々と灯っていたが、玄関や窓はどこも真っ暗だ。
鍵を取り出してドアを開けると部屋の中の空気が外よりも冷たく感じた。
実際はそんな事はないだろう。
たぶん真っ暗なせいだ。
明かりをつけると、愛犬のジルが走って現れ飛びついて来た。
顔をペロペロなめられる。
ジルはプードルだ。
ちっこいトイプードルではなく、普通のプードル。
わたしが犬を飼うときにトイプードルに決まりかけていたのを反対したのだ。
あまり小さい犬は好きではなかった。
「会社から帰ったら、ジルの散歩をお願いします」
嫁さんの言葉を思い出した。
カバンを玄関に置いてリードをジルの首輪に付けた。
嫁さんは二人の娘と一緒に今日から三泊四日の旅行に行っている。
わざわざクリスマスに出掛けなくてもいいようなものだけれど、クリスマスイベントのある大型テーマパークに行くのだと言う。
「三日間よろしくな。ジル」
そう声をかけると、愛犬は首をかしげた。

通勤の服装のまま散歩に出かけた。
ジルはぐいぐいとリードを引っ張る。
あまり散歩をさせた事はないが、先になって引っ張るのは犬としてのしつけが悪いんじゃないかと思った。
でもまあ、いつもはどう言うルートで散歩させているのか分からないので、ジルの行きたい方向へ行かせればいいかとも思っていた。

ジルはどんどん街灯のない暗い道へと入って行った。
「おいおい、いつもこんな暗い道を通るのか?」
自分でそう言った時に気がついた。
いつもは嫁さんか娘が散歩させている。
夜にさせたりはしないのだ。
もっと早い時間に済ませているわけだ。
「懐中電灯でも持ってくりゃよかったかな」
そう呟いた時、道が結構明るく照らされているのに気がついた。
何の明かりだろうとよく見てみると、なんとジルの鼻が光っているのだった。
「お、お前。その鼻は?」
振り返った愛犬が急に大きくなった。
足がするすると伸び、体もスマートになった。
そしてなんと頭から角がにょきにょきと伸びたのだ。
びっくりして尻もちをついた。
それはまるで鹿、いや、トナカイだった。
そしてどこからともなく表れた他の犬たちが4~5匹集まって来る。
トナカイに変身しながら近づいてくるのだ。
ふと横を見ると大きな橇(そり)が止まっている。
「どういうことだ?!」
訳が判らず頭に手をやるとかぶった覚えのない帽子が触った。
思わず口を押さえるとひげが生えている。
服装は真っ赤な、袖に白いファーがついたオーバーだ。
トナカイたちは橇の引き紐に自分から首を通してちゃんと整列している。
橇の後ろには大きな白い袋が3個もある。
「なるほど。そう言う事なんだな」
私は理解していた。
「サンタクロースに任命されたわけだ」
そう言うことだったんだ。
毎年こうやって家族とクリスマスを過ごす必要のない人物がサンタクロースに選ばれているに違いない。
「ようし。それなら思いっきりサンタクロースを楽しんでやろうじゃないか」
私は橇に座るとムチを振り上げた。
ジルの変身した赤い鼻のトナカイがこっちを睨んだので強く当てたりはしなかったけれど。
「待ってろよ、子供たち!」
橇は半分の月のかかる夜空高く舞い上がった。




おわり




二日連続でクリスマスストーリーのアップです。
このお話は去年書いたツイッター小説を元にしています。

ランキング参加してます。
クリックであなたに幸運が(笑)
    ↓
にほんブログ村 小説ブログ 掌編小説へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ
[PR]
by marinegumi | 2013-11-20 17:33 | 掌編小説(新作) | Comments(8)

a0152009_23354873.jpg

空港の出発フロアには美しいイルミネーションで輝く大きなクリスマスツリーがあった。
一人でソファーに座りヒロムはそれを見ている。
彼の瞳の中でも明かりが点滅している。
しかし、その青白い、温かみのないLEDの光は彼の気持ちを寒々とさせていた。
たくさんの人々でごった返すフロアにはヒロムと同い年ぐらいの小さな子どもたちもいる。
彼らは当然みんな親子連れだった。
大きな、玩具やお菓子の箱を抱え、それぞれ暖かそうな服を着て、みんながみんな笑顔だ。
これから飛行機に乗る子供もいるようだし、クリスマスの買い物のためだけにこの空港まで来た親子連れもいる。
自分以外の誰もが幸せそうにヒロムには見えた。

