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ショートショートの宝箱Ⅱが発売されます。

光文社文庫から『ショートショートの宝箱Ⅱ』が4月11日から発売されます。
今回も僕の作品を掲載していただいています。

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発売にあたって、プレゼント企画がありますね。
概刊の『ショートショートの宝箱』の作品の中から面白かったもののタイトルを書いて、「#ショートショートの宝箱」のタグを付けてツイートすれば、この新刊が当たるかもしれません。
詳細はこちら



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# by marinegumi | 2019-03-30 10:24 | | Comments(0)

やけ酒 (2枚)

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今日も疲れ切って家に帰って来た。
離婚をしてからというもの、金持ちの妻の実家からの援助もなくなり、家のローンの返済だけのために働いているような毎日だった。
家の中は真っ暗だ。
リビングの照明をつけると、薄暗い隣の和室から何となく酒の匂いが漂ってきた。
よく見るとそこにはみすぼらしい痩せ衰えた老人が横たわっていたのだ。
そいつの周りには冷蔵庫にあった焼酎の空きビンとビールの空き缶が転がっている。
「なんだお前は? 泥棒か!?」
そう言っては見たけれど、とても泥棒には見えなかった。
着ているのはボロボロになった着物で、竹の根っこみたいな杖がそばに立てかけてある。
「わしは、び、び、貧乏神だよ」とそいつはろれつの回らない口調で言った。
「なるほど」と、俺はすぐに納得していた。
いかにも貧乏神らしく見えたからだ。
「そうか。それで先月、嫁さんが出て行って金づるがなくなったり、前の会社を首になってアルバイトをする羽目になったんだな。きのうなんか財布を落としたぞ。こんな所に腰を落ち着けてもらっちゃ困るんだ。出て行ってくれよ!」
「そ、そう冷たい事を言うんじゃないよ。もう何十年もここにいるんだからさ」
「え? どういう事だ。ついてない出来事が起き出したのは先月からだぞ」
「そうさな。先月だよな。ここでずっと一緒に暮らして来た幸運の女神に出て行かれてしまったのは。喧嘩をしてのう」
「け、喧嘩?」
「ずうっと考えとったら、だんだん嫌気がさして、やけ酒を飲んでたところじゃ」




おわり



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# by marinegumi | 2019-01-27 16:44 | 掌編小説(新作) | Comments(8)

Web光文社文庫「Yomeba!」のショートショートの宝箱が更新されました

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ショートショートの宝箱に僕の作品竹の秋が掲載されています。
早くも3本目になりますね。
よければ読んでやってください。

この「Yomeba!」ではショートショートの募集もしています。こちら
第6回目の募集のテーマは「図書館」です。


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# by marinegumi | 2018-12-15 10:26 | わたくし事 | Comments(2)

プレゼントは靴下に(4枚)

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クリスマスの朝。
いつもと違って目覚ましが鳴るよりも早く目が覚めた。
そりゃそうだろ。
サンタさんからのプレゼントがなんなのか、昨日の晩はそれが楽しみで、わくわくして、なかなか眠れなかったぐらいだったんだからさ。

起き上がってベッドから降りて、プレゼントがあるはずの枕元を見た。
でも、そこには何もなかったんだ。
「え? どゆこと?」
一瞬何も考えられなくって、やっと思いついたのはクリスマスの日を間違えてるんじゃないかと言う事だった。
そう、ぼくのかん違いで、今日はまだクリスマスイブだったりしたりして。
いやいや、だって昨日の夜はみんなでごちそうを食べたし、クリスマスケーキは二切れペロリさ。
お母さんやお父さんまで間違えるはずないもんな。

