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偕成社のサイトで連載されている、高井信さんの『小学生のためのショートショート講座 第6回「ショートショートの芽生え(前編)」』です。
イラストは、僕が描かせていただいています。

偕成社ホームページ「ウエブ連載」のページ
『小学生のためのショートショート講座』記事一覧
「第6回ショートショートの芽生え(前編)」


みなさん毎回読んでもらっていますか?
これで6回目で、連載の4分の1ですね。
先は長いぞ~

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by marinegumi | 2015-01-23 00:27 | 写真や お絵かき | Comments(2)

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朝、起きると雪がたくさん降っていた。
昼ごろには止んで、庭にはきれいな雪が積もっている。
僕はその雪で生まれて初めて雪だるまを作ることにした。
雪を丸めていると手がすぐに冷たくなってしびれてしまったので、お父さんのスキー用の手袋を付けて作り続けた。

高さが20センチほどの小さな雪だるまが出来た。
それをブロック塀の上にのせてみた。
顔は笑顔にしたけれど何となく寂しそう。
そこで今度はもっと大きな雪だるまを作ってみた。
高さは35センチぐらいもある。
お父さん雪だるまだ。
お父さんがいるならお母さんも作らなくちゃと思って中ぐらいの雪だるまも作った。
それを小さな雪だるまの両側に並べてみる。
これで寂しくないよね。
僕はそう思って満足だった。

その夜に雪だるまの夢を見た。
小さな雪だるまに手足が生えて、ちょこちょこ歩いて来ると挨拶をした。
「こんにちは。ぼくは雪夫だよ」
「こんにちは」
「ぼくの家族を紹介するね」と、雪だるまの雪夫は言った。
うしろを見ると僕が作った、お父さん雪だるまとお母さん雪だるまが立っていた。
「これがぼくのおとうとの雪朗と、いもうとの雪子だよ」
そう言う雪夫の得意そうな顔を見て、僕は何も言えなかった。

そりゃあ、君が一番初めに生まれたんだけどさ。




おわり




雪だるまの画像は濱文様さんのサイトでお借りしました

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by marinegumi | 2015-01-11 20:26 | 掌編小説(新作) | Comments(2)

空を飛ぶ (2枚)

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投稿動画なんかでよくあるでしょ。
人がジャンプして、宙に浮いている瞬間だけの写真をどんどんつなぎ合わせる。
するとまるでその人が飛んで行くように見える。
超低空飛行だけれどね。
それをホウキにまたがってやるとまるで魔女。
あれは静止画で、跳んでいるところだけを撮影してつなぎ合わせているのかなあ。
それとも動画で撮影して地面に着いているところだけカットしてるんだろうか?

写真になんか撮らないで、それを実際にやってみた。
どういうこと?って思うでしょ。
つまり人気(ひとけ)のない公園なんかでさ、ピョンピョン飛びながら走ってみるんだ。
そして自分の足が地面についている瞬間を忘れるんだよね。
自分の身体が宙に浮いている瞬間だけを記憶に残してそのほかの時間は記憶から消しちゃうんだ。
いやいや、慣れればこれが出来るんだよね。
記憶に残す瞬間。
記憶から消しちゃう瞬間。
それを繰り返せばほら、いつだって空を飛んでいるように思える。
滑るように低い空を飛んで行くんだ。
ちっとも疲れないよ。

でもさあ、考えてみるとそう言うのって、ずっと昔から当たり前のようにやって来たことなんだな。
生きて行くというのはつらい事ばかりだよね。
たまに楽しいこともあるにはあるけどさ。
つらい、悲しい事の方がずっと多いよね。
そんな辛くて悲しい出来事はみんな忘れる。

そうやって、楽しかった思い出だけをつなぎ合わせて今日まで生きてきたんだから。




おわり




イーサン・ヌッドくん空を飛ぶ



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by marinegumi | 2015-01-10 14:50 | 掌編小説(新作) | Comments(2)

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時と場合

眠れない夜が多くて、いつからかベッドの上を飛び越す羊を数えるようになっていた。
僕のベッドの足元のあたりを飛び越して行く羊を想像して、それを数えているうちに眠くなるのだ。
始めの頃は羊を思い浮かべるのにも一苦労だった。
でも、それが習慣になると眠る時間には自然に目の前を跳ぶ羊が見えるようになっていた。

ところがなかなかうまくいかないもので、外が暗くなると、まだ眠る時間でもないのに羊が跳ぶのが見えるようになってしまった。
無意識のうちにそれを数えてしまって眠くなる。
早寝早起きになったので、その時はそれでまだよかったのだ。