「今日はクリスマスだ」とヒロムはその日、何度思った事だろう。
両親もいない、プレゼントもご馳走もないクリスマスは初めてだった。
外国にいるお母さんが新しいお父さんと暮らし始め、ヒロムはそこへ行くことになり、今ここにいる。
本当のお父さんが病気で亡くなり、2か月ほど叔父の世話になっていた。
そのヒロムの叔父は受付カウンターで搭乗手続きをしていた。
それが終ったらしく戻って来ると電光掲示板を見ながら言った。
「あと30分ぐらいで出発だからな。このお姉ちゃんによく頼んでおいたから大丈夫だよ」
ヒロムが顔を上げると叔父の後ろで空港の制服を着た女の人が笑っていた。
「あなたがヒロムくんね。飛行機のチケットは私が預かっているからね。心配はいらないよ」
ヒロムはその女の人に手を引かれ国際線ゲートエリアに向かった。
振り返ると叔父が笑顔で手を振っていた。
ヒロムが一度目をそらし、もう一度見直すと、叔父は後ろ姿だった。
両手を腰に当て、一つ大きなため息をつくと数秒後には歩き出していた。

飛行機は寒空に飛び立った。
ヒロムは隣の見知らぬ女の人が代わってくれた窓際に座っていた。
半分凍りついた窓からは夕闇の中の街明かりがはるか下の方に見えている。
ヒロムはその無数の明かりの描く模様にクリスマスツリーの形を見つけようとした。
でもそれは何の形にもなってはいない。

女性の客室乗務員が何度もヒロムの所へ来てくれた。
シートベルトの世話や、寂しくないかとか、お腹がすいてないかとか、優しい言葉をかけてくれる。
彼は声に出さず、うなづくだけだ。
ヒロムはリュックの中から本を取り出した。
特に大事にしている2冊の本。
1冊は絵本の「オズのまほうつかい」
これは自分で読める。
もう1冊は「80日間世界一周」
これは自分一人では殆ど読めない。
お母さんに一度読んでもらった事があって、その面白さが忘れられなかった。
そんな2冊を膝の上に置き、「オズのまほうつかい」のページをめくった。
他の本やヒロムの持ち物はみんな後で叔父が送ってくれると言っていたはずだ。

機内サービスにあの世話好きな客室乗務員が来て、ヒロムに声をかける。
「メリークリスマス。ヒロムくん」
そう言って紙コップに暖かい紅茶と小さなケーキを置いてくれた。
そして小さなリボンをかけた箱。
「今年はサンタさんが来なかったんだって?お姉ちゃんが代わりに上げるからね」
それは機内販売で扱っている旅客機の模型だった。
彼女が自分でお金を払ったものだ。
包装紙を取りその箱の飛行機の絵を見て、ヒロムは少し笑顔になった。
「ありがとう」と、かすれた声でお礼を言った。
でもなぜか心の中の寂しさは、かえって大きくなったような気がしていた。
普通のショートケーキの三分の一ほどのオレンジケーキに、小さなおもちゃ。
父親と二人きりの数年間でも、ちゃんとクリスマスには大きなケーキといくつかのプレゼントと御馳走があった。
今年のクリスマスはこんな空の上。
真っ暗な冷たい空の上のクリスマスだ。
それももうすぐ終わってしまう。