よく見ると、枕元の壁に下げてあったはずの靴下がなくなっていた。
それはぼくが昨日寝る前に自分でぶら下げたので、間違いなくそこにあったはずだ。
大きなプレゼントでも入るように、なるべく大きくてよく伸びる靴下をわざわざ買ってきたやつなんだからさ。
プレゼントがないだけじゃなく、その靴下までなくなってるなんてサイアクっていうやつだ。
誰かに盗られたんだろうか?
まさかドロボー?
サンタさんが来て、ちゃんとプレゼントを入れてくれたのにそれをまたドロボーがやって来て持って行っちゃったのか?
あんまりのショックで、ガックリ来て、ため息をつきながらカーテンを開けた。
何だか窓の外がぼんやり見えている。
いつものぼくの家の庭が、霧がかかったように見えているんだ。
下へ降りて玄関のドアを開けようとしたけれど、なんか変。
ドアを押すと向こうから押し返される感じなんだよな。
何か柔らかい物が外から押さえているみたいだ。
開いたドアのすき間からのぞいてみると何かがそこにあった。
手で押してみるとなんだか目の粗い布のようなものがそこにあるんだ。
わけが分からなかった。
ちょっと考えて、引き出しからハサミを持って来てそれをチョキチョキと切り開いてやった。
外へ出てみてびっくり。
めちゃくちゃ大きく伸び切った靴下が、ぼくの家にすっぽりとかぶさっていたんだ。
その靴下の柄を見ると、ぼくが買ってきたものに間違いなかった。
そしてその靴下の中の家は、ま新しいピカピカの新築の家だったんだ。
あんな小さな靴下がよくもこれだけ伸びたもんだと思ったけれど、いやいやそれよりも新しい家が今年のプレゼントだったと言う事がびっくりだよね。
まあ、プレゼントは靴下の中に入っていたんじゃなくて靴下がかぶせてあったわけだけどさ。
家の中に戻ってみた。
何で気がつかなかったのかと思うぐらい家の中も新しくなっていた。
家具も窓枠も、カーテンも、天井も照明もみんな真新しくて輝いていた。
僕が寝ていたベッドも布団もクッションもみんな新しくなっていた。
「ぼうや。どうしたの?」
お母さんが部屋に入って来た。
「今年のプレゼントは何だったんだ?」
と、お母さんの後ろから入って来たお父さんが言った。
そう言うお父さんもお母さんも、何となく前と違っているのはどうしてだろうか。
着ている服も新しくて立派だし、いやいやそれよりもその顔だった。
お母さんは前より絶対にきれいになっている。
ぼくのお母さんに間違いはないんだけれど、だいぶ若くてきれいで、そう、なんだか上品なんだ。
お父さんも、服もそうだけど、すごいイケメンになっている気がする。
お父さんに間違いはないんだけれどなんだか新しくなったような感じなんだ。
え? 
まさか?
新しい家と一緒に、新しいお父さんとお母さんもクリスマスプレゼントってわけ?
ま、まじでか~?

ぼくは恐る恐る、壁にかかっている鏡に映る自分を見た。




おわり




毎年恒例の「もぐらとはるのクリスマスパーティー」用に書いた作品です。
いやいや、招待状が届くとどうしても書いてしまうんですよね。
困ったものです。
いやいや、毎年思いきり楽しんで書いていますよ(ゲホゲホ)
書きたくて書きたくて待ち遠しいほどなんです。
いやほんと。

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# by marinegumi | 2018-12-01 23:31 | 掌編小説(新作) | Comments(2)

『ショートショートの宝箱』が更新されました。

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『Web光文社文庫』が6月にリニューアルされて『Web光文社文庫  Yomeba!』になっていますが、ショートショートのコーナー「ショートショートスタジアム」も名前が変更されて「ショートショートの宝箱」になり、僕の作品も2本目が掲載されています。

1本目は「街角の落とし物」で、今回の2本目は「お話のなる木」です。
皆さんぜひ読んでくださいね。
また、『Yomeba!』ではショートショートの募集もしていますので、応募してみようと思う方は是非どうぞ。



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# by marinegumi | 2018-11-01 21:34 | わたくし事 | Comments(2)

愛がほしい (1枚半)

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幼なじみってあんまり言いたくないんだよね、あいつのこと。
小さな頃から近所に住んでいてさ、時々いっしょに遊んだぐらいなんだけどさ。
小学校からずっと同じ学校だったわ。
中学、高校と何の因果かクラスまで同じ。
当然のようになれなれしくするあいつを、適当にあしらって来たのね。
ところが、社会人になってからまで、何と、何と! 同じ会社に入る事になってしまったんだ。
こうなるともう、幼なじみって言うよりも腐れ縁だね。

その彼から告白された。
私には全然その気がなかったので、即、「ごめんなさい」
だって、見るからにダサくて、さえない男の代表って感じに成長しちゃってたんだよね彼。
でもなかなかあきらめないの。

ある日のこと。
「君の愛がほしい」
なーんてあいつが言うので冗談半分……いや冗談全部でやった事なんだ。
何も入っていない可愛い箱を、きれいな包装紙で包み、リボンをかけてさ。
「はい。私の愛よ」と言ってそれを渡したんだ。
あいつは包みを解いて中を確かめたのに、失望するどころか大喜びしたんだ。
「大事にするよ」ってさ、アホかいな。

でもでも、その日から何だかあいつの事が気になって仕方ないんだよね。
だんだんあいつに魅かれて行く自分がいる。
ひょっとして私、間違って本当の愛を入れちゃったとか? 
そ、そんな~。



おわり



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# by marinegumi | 2018-09-05 22:43 | 掌編小説(新作) | Comments(8)

再会 (2枚)

