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偕成社のサイトで連載されている、高井信さんの『小学生のためのショートショート講座 第14回『異質なものを組みあわせてみよう(前編)』です。
イラストは、僕が描かせていただいています。


『小学生のためのショートショート講座』記事一覧
第14回『異質なものを組みあわせてみよう(前編)』

最初は恐怖に震えて悲鳴を上げるバナナを描いたのですが、黄色い声と言うのは悲鳴ではなくて歓声なのではないかと言う事で喜び交じりの表情に直しました。

具体的なアイデアの出し方になってきましたね。
なかなか興味深いと思います。

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by marinegumi | 2015-09-26 00:30 | 写真や お絵かき | Comments(2)

眠り姫 (2枚)

イラストAC
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眠り姫はその名のとおり、眠ったままで生まれてきました。
産声を上げるかわりに小さな寝息をたてていたのです。
そしてそのまま眠り続けました。
そして当たり前のように「眠り姫」と名付けられました。

その話を聞いた人々は何とふびんな姫なのだろうとうわさをしました。
でも、彼女の両親も、おじい様おばあ様までが彼女の幸せそうな寝顔を見ると心が癒されました。
見ているものをみんな幸せな気持ちにしてしまう素晴らしい寝顔だったのです。

そうなのです。
眠り姫はその眠りの中で毎日、幸せな日々を夢に見ていたのです。

眠りの中で幸せな何不自由ない幼年期を送りました。
学校に行き、友達も出来、少女時代もまた幸せに送りました。
そして特にお金持ちではないけれど優しい人に巡り合い、特に不満もなく幸せな結婚生活を送っています。
もちろんそれも夢の中。

眠り姫の笑顔は本当に幸せそうでしたけれどそれを見守る家族にはどんな夢を見ているのかはわかりません。
でももし眠り姫がちゃんと目覚めて生まれて来たならもっと豪華な生活を送れたことでしょう。
なにしろ父親は一国の王様でした。
巨大なお城を構え、平和に国を治めていました。
それに見合った贅沢な暮らしをすることが出来たのです。

でもまあ、眠り姫にしてみればどちらにしても幸せだったに違いはないでしょうけどね。




おわり



かなり調子を取り戻してきました。
昨日今日で、ツイッター小説を15本ぐらい書いたかな?
それもみんなちゃんと小説としてまとまっているものですね。
このまま調子が上がって行けばいいのですが、

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by marinegumi | 2015-09-21 17:05 | 掌編小説(新作) | Comments(2)

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時々、ぼくの家の庭に図書館がやってくる。
真夜中に何かの気配を感じて目を覚ますと真っ暗な部屋のカーテンの向こうが何となく明るいのだ。
カーテンを開け、窓越しに庭を見下ろす。
紅葉した庭の木々の間にレンガ造りの大きな建物が、息をひそめているかの様に静かに重く佇んでいる。
それは図書館だった。
いくつもある小さな窓には明かりが点いている。
その灯りで真っ暗なはずの真夜中の庭が照らされていたのだ。
窓の中には大きなたくさんの書架に並んだ無数の本が見えた。
その本の前を静かに行き来する司書の姿も時々見えた。
ぼくは魅入られたようにそれを見続ける。
見続けるうちにいつの間にか眠ってしまい、不思議なことにちゃんとベッドで目が覚めた。
カーテンを開けてさらに窓を開く。
でもそこにはもう図書館はない。
庭の木々の向こうにはうっそうと茂った森の中に一本の細い道が続いているだけだ。

朝ごはんの時に、そのことをお母さんに話しても信じてくれない。
「素敵な夢を見たのね」と笑うだけだ。
ぼくは今、文字を覚えている。
どんな難しい文章でも読めるように勉強をしている。
またいつかあの図書館がやってきたら、必ず訪ねるために。
そしてそのまま図書館と一緒に旅をするんだ。

永遠にね。



おわり



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by marinegumi | 2015-09-20 11:45 | 掌編小説(新作) | Comments(2)