ヒロムは眠ろうとした。
少し、うとうととするものの、なかなか寝付けなかった。
それでも少しは眠ったのだろう。
気が付くとヒロムの体には毛布が掛けてあった。
眠りかけては目が覚め、まだ飛行機の中なのに気が付き、長い眠れない時間を過ごす。
そしてまたうとうとする。

少し眠ったと思ったが、飛行機が着陸態勢に入ったざわめきで目が覚めてしまった。

ようやく飛行機は空港へ着いた。
と言うことは飛行機の外は見知らぬ外国なのだ。
寝起きでぼんやりした頭のまま、大人達と一緒に飛行機の通路を歩いて行く。
外へ出る時にあの客室乗務員が声をかけた。
「ヒロムくん。元気でね。バイバイ」
満面の笑顔で手を振ってくれた。
出口には外国人の空港の係員の女性が立っていてヒロムと手をつないだ。
意味のわからない言葉をしゃべり、ぐいぐいと引っ張って歩いて行く。
空港のロビーには見知らぬ外国人の男の人が迎えに来ていた。
その人は片言の日本語でしゃべった。
「ヒロムクン。ボクガキミノアタラシイオトウサンダヨ。ヨロシクオネガイシマス」
そう言って無理やり握手をした。
その手はびっくりするほど大きかった。
でもとても暖かいのだ。

空港から男の人の運転する車に乗った。
空港の周りこそ明かりが点いていたけれど、しばらく走るともう街灯もないような寂しい道が続くばかりだ。
不気味な木々が両脇を通り過ぎて行く暗い暗い道。
車のバックシートは飛行機の座席よりも居心地がよくヒロムはすぐに眠りに落ちてしまった。
一度車が止まり、毛布が自分の体に掛けられたのを覚えていた。

目が覚めるとベッドの上だった。
ふかふかのクッションの彫刻が施された木のベッドだった。
部屋は日本の自分の部屋とは大違いで洒落た木の家具が揃っている。
窓を覆っていたカーテンを両側へ開く。
窓は上がカーブした両開きの木の枠の窓だ。
そして外の景色を見て驚いた。
すっかり葉を落とした雑木林が広がり、一面を雪が覆っていた。
サンタクロースがそりを走らせるのが似合いそうな景色だった。
後ろのドアが開いた。
「あ、やっと起きたのね。ヒロム」
そこには何年振りかで見る母親が立っていた。
着ている服も日本にいる時とは違ってまるでおとぎ話の登場人物みたいなドレスだ。
そしてとてもきれいだった。
母親はヒロムに近づくと目の高さまでしゃがんで彼を抱きしめた。
「ごめんね、つらかったでしょ。これからはずっと一緒だよ」