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わたしは大学二年の時に病気になってしまった。
治療法のない伝染性の奇病だと言われ、山奥の病院の一室に隔離されてしまった。
数か月過ぎたけれど、親も兄弟も面会に来てくれなかった。
たぶん来てくれてはいても、会うことは出来ないと断られているのかも知れない。
そうとでも思わなければ自分がみじめだった。
それほどわたしの病気は怖い病気なんだろうか。
ただベッドの上で日々を消化していくだけの生活だった。
大学の友だちの顔が次々に思い浮かんだ。
その中にさよならさえ言えなかった恋人の健二の顔もあった。

病院では時間の流れるのがもどかしいほど遅かった。
そう、一日は気の遠くなるほど遅く過ぎ、それなのに十数年があっという間に過ぎていた。
それは色彩の無い希望のかけらもない日々だった。

ある日、病室のカーテンが明るい色に替えられた。
汚れていた窓はきれいに磨かれ、それだけで景色が明るく見えた。
いつも不愛想だった看護師さんが笑顔で入って来て言った。
「今日から新しい先生があなたの担当ですよ」
その後ろからなつかしい声が聞こえた。
「あれから医大に入り直して猛勉強したんだぜ」
それは恋人の健二だった。
「きみの病気を治すためにさ」




おわり




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# by marinegumi | 2018-06-04 21:45 | 掌編小説(新作) | Comments(4)

「ショートショートスタジアム」作品 6本目です。

Web光文社文庫の「ショートショートスタジアム」が4月27日に更新されました。
僕の作品が掲載されています。
「かくれていたのは誰?」と言う6枚半の作品です。
またお暇な時に読んでくださいね。
同時掲載は小狐裕介さんの「缶の子」と言う作品です。
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次々掲載していただいて、これで6本目になりました。


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# by marinegumi | 2018-04-29 10:40 | わたくし事 | Comments(0)

丸い小さな空~空見の日~

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今日はブログのお友達、もぐらさんの提唱する「空見の日」です。
全国の、全世界の人々が一緒に空を見上げようと言う、ただそれだけの日…なのだと思います(笑)

上の写真は先ほど撮影したわが町の空です。
程よく雲が浮いていて、雲一つない快晴よりはこんな空が好きです。

それでは空に関するお話を一つ。



丸い小さな空 (2枚)


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ボクは毎日空を見上げている。
それは丸く切り取られたちいさな青い空だ。
そう。
その小さな丸い空はいつも青空だった。
たまに小さな雲が通り過ぎる事もあるけれど、だいたいいつも青空で、夕方にはオレンジ色に染まり、夜には星が輝く。
ボクは深い深い穴の底からその小さな空を見上げている。
毎日毎日、数えきれない長い日々。
あきちゃうこともなく、あこがれに似た気持ちで見上げている。

ある日ボクはあの空がある穴の「外」に行ってみたくなった。
そう、たぶんボクはそんな希望を持ってはいけなかったのかもしれない。
穴の外の世界の事を考え始めた頃から空に雲が増え、白い雲が灰色に変わり、やがてたくさんの水が落ちて来はじめた。
それはきっと雨と言う物らしかったけれど、ボクは初めてそれを見たのだ。

丸い小さな空はずっと灰色で日増しに雨は強くなっていった。
上を見上げているのも、目を開けているのもつらいほどたくさんの雨が降ってくる。
そしてボクがいる穴の底の水がどんどん増え、ボクの体も上に上にと浮き上がって行くのだ。
丸い小さな灰色の空がどんどん大きくなっていく。
いや、ボクがどんどん穴の上の方、「外」に近づいているのだ。
もう少しで外に出られそうだ。
このまま雨が降り続き、もしもボクが穴の「外」に出られたとして、ボクはそこで生きて行けるのだろうか。
そこは小さなお魚のボクが生きて行ける世界なんだろうか。



おわり


大阪府枚方市津田山手2丁目に空見の丘公園というのがあるそうですね。
いつ出来たんでしょうか。
今まで毎年「空見の日」のブログ記事を探すのに、「空見の日」で検索していたのですが、見なかったような気がするのですが。
そうだ。
来年の空見の日にはこの「空見の丘公園」にみんな集まると言うのはどうでしょう。
きっと誰も来ないでしょうね(笑)

もぐらさんの「空見の日」関連の記事一覧はこちらです。

「ゆっくり生きる」のはるさんの記事はこちら。空見の日です

「りんのショートストーリー」のりんさんの記事はこちら。ケンカのち、青空


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# by marinegumi | 2018-03-23 16:21 | 掌編小説(新作) | Comments(2)

図書館・春の雨 (3枚)

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春の雨の降る道を歩いてきた。
公園の芝生を横切ってレンガ造りの図書館の前。
ドアを開き、廊下を歩き、たくさんの本棚の前に立つと、もう雨の音は聞こえない。
ただでさえ優しく静かに降る春の雨だから。
図書館はしんと静まりかえり、外からの音も何も聞こえない。
壁に架かっている大きな時計さえ、その秒針は音もなく回り続けている。