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雨の日だった。
一人遊びにも飽きて窓から外を見ていた。
庭の木々やいろんな花、低いレンガの塀まで、みんな雨に煙っている。
その雨の中を青いものが近づいてくるのが見えた。
ぼんやりした青いものはだんだん傘の形になって、その下に男の子の顔が見えた。
男の子は傘をたたみ、わたしの部屋の窓に顔を近づけるとにっこりとほほ笑んでガラスをコンコンとたたいた。
そして大きな口をぱくぱく動かす。
なにかを言おうとしているんだ。
でも雨の音でちっとも聞こえやしない。

その口の動きを見ながら考えた。
「す・い・か…」だって?
「スイカがどうしたの?」
と、わたしも大きく口を開いた。
声は出さずに言葉の形に口を動かしたんだ。
男の子は困った顔をした。
そして青い傘を開くと、手を振って庭の向こうに消えて行った。

  ○
  ○
   ○  
○  ○  
   ○    
    ○    
  ○
    ○

目を開くといつもの所にわたしはいた。
なにか夢でも見ていたような気分がした。
どこか、ここじゃない遠い場所から急に引き戻されたような気分だ。
コポコポ、ボコボコと水の音が聞こえている。

雨の日の水族館には人が多い。
雨にぬれずに楽しめる場所だからだ。
そんなたくさんの顔の中に見覚えのある男の子を見つけた。
ああ、この子はいつも決まって雨の日にここへ来るあの男の子だ。
男の子は水槽のアクリルガラスに顔を押しつけるようにしてわたしを見ている。
男の子は大きな口を開けてゆっくりと動かしている。
何かの言葉の形に。

どこかで同じ男の子と会ったような記憶が頭をかすめる。
似た様な思い出がよみがえりそうな気がした。
でも思い出せない。
みんなぼんやりしている。
空から落ちてくる激しい雨に遮られているような感じだ。
その記憶はひょっとしてわたしがおさかなになる前のことかもしれない。
そして今わかった。
「す・き・だ・よ・き・み・が」
男の子の口の動きは確かにそう言っていた。



おわり



この作品はツイッターで、#窓枠水槽 のタグを付けて書いたツイッター小説を長くしたものです。
#窓枠水槽 関連の作品はたくさんあります。
まずこの下の作品「夢見る窓枠」がそうですね。
あと「水族館」「雨の中のさかな」などがあります。

この作品には「雨の中のさかな」と同じような場面があります。
ガラスをコンコンと叩く所と、声が聞こえず、口の動きで言葉を伝えようとする場面。
まあ、作者が気に入った場面なんでしょうね(笑)

#窓枠水槽 タグのツイッター小説自体は結構な数を書いていますから、まだまだ長く出来るものがありそうです。

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by marinegumi | 2015-09-17 22:17 | 掌編小説(新作) | Comments(0)

夢見る窓枠 (6枚)

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海の見える丘の上に、つい最近まで一軒の家が建っていた。
すっかり取り壊されてから数年が経とうとしていたけれど、よく見るとまだ庭らしいものが残されていて、わずかに草花が小さな花を咲かせている。
取り壊された家の残骸を何度も往復して運んだトラックのタイヤが踏み倒した草はもうすっかり元通りになり、更に家まで続いていた道さえも覆い尽くそうとしていた。
その草の中に、解体の時に運び忘れられたのか、一枚の窓枠が横たわっていた。
ひび割れたガラスの嵌ったアルミサッシの窓枠だった。

その日は朝から風の強い日だった。
長く伸びた草は、ちぎれてしまいそうに風になぶられていた。
近くには大きな木はないけれどまだ青い葉っぱが飛ばされて行く。
風の中に小さな石さえ混じっていた。
そしてその時、一段と強い突風が吹いたのだ。
草むらの窓枠はふわりと持ち上げられ、窓枠は縦に回転しながら丘の上を走り、次の瞬間、大きく宙に舞った。
そして海の方へと飛ばされたのだ。
窓枠は回転しながら飛び続けていたが、やがて海面に突き刺さると、ゆっくり海の中へ消え、荒れた海面には波紋も残らなかった。