母親に手を引かれ一階に降りると、そこには大きなクリスマスツリーがまだ飾ってあった。
レンガで出来た暖炉では本物の火が勢いよく燃え、テーブルの上には御馳走がこれでもかと言うほどに並んでいる。
その真ん中には写真や絵でしか見たことのない七面鳥の丸焼きがドーンと居座っているのだ。
「今日はクリスマスだよ。これだけの用意をするのに忙しくてさ。空港に迎えに行けなかったんだ。ごめんね」
母親は奥の部屋に声をかけた。
「ジョン!」
ドアが開いて男の人が大きなリボンのかかった箱を持って入って来た。
「メリークリスマス!ヒロムクンヘノプレゼントダヨ」
ヒロムは目を丸くした。
「だって、クリスマスはもう終わったのに?」
「何言ってるの?今日は12月25日だよ」
そこで母親は、ポンと手を打った。
「そうか、そうだよね。ヒロムは飛行機で日付変更線を越えたからね」
彼は部屋を見回した。
壁に掛けられた自分のリュックを見つけた。
それを下ろして開き、「80日間世界一周」の本を取り出した。
「日付変更線だ!ぼく、日付変更線を渡ったんだね?」
日付変更線の事を知ったのはその「80日間世界一周」の本を読んでもらってからだった。
「あ、その本まだ持ってたのね。自分で読めるようになった?」
ヒロムは首を振った。
「うふふ。じゃあ今夜また読んであげようか?」
ヒロムは何度も首を縦に振った。
「メリークリスマス!」
いきなりドアが乱暴に開き、外からサンタクロースが入って来た。
「ホーホッホー」
外国の言葉で早口にしゃべり、三人にそれぞれいくつかのキャンディーを渡すとまた出て行った。
外に待っていたのはそりだった。
トナカイではなく馬に引かせているそりだったけれど。
サンタクロースは馬に鞭をあて、瞬く間に雑木林に消えて行った。
「今年のサンタさんは、ロバートさんちのおじいちゃんね」
母親はジョンに同じ事を外国語でもう一度言ったようだった。
彼女はヒロムに向き直った。
「どう?この国のクリスマスは?まるで夢の中みたいでしょ」
そう、ずっとヒロムは思っていた。
これは夢かもしれないと。
「でも夢じゃないんだからね」
ヒロムは雪を踏んで外へ出てみた。
そして初めて自分が住むことになった家を見た。
まるでおとぎ話に出て来るような急こう配の屋根の木の家だ。
真っ白な雪をかぶり、あちこちにクリスマスのリースが飾ってある。
うしろには落葉樹の林。
ヒロムが家の中に入ると、
母親と男の人の間に小さな女の子がいた。
ジョンと同じ金髪で、くるくる巻き毛で青い瞳の女の子だ。
赤いワンピースの服にレースのエプロンを着けている。
「『こんにちは』って言うのよ。ドロシー」
「コンチニワ」
女の子はそう言うとぺろりと舌を出した。
「この子はあなたの妹だよ。仲よくしてね」
「ドロシーだ!」ヒロムは心の中で叫んだ。
リュックの中のもう一冊の本は「オズのまほうつかい」だ。

「お母さん。お父さん。ドロシー」
ヒロムは口の中で呟いた。
大きな声で言うのは、まだ恥ずかしかったのだ。



おわり



クリスマスストーリー第2弾は、思いがけなく長くなってしまいました。
ちょっと暗く始まってハッピーな結末と言う事を決めて考えて行ったものです。
長いので朗読はスルーしてくださってもいいですよ。
まだまだ書こうと思いますから。

「海のクリスマス」の次が「空のクリスマス」って、そんな安易な~
なんて思わないでくださいね。
海と空ぐらい対照的な二つの作品なんですから。

もし朗読してくださる場合は、アップした日から1日2日ぐらい後の物をテキストとしてお使い下さい。
修正がちょこちょこ入ります。

ランキング参加してます。
クリックであなたに幸運が(笑)
    ↓
にほんブログ村 小説ブログ 掌編小説へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ
[PR]
by marinegumi | 2013-11-19 23:37 | 掌編小説(新作) | Comments(2)

寝不足 (5枚)

a0152009_2234347.jpg

目が覚めると起きる時間を30分以上過ぎていた。
目覚ましはちゃんと定刻に鳴って、ずっとスヌーズ機能で5分おきに起こしてくれようとしていたようだ。
どうも最近寝不足のようで、なかなか目が覚めない。
8時間は眠ったのだから睡眠時間としては充分なはずなのだが。
急いで出かける支度すると、何とかいつもの家を出る時間より10分遅れているだけだった。

で、時計の針を10分戻した。


自転車で駅前まで来ると若いOLらしい娘が自分の自転車のそばに座って何やらやっていた。
「どうしたんですか?」
と聞いたけれどチェーンが外れているのが一目で分かった。
「僕がやりましょう」
と言ってポケットの手袋を手にはめてちょいちょいと直してあげた。
「ありがとうございます」
「いえいえ、どういたしまして」
ありがちな「お名前は?」「メールでも」なんてのはなく、そのまま別れた。
ちょいちょい、とは言っても時間は20分かかっている。
いつも乗る電車は出てしまった後だった。

