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海野久実が掌編小説やら短編小説を書いています。タイトルの後に原稿用紙換算の(枚数)があるのが小説です。


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偕成社のサイトで連載されている、高井信さんの「小学生のためのショートショート講座 第2回 なにはともあれ星新一(後編)」です。
イラストは、僕が描かせていただいています。

偕成社ホームページ
小学生のためのショートショート講座トップページ

ホームページでは画像が小さいので読めませんが、一応全部の本に星新一さんの本のタイトルを入れています。(と思ったら、一冊だけ忘れていました)
初めから読めない事は承知の上のお遊びです。

でも、この連載は月一回なんですよね。
だのに前回の記事との間にある小説は1編だけですね。
毎年この時期は夏バテが尾を引いてガクンと創作数が減ります。

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by marinegumi | 2014-09-22 23:06 | 写真や お絵かき | Comments(2)

廃校の階段 (3枚半)

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私は小学校の校庭に立って自分の長く伸びた影を見ていた。
目を上げると懐かしい木造校舎がある。
それはもう何十年も前に廃校になった私の母校だった。
私はまるで引き寄せられる様に校舎の中へ足を踏み入れた。
湿っぽくかび臭い、腐りかけた木の廊下を少し歩くと職員室がある。
その職員室の窓も、校庭が見える廊下側の窓も、殆どのガラスが割れて廊下に散乱していた。
雨が降り込み水たまりが出来、窓枠を抜けて青々としたツタが伸びて廊下にまで侵入していた。

職員室を過ぎると二階への木の階段があった。
私がゆっくりとそれを上がり始めた時、ふと空気が変わったような気がした。
かび臭ささはなくなり、さわやかな風を感じた。

階段の踊り場には色んな掲示物があった。
『かいだんは走らない』などの注意の紙や学級新聞。
そして何枚か水彩画がある。
その中の一枚に目が惹きつけられた。
描かれているのは幼い頃の私だったのだ。
記憶にある絵だった。
左側に作者の名前「二年三組 やまねおさむ」
修が描いた私の絵は二年生にしては驚くほどに巧かった。
図工の時間に描く所を見ていなければ、彼が描いたものだとは級友も先生も信じなかったかも知れない。

踊り場から左に折れると階段の両側には更に多くの絵が所せましと張られていた。
全て修が描いたものだ。
僕以外の懐かしい同級生の肖像や静物画、花や風景を描いたもの。
中には人気漫画の模写など。
それらの全てが素晴らしく巧かった。

二階の廊下に出た時、その眺めに息をのんだ。
おびただしい数の絵が壁や窓を覆い尽くすほどに廊下の向こうまで続いていたのだ。
そしてその廊下の端で小さな男の子が、座り込んで絵を描いていた。
修だった。
あの頃のままの小さな子供の姿の修がそこにいた。

修は病弱で二年生の夏休みに死んでしまった。
一番の仲良しだった私は病院のベッドに呼ばれ、その臨終に立ち合ったのだ。
今でもはっきりと彼の最後の言葉を覚えている。
「まってるからね。ずっとまってるからね」
廊下を進みながら私は理解していた。
修はその言葉の通り待っていたのだ。
私が死ぬ時が来て、一緒に向こうに行く日が来るのを。

生きていれば有名な画家になったかもしれない修は、長い長い時間を大好きだった絵を描きながら一人で待ち続けていたのだ。

修が立ち上がり、私を見つけて笑顔になった。
気がつくと私も子供の姿に戻っていた。



おわり



この作品は「公募ガイド10月号」の「実践シナリオ・小説教室19」に応募して優秀賞になった作品です。
最優秀賞ではなくて優秀賞10編のうちの1編ですけどね。
テーマは「階段」でした。
ここでは同じテーマでシナリオと小説を交互に募集すると言う変わった募集の仕方をしています。
募集規定では原稿用紙2~2枚半です。
これは応募時のままの物を文章ごとに改行して横書きのブログでも読みやすくしたものです。

お気づきの方もあるかもしれませんが、この作品はぼくの作品「秋の教室」を、テーマの「階段」に合わせて短く書きなおしたものです。
スピンオフ作品とでも言うのでしょうか?

ところで、公募ガイドの同じ号の「小説の虎の穴」では、りんさんが最優秀賞に輝いています。
二回目の最優秀賞おめでとうございます。

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by marinegumi | 2014-09-09 21:57 | 掌編小説(新作) | Comments(8)