窓枠が平たく海面に叩き付けられていればガラスは砕けていただろう。
しかし少しひび割れが大きくなっただけでほとんどが残っていた。
それは右に左に揺れながら窓枠は海に沈んで行った。
海面からの光をはね返して白く光りながら。

群れを成して泳ぐ魚たちの中から数匹のイワシがその窓枠の周りにやって来た。
そしてそのガラスの向こうを覗き込んだ。
そこには新しい家で寛ぐ若い夫婦が見えた。
二人の間には揺りかごがあり、その中には小さな赤ん坊が眠っている。
温かそうな灯りの下の幸せそうな家族が見えた。
それは窓枠が見ている夢の光景なのだろうか。

イワシたちは去り、窓枠はさらにゆらりゆらりと沈んで行く。

今度窓枠のそばにやって来たのは数匹のイシダイだった。
彼らが窓を覗き込むと、そこにはまた別の光景が見えた。
ソファーに座った少年とその妹がテレビを見ている。
奥の台所では母親が夕飯の支度をしていた。
やがて玄関のドアが開き、雪の粒を服にくっつけた父親が帰ってきた。
二人の子供は駆け出してゆき、父親にまとわりつく。

イシダイはそこから離れ、窓枠は更にゆっくり次第に暗くなる海を沈んでゆく。

次に窓枠を覗き込んだのは赤い体をした数匹のメバルたちだった。
窓の中の光景はさらに変わり、そこは昼間のようでとても明るかった。
ソファーに座る白髪の混じり始めた父親と隣に座るその妻。
向かいに座っているのはすっかり成長したあの少年とフィアンセの美しい娘だ。
四人が談笑しているところにお茶を運んでくるのは彼女もまた美しく成長した妹だった。彼らの声は聞こえない。
反対側の窓から差し込む光で、春の一日だろうと思われた。

メバルたちがそこから離れると、あたりはさらに暗くなっている。
海上からの光がたよりない。

カマスが数匹、沈んで行く窓枠を覗き込んだ。
暗い海の中でもガラスの向こうは明るかった。
ソファーには老婦人が一人座り、編み物をしていた。
それは小さな靴下のようだ。
玄関のドアが開くと少年の手をつないだ父親と赤ん坊を抱いた母親が入ってきた。
老婦人は編み物の手を止め、立ち上がる。

カマスたちが海の暗さを恐れるように姿を消した。

窓枠はさらに海の中を深く深く沈んで行った。
あたりはもうすっかり真っ暗になっている。
窓枠の中の光景だけがただ一つの明かりだった。
そして、やがて窓枠は海底にまで沈んだ。
少し泥を巻き上げて海底に横たわった。
数匹の異形の深海魚たちが集まって来てその窓枠の周りを泳いだ。
ガラスの向こうには誰もいない部屋が映っている。
その部屋の外は昼間らしかったけれどカーテンが引かれていた。
カーテン越しの光で部屋は薄明るかったけれど人の気配はしなかった。
目の退化した深海魚にはその光景が見えてはいない。
しかし彼らには判った。
また一つ人間たちの思い出が降り積もったのだと。

やがて窓枠は夢見る事をやめた。



おわり



>公募ガイド、TO-BE小説工房でボツだった作品です。
>課題は「夢のまた夢」
(りんさんのブログ「金魚拾い」のあと書きからのコピべです(笑))
僕のこの作品も同じくでした。
ぼちぼち投稿を再開していますがまだ調子は出てきませんね。
ツイッター小説も再開初日はうまくまとめられず、あれ?と思いました。
続けていないとダメですね。

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by marinegumi | 2015-09-11 18:04 | 掌編小説(新作) | Comments(2)