で、時計の針を20分戻した。


電車に乗っていると僕が座っている前にいるおばさんが変な顔をしていた。
どうやら左後ろにいるおっさんが彼女のお尻を触っているらしい。
駅に着いたとき、おばさんが大声を出した。
「あんた、痴漢したでしょ!」
そう言って男の腕を掴んでいる。
ところが腕を掴まれたのは真後ろに立っていた若いサラリーマンだった。
「さあ、警察へ行きましょ!」
そう言いながら若い男を引っ張って電車を降りた。
当然若いサラリーマンはいう。
「人違いですよ~」
僕の降りる駅ではなかったけれど仕方なく一緒に降りた。
警察へ行って証人になってやろうと思ったからだ。
駅員がやって来た。
警察ではなく駅の事務所で色々あって、僕の証言もあり、その若いサラリ-マンの疑いは晴れたが、1時間以上過ぎてしまっていた。

で、時計の針を1時間戻した。


僕の勤める研究所の最寄りの駅で電車を降り、外へ出ると、血相を変えて走って来る男とすれ違った。
手には大きなカバンと、ちらっと見えただけだが血の付いた刃物があった。
男を見送ってから、少し歩いて行くと人だかりがしていた。
人が刺されて荷物を奪われ、倒れているらしい。
どうやら強盗事件のようだと言う。
間もなく救急車が来る、パトカーが来るの大騒ぎだ。
野次馬は殆どが勤め人なので、ひと時そこにいると自分の会社に向かい、ずっととどまる人はいない。
次々に入れ替わる。
僕はその現場のお巡りさんに言った。
「あの、僕、犯人らしいやつを見たんですけどね」
それから今度は本当に警察へ行き、冷静に観察していた、男の人相や服装を話して、その後、犯人が緊急逮捕されたと言うのまで聞いて、やっと研究所へ向かった時には2時間過ぎていた。

で、時計の針を2時間戻した。


僕の勤めるのは「タイムマシン研究所」だ。
遅刻をすることなく着いた。
ここではタイムマシンはまだ研究の初期段階だと言う事になっている。
僕がもう完成させているのは内緒である。
だってこの研究所で完成させたとなると特許は研究所の物になってしまうからどうしようかと考えているところだ。

こうやって日に何度も時間を巻き戻していると一日24時間が僕にとっては40時間近くになってしまったりする。
8時間の睡眠では足りないわけだ。




おわり




これはつい最近書いたツイッター小説を元にしています。
なんだか最近の僕には珍しい、いかにもショートショート!と言うアイデアが出来たので、たまにはいいかと思って長くしました。

ランキング参加してます。
クリックであなたに幸運が(笑)
    ↓
にほんブログ村 小説ブログ 掌編小説へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ

[PR]
by marinegumi | 2013-11-16 22:39 | 掌編小説(新作) | Comments(6)

a0152009_019826.jpg

海に雪が降っている。
何億、何百億という数の雪の粒が夜の海に降り続いている。
冥(くら)い海の水に落ちた雪の粒はそのまま海に溶け込んでしまう。
高く果てしない空から海までの空間を、埋め尽くして降る雪も、海でさえぎられ断ち切られる。

マモルはもう沈んでしまった。
さっきまで目の前で同じ板切れに捉まっていたのに。
このあまりの寒さに凍え、捉まる力を失い、静かに姿を消して行った。
私はそれを見ていたけれど、悲しみは不思議に襲ってこなかった。
雪の一粒が海に消えて行くのと、一人の人間が海に沈んで行くことに大きな違いがないような気さえしていた。
そう、このわたしも間もなく沈んで行くのだし。

