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偕成社のサイトで連載されている、高井信さんの『小学生のためのショートショート講座 第10回「おすすめショートショート集』です。
イラストは、僕が描かせていただいています。



偕成社ホームページ「ウエブ連載」のページ
『小学生のためのショートショート講座』記事一覧
第10回「おすすめショートショート集」です。

ロボットに宇宙人。
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by marinegumi | 2015-05-25 00:19 | 写真や お絵かき | Comments(6)

お食事の時間 (3枚)

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獏(ばく)は人の夢を食べると言うけれど、一度も食べているところを見たことがない。
想像すればするほど、どうやって食べるのか想像がつかないんだ。
もうどうしようもなく、気になって眠れなくなってしまった。
それで知り合いの獏に夢を食べているところを見せてくれるように頼んでみた。
「そればっか考えてしまって眠れないんだ。ぼくが眠れないと夢も見ないからお前も困るだろ?」
そうやって獏を説得した。
なかば脅迫だね。
それで夢を食べているところを今夜見せてくれることになった。
友達のこのみちゃんの夢を食べるらしい。
獏に乗っかってこのみちゃんの家に着く。
すると獏はふんわりと浮き上がり二階のこのみちゃんの家の閉まっている窓を抜けて入ってしまった。
このみちゃんは気持ちよさそうにベッドで眠っていた。
かわいい寝顔だ。
獏はこのみちゃんの枕元に回ってぺろりと舌なめずりをした。
すると突然このみちゃんの頭にかぶりついたんだ。
がりがりと頭をかじっている。
頭をかじられているのに、このみちゃんは変わらずにかわいい寝息を立てている。
やがてこのみちゃんの頭からは脳みそがあらわになった。
獏はその脳みそを半分ほど手に取ると、肩にかけていたバッグから出したお皿の上に乗せた。
更に何やら怪しげな機械を床の上に置くとコードを部屋のコンセントに差し込む。
その機械の中にこのみちゃんの脳みそを入れるとスイッチオン。
どうやらそれは遠心分離器のようだ。
脳みそからはキラキラした重い気体のようなものが遠心分離されてゆく。
それは小さなガラスの容器に溜まって行く。
獏はスイッチを切った。
中に残った脳みそ(絞りかす?)を獏は手で取り出してこのみちゃんの頭に戻した。
そして手際よく糸と針で縫ったのだ。
またたく間にこのみちゃんの頭の縫いあとはきれいになった。
傷口は全然残っていない。
なに事もなかったようにこのみちゃんは安らかに眠ったままだった。
獏はと言うとさっきのガラス容器に溜まった美しく光る気体のようなものを飲んでいる所だ。
多分それが夢なんだろう。
このみちゃんの夢ってこんなにきれいなんだと妙に感動していた。
獏がぼくの方にこのみちゃんの夢が少し残ったガラス容器を差し出した。
「え?ぼくにくれるの?」
ぼくは恐る恐るそれを飲んでみた。
ホンワカ不思議な気分になって行く。


目が覚めるとすこし頭が痛かった。
起き上がって洗面所に行って水を飲んで、なんとなく鏡を見た。
ぼくの頭から、覚えのない縫い目が消えて行くところだった。



おわり



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by marinegumi | 2015-05-18 22:02 | 掌編小説(新作) | Comments(4)

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はるさんの留守中にそら君のいたずらが始まります。
そら君がこの家に来てから、もうだいたいの場所は探検してしまいました。
それで今日は押し入れの中を細かく点検してみる事にしたのです。
押し入れの中は衣装ケースがいっぱい。
はるさんはとても整理をするのが好きです。
洋服などはみんなすっきりと衣装ケースに収納されています。
その積み重ねられた衣装ケースの、一番上のふたをそら君は前足で開け、頭で持ち上げました。
服がいっぱいに入っていると思っていたそら君はその中に飛び込みましたが、意外なことに何も入ってなかったのです。
そら君は衣装ケースの中を落ちていきます。
でもいくら落ちても底に着かないではありませんか。
そら君はひげで風を感じながらどんどん落ちていきます。
やがて落ちるスピードが遅くなりふんわりと着地しました。
そら君は猫ですから少々のスピードで落ちてもちゃんと着地する自信があったので、その華麗な身のこなしを使えなかったのがちょっと不満でした。
ところで落ちてきた場所はなんだか賑やかな劇場のようなところです。
音楽に誘われてドアを開けるとなんとそこではファッションショーが開かれていました。
きれいに着飾ってランウエイを歩いているのは猫のファッションモデルたちです。
そして観客たちも全部猫、猫、猫。
舞台上のファッションモデルの猫たちはもちろん、観客席の猫たちもみんなちゃんと服を着ています。
自分だけが裸なのに気が付いて、急に恥ずかしくなったそら君に誰かが声をかけました。
「ああ、あなたははるさんちのそら君ですね」
その猫は背広を着てネクタイを締めています。
「わたしはこの劇場の支配人です。今日ははるさんの洋服をお借りしてファッションショーを開いておるのです。いやあ、はるさんにはいつもお世話になっています。ここではみんな洋服を着ているのですよ」
ふっと、目の前の支配人猫の顔がかすんで揺らいで見えたと思うと、そら君は気が遠くなりました。
そして目の前が真っ暗になったのです。

気が付くとどうやら洋服の入った衣装ケースの中に寝ているようでした。
頭でふたを押し上げて外に出ると、ちょうどはるさんが帰って来たところで、そら君を見て大きな声を上げました。
「どうしたの?そら。わたしのお気に入りのワンピースをどうやって着たの?」



おわり




この作品ははるさんのブログでおなじみの猫のそら君を主人公にした自然発生的な競作のお話です。
ただ今、小説を書くのは絶不調ですが、競作と聞くと書かずにいられませんでした。
はるさんには無断で画像をお借りしました。
ありがとうございました。

Tome館長さん 「そら君の冒険」
りんさん     「そら君のお仕事」

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by marinegumi | 2015-05-05 19:23 | 掌編小説(新作) | Comments(6)