羊はだんだん早く現れるようになって行った。
夕食時に。
帰宅の途中に。
ほら今も見えるよ。
「羊が一匹、羊が二匹、羊が…」
車の運転中は来ないでほし……



眠れない姫の森

わたし、「眠れない姫の森」に来てるんだ。
「眠れない姫の森」と言うのは不眠症のお姫様がいろんな国からやって来て、眠るための森なのね。
で、この森には羊さんがいっぱい住んでいて、その数を眠れないお姫様が数えるの。
すると、数えているうちに安らかな眠りが訪れるというわけね。
ほら、ここに七匹の羊さんに囲まれて眠っているお姫様がいるよね。
このお姫様は七匹数えただけで眠ることができたっていうわけ。
え~と、こっちのお姫様は三十五匹の羊に囲まれて眠ってる。
あ、あれは何でしょ?
何千匹という羊が集まっているみたいね。
その羊の大群の真ん中で一人のお姫様が横になってる
目を充血させて、まだまだ数え続けてる。

こうまでひどい不眠症は睡眠外来に行かないとだめだと思うんだけどな。



羊の管理

眠れない夜。
ベッドを飛び越す羊さんを数える。
「羊が一匹、羊が二匹…羊が三匹…」
5匹まで数えた時、犬がベッドを飛び越した。
眠くなり始めていたのにはっきり目が覚めてしまった。
もう一度数えはじめる。
「羊が一匹、羊が二匹…羊が三匹…」
また10匹ほど数えた時、犬が吠えながら飛び越して目がさえてしまった。

眠りの国の羊さんたちのところへ牧羊犬が来たらしい。



毛布

眠れないでいると羊さんが来てくれる。
ベッドの上を飛び越して行く羊さんを数える。
「羊が一匹、羊が…」二匹目の羊はプラスチックでできた作り物の羊だ。
三匹目は普通の羊。
四匹目がプラスチック。
本物の羊とプラスチックの羊が、代わり番こに飛び越す。

そうだった。
今夜からウール50%、アクリル50%の毛布に替えたんだっけ。




仕事中

眠ってはいけない。
今は仕事中なんだ。
早くみんなに餌をやらなければ。
小屋の掃除もしなければ。
でもどうしようもなく眠いんだ。
立ったままほうきにつかまって居眠りをしてしまう。
牧場の羊たちが柵を飛び越える。
それをつい数えてしまうんだ。
羊が一匹。羊が二匹…



目覚まし時計

なかなか眠れない僕。
そしていったん眠ってしまうとなかなか起きることができない僕に彼女が目覚まし時計をプレゼントしてくれた。
羊さんのお腹が文字盤になっているデザイン。
その羊さんの周りを小さなたくさんの羊さんがくるくる回っている。
それを数えているうちにちゃんと眠くなるんだ。

セットした時間が来るとアラームが鳴って、また羊さんがくるくる。
目が覚めたとたんに眠くなるんだけどな。



遭難です

雪山で遭難をしている。
食料もなくなり、寒さに震えながら睡魔と闘っていた。
そんな時に羊がやってきた。
ただでさえ眠いのに僕の上を飛び越していく。
羊が一匹。羊が二匹。羊が…
すると五匹目の羊が僕のおなかを嫌と言うほど蹴飛ばして行った。
涙が出るほど痛かった。
「うぐぐ…目が覚めたよ。ありがとう羊さん」

それから救助が来るまで5匹ごとにおなかを蹴とばされ続けた。



絶対音感

眠れない夜。
悶々としていると一匹の羊がベッドを跳び越えた。
メエ~と「A4のラ」で鳴きながら 。
次の羊も同じ音で鳴いて跳ぶ。
また次の羊。
数えているうちにだんだん眠くなる。
次に来た羊が跳んだ時の鳴き声が微妙に「A4のラ」からずれていた。
気持ち悪くて目が覚めてしまった。

絶対音感があってもいい事ばかりとは限らないね。



ママ

ウールの毛布にくるまって寝ようとすると子羊たちがやってきた。
まとわりついて「ママ~ママ~」と鳴いてうるさい。
どうやらこの毛布はこの子羊たちの母親の毛から出来ているらしい。
ちっとも眠れやしない。
「ちょっとあんたたち。普通はあんたたちを数えて眠くなるんだよ」

あくる日、夕食を摂っていると子羊たちがやってきた。
ジンギスカン鍋の周りでみんな「ママ~ママ~」と……




おわり




あけましておめでとうございます。
いつも読んでくださるみなさん、今年もよろしく。

さて、書初めは未年にちなんで、これまで書いた羊にちなんだツイッター小説をもとに、長くしてみました。
全部で9本あります。

タイトルの「羊カウント効果」と言うのは、羊を数えているうちに眠くなってくるという状態を僕が名付けたものです。
この言葉を思いついたときに、たぶん同じ言葉が既にあるかもしれないとネットで検索してみたのですが、出てきませんでした。
「羊カウント効果」という言葉は僕の考えた言葉である。
と言い切ってもいいですよね。

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by marinegumi | 2015-01-01 17:31 | 掌編小説(新作) | Comments(4)