『クリスマスイブ・星空のクルージング』に誘ったのはマモルだった。
ディナー付きの若いカップル向けの短い船の旅と言う、クルージング会社の企画だ。
沖から見る港の明かりはとてもきれいで、付き合い始めたばかりの二人にとってこの上なくロマンチックな夜だった。
美味しい料理でお腹いっぱいになり、暖かい服を着ているのでデッキの冷たい風も気持ちがよかった。
一時間後、更に沖へ出た頃に雪が降り出した。
ずっと空は曇っていたので星が見えないのが少し不満だったのだけれど、そんな事は瞬間に忘れてしまった。
クリスマスイブに雪が降る事さえ珍しい暖かい地方なのに、船の上でその雪を見る事が出来るなんて何という幸運だろうと感動していた。
船のデッキの上のイルミネーションに彩られたクリスマスツリーの上に降る雪。
思い思いに語らっている恋人たちの上に降る。
そして、明かりに照らされている船の周りだけではなく、雪は暗い海の上に、どこまでも降り続いている。

海に雪が降っている。
何億、何百億という数の雪の粒が夜の海に降り続いている。
冥い海の水に落ちた雪の粒はそのまま海に溶け込んでしまう。
高かく果てしない空から海までの空間を、埋め尽くして降る雪も海でさえぎられ、断ち切られる。

「ねえ、マモル。あの雪たちはみんな喜んでるのかなあ。自分の体が溶けて水になって、大きな大きな海と一緒になるんだからさ」
「なんだ?今日は詩人モードかよ」
二人は大笑いした。

突然、大きな振動が伝わった。
船が大きく揺れた。
そのあとすぐに更に大きな音と衝撃が襲った。

そして今、わたしは冷たい海の上にいる。
船の残骸の板切れに捉まって。
マモルが目の前にいたのはずっと前だったような気もするけれど、たった今沈んで行ったばかりのような気もする。
なんで自分がこんな所にいるのか、よく思い出せない。
ふと船の乗客たちが海に投げ出される場面が浮かぶ。
人々の悲鳴が耳に残っている。
でもそれは、いつが見た映画、「タイタニック」の一場面だったようにも思う。
わたしの髪の毛に雪が積もり始めていた。
上を見上げると空一面が雪だった。
薄れて行く意識の中でその雪の描く模様を見ていた。
雪は大きな大きなもみの木の形を作る。
白い光のイルミネーションが輝いている。
ツリーの飾りが空を駆け回る。
ホルンを吹く天使達。
大きな大きな星の形。
そして巨大な雪の結晶がクルクル風を切って舞う。
ありえない物を見ているんだとわかっていた。
このままでは死んでしまうんだと。
でもどうすることも出来なかった。
トナカイが引くそりに乗ったサンタがやって来る。
サンタの顔が大きく目の前にあった。
真っ白いひげの真っ白い服と帽子を着たサンタクロース。
ふと、クリスマスの幻影は消え、しばらく雪だけが降り続いた。
しかしまた雪は何かの形を創り出す。
女の人の顔?
王冠を冠(かむ)っている。
雪の女王だ。
目の前に雪の女王は立ちふさがり、そしてし氷の様な冷たい声で話した。
「マモルは私がもらったよ。もうお前の物ではない」
「か……返して」
わたしはそれだけを言うのが精いっぱいだった。
「マモルはね、お前なんかを愛してはいなかったんだよ。一度たりともね。だから悲しむことはないのさ」
風に渦を巻く雪の中に、女王の姿も消えた。

海に雪が降っている。
何億、何百億という数の雪の粒が夜の海に降り続いている。
冥い海の水に落ちた雪の粒はそのまま海に溶け込んでしまう。
高かく果てしない空から海までの空間を、埋め尽くして降る雪も海でさえぎられ、断ち切られる。

雪の粒たちは喜んでなんかいないんだ。
空の上で生まれ、降り注ぎ、短い一生を海で終える。
恐怖に支配された雪たち。
人間だって一緒だ。
マモルもわたしも。

暗い海と空に白い雪だけのモノクロの世界に、一つ二つ赤や青の光が浮かび、だんだん大きくなるのが見えた。
そのささやかな光だけで、わたしは暖かい部屋で過ごした家族とのクリスマスの場面を思い出していた。



おわり



うわー
なんという悲惨なクリスマスを書いてしまったのでしょう。
まあ、まだまだクリスマステーマで書いて行こうと思いますが、出来れば明るく楽しい物も出来るといいですね、って人事みたいに。

これはツイッター小説が元になっていない、珍しい作品です(笑)
書き下ろし、て感じね。

ランキング参加してます。
クリックであなたに幸運が(笑)
    ↓
にほんブログ村 小説ブログ 掌編小説へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ
[PR]
by marinegumi | 2013-11-13 00:23 | 掌編小説(新作) | Comments(6)

a0152009_20213456.jpg



ハロウィン殺人事件

「お菓子をくれなきゃいたずらするぞ~」
「今年も来たわね子供達。はいどうぞ……」
マリアがドアを開けるとそこにいたのはお化けに仮装した子供たちではなかった。
「何なの!あなたたち?!」
みんな見覚えのある顔ばかりだ。
「ひいお爺ちゃんに叔父さん。事故で亡くなったメアリもいる。去年亡くなったお母さん。みんないるのね」
「あなたの亡くなった親族の、リアル仮装をしてきたんだよ」
そう言ったのは先日葬式を出したばかりのマリアの夫のトムだった。
「やあ、マリア。あの世もなかなかいいもんだよ。殺してくれてありがとう」
トムは家の中に入って行く。
「だが、お前の浮気相手だけは許せない。そこにいるんだろ?」



いつもと違うハロウィン

「それって暖かそうだね」
「カイロだよ。カボチャのカイロ。ジャック・オー・ランタンの中に炭火を入れてるんだ」
「僕も欲しいな」
「簡単に作れるよ。なるべく小さなカボチャで作らないと、重いからね」
「オレンジの色がまた暖かそうだね。あれ?他のみんなも持ってるんだ」
「そうだよ。もうそろそろお菓子をねだりに行く時間だから、僕のを使いなよ。もう一つあるから」
「わ~ありがとう。やっぱり暖かいや」
「それじゃあ、みんな、出発だ」
「お菓子をくれなきゃイタズラするぞ~」
「お菓子をくれなきゃイタズラするぞ~」
今年は異常気象のため、街には雪が降り積もっていた。
ふたたび強く降りだした雪の街に子供たちの声が響いた。
「お菓子をくれなきゃイタズラするぞ~」



最後のハロウィン

ハロウィーンの街角は落ち葉を踏んで歩き回る可愛いお化けたちでいっぱいだった。
かさこそと落ち葉と小さなたくさんの足がたてる音がひっきりなしだ。
由香里の家はカエデの林の中にある。
日本で知り合ったジョンと結婚をしてはるばるこの国へ来た当初はこの家が本当に気に入っていた。
広々とした自然の風景の中の洒落た家。
しかし今、由香里は深い悲しみの中にあった。
この素晴らしい紅葉の景色さえ沈んでいるように見えた。
「お菓子をくれなきゃイタズラするぞ~」
そんな声とノックの音が聞こえた。
ドアを開ける。
色んな小さなお化けがいる。
魔女に、吸血鬼に、オオカミ男。
カボチャ頭のお化けに、そして一番後ろに死神がいた。
そして、その死神は由香里の息子のケンを体で隠すように手をつないでいるのだ。
まだ5歳の誕生日も来ないと言うのに、先月事故で死んでしまったはずのケンだった。
お化けたちの中一人だけ普通に、仮装もせずにぽつんとケンがいた。
ジョンを呼びに行こうかと迷った。
家の中で本を読んでいるはずのジョン。
「お菓子をくれなきゃイタズラするぞ~」
子供たちが一斉に言った。
あわただしくジョンの名前を呼びながらお菓子を取りに入る。
再びドアの前に来て見ると、すでに死神とケンの姿はなかった。
「どうしたんだ?」
ジョンが顔を出した。
子供達にお菓子を与え、ドアを閉め部屋に戻ると、窓から子供たちが去って行くのを見た。
その中にはやはりケンの姿はなかった。
ふと、にっこりと笑いながら手を振るケンの笑顔が胸をよぎった。



夢のようなハロウィン

街には可愛いお化けたちがいっぱい。
あちこちの家の玄関先にはカボチャのランタンが灯り、まるで夢の中にいるようだった。
いつか夢に見たような幻想的なハロウィンの光景だった。
そんな街をうろうろしている見覚えのある動物がいた。
それは一匹の貘だった。
夢を食べると言う架空の動物。
か、架空の動物と言うからにはこんな所にいるはずがない!
「どうしたの貘。こんな所で何してるの?」
何も思わず話しかけてしまった。
なんとなくその獏は浮かない顔をしているように見えたのだ。
「夢を食べに来たんだけど美味しくないの」
まさか人間の言葉で返事をすると思わなかったので少しうろたえた。
「『おいしくないの』ってあんた、これは夢じゃなくて現実だよ」
どうやら獏は食べ慣れない夢のような現実を食べ、お腹をこわしたらしい。



百年ハロウィン

「ハロウィンってつまんないのな」
「どうして?」
「俺達お化けが主役のはずが、子供が仮装したお化けが大きな顔してるじゃんよ」
「しょうがないわよ。百年眠って目が覚めたらこんな世の中だったんだから。その前の百年の時は私達、大活躍だったわね」
「出る幕がないならこのまままた百年眠るのもいいかな?」
「まあ、それもいいけど、百年後にはこの人類たちも滅亡してるかも知れなくてよ」
「それも寂しいかな」
彼ら、本物のお化けたちは大儀そうにその体を起こした。



ハロウィンの教室

みんなが教室に入ると、知らない子供が一番前の席に座っていた。
青白い顔をした物静かな男の子だ。
みんなはその子の方を見ながら話をしている。
「ハロウィンに新入生?それはおかしいよ。転入生じゃなくて、新入生だろ?新入生は九月のはずだぜ」
「それはきっとお化けの子供だよ。ハロウィンだし」
「そうだよそうだよ。気をつけなくちゃ。知らないうちにこの学園が乗っ取られちゃうかも知れないわよ」
そこに黒い服を着た男が入って来た。
「はいそれでは授業を始める。騒がしいぞ!みんな席について」
「あれは誰?あの顔って吸血鬼ドラキュラじゃん?」
「ドラキュラが先生?」
職員室の方が先に乗っ取られていたようだった。



ハロウィンに蘇る

たった一晩の夢のようにハロウィンを彩ったお化けたちの姿は消えて行きました。
人々が作ったカボチャのお化けや魔女の人形はくたびれたようにぐったりとして街中に残っていました。
10月31日が終わると同時に消えて行った異形の者たちがいました。
ハロウィンの間には見分けはつきませんでしたがそれは本物のお化けたちだったのです。
ハロウィン限定で蘇ることを許されたあわれな物の化たちでした。



万聖節からクリスマスへ

サンタクロースはもう相当のお年寄りでした。
これまで一手に世界中の子供たちにプレゼントを配る仕事をしてきたので疲れ切っていました。
「もうわしも引退を考えなくてはな」
そこで思い付いたのがハロウーンのお化けたちでした。
ハロウーンだけではもったいないと言うので彼らにサンタクロースの仕事を分担してもらう事になったのでした。
「子供たちよ。夜中に起きていてはいけないよ。もしもプレゼントを配る者の姿を見たとしても決して怖がらないでいておくれ」



おわり



ツイッターで、数日にわたって書いたハロウィンネタのツイッター小説を元にした掌編集です。
去年もやはりこう言う感じで書きましたね。
去年よりずっと数が多いですけれど。


ランキング参加してます。
クリックであなたに幸運が(笑)
    ↓
にほんブログ村 小説ブログ 掌編小説へ
にほんブログ村
人気ブログランキングへ
[PR]
by marinegumi | 2013-11-03 20:29 | 掌編小説(新作) | Comments(8)