時々、君が本のページをめくる音だけが聞こえる。
君がいつも読んでいたのは不思議なお話ばかりだったね。

「指輪物語」
「ライオンと魔女」
「霧の向こうのふしぎな町」
「モモ」
「龍のすむ家」
「だれも知らない小さな国」
「飛ぶ教室」

僕は君に読むのを勧められたけれど、とうとう一冊も読まなかったね。
本なんて嫌いだったんだよ。

またページをめくる音がした。
そのページが巻き起こすわずかな風の記憶がよみがえる。
そう、本を読んでいる君のそばで君の横顔をを見ているのが好きだったんだ。

君がいつも本を読んでいたお気に入りの場所まで来るとテーブルの上には一冊の本。
ページが開かれたまま置きっぱなしになっている。
誰もいないのに、ささやかな音を立てながらそのページがめくられる。

そう、不思議な物語ばかり読んでいた君は、不思議な国の住人になってしまったんだね。
恐くはなかった。
その本を手に取って閉じ、背表紙のタイトルを見た。

 「時の旅人」

君はまだこれを読みかけだったんだろうか。

僕は悲しくなった。
僕が本を嫌いだった本当の理由を君は知らない。
本なんて。
本なんて、君を僕から遠ざけるだけのものでしかなかった。
僕は、君の時間を、僕だけのものにしたかったんだ。

僕はその本を元通り、開いていたページを開いてテーブルの上に置いた。

しばらくすると風もないのにまた次のページがめくられた。



おわり



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# by marinegumi | 2018-03-19 18:43 | 掌編小説(新作) | Comments(0)

Web光文社文庫「ショートショートスタジアム」5本目

Web光文社文庫の「SSスタジアム」が更新されています。

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今回は僕の作品「朝のひと時」と江坂先生の「モフパカ」が掲載されています。
ぜひ読んでみてください。


Web光文社文庫のトップページはこちら
SSスタジアムのトップページはこちら

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# by marinegumi | 2018-01-26 21:52 | わたくし事 | Comments(0)

光文社文庫「ショートショートの宝箱」重版

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光文社文庫「ショートショートの宝箱」が重版されました。
けっこう売れていると言う事らしいので、うれしい限りです。

ところで、この本に入っているわが作品「ぼくにはかわいい妹がいた」ですが、これのアイデアは犬の散歩中に思いついた物です。
(以下、ちょっとネタバレになるかも)
いつもの散歩コースに、時々誰かがノラ猫のためにエサを置いている事があるのですが、我が愛犬はそれを見つけると食べようとします。
エサを置いてあるのがわかっていたら近ずかないようにして食べさせないのですが、ある日、うっかりしていて、あっという間に少し食べてしまった事がありました。
すぐにやめさせたのですが、その時、とっさに出た言葉が
「キャットフードなんか食べると、ネコになってしまうぞ!」
でした。
その言い草に自分でも笑ってしまったのですが、これは面白いかもと思って散歩中にあれこれ考えて、帰って来るころにはほぼストーリーが完成していました。

わが作品には犬の散歩がらみの物が他にもいくつかあります。

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# by marinegumi | 2018-01-05 16:18 | | Comments(0)

緑色のセミ (3枚)

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それは夏のある日だった。
記憶がひどく曖昧なので、多分私が三歳ぐらいの頃だろうか。
木に留まっている緑色のセミが鳴いていたのを覚えている。
その鳴き声は小さく、まるでラジオの雑音のように聞こえた。
それは多分夢だったのかも知れない。
だって、夏によく見るクマゼミと言うセミは、身体の一部が緑色だけれど、そのセミはうそみたいに体中が緑色なんだから。

その暑い夏の日にもう一つの記憶がある。
笑顔のお母さんから渡された小さな袋。
それには何やら文字が書いてあり、わずかだけれどお金が入っていた。
それをどうしていいのかわからずに、私は宝物のように自分の机の中に大事にしまっておいた。
そう、それが今でも私の手元にある。
あれからたぶん十年は過ぎているだろう。
その袋を私は時々机から出しては眺め、中身を見てはまた大事にしまった。
文字が読めるようになった頃にはその袋が何なのかを理解していた。
「お年玉」とそれには書いていたんだ。
そしてその中には帽子をかぶった男の人の絵が描かれたお札が一枚入っている。
夏なのにお年玉とはどういう事だろう?

考えれば考えるほど不思議なので、ある日とうとうお母さんに聞いてみた。
そう、それは私が13歳になる今年のお正月に、お年玉をお母さんから手渡された時だった。
「ああ、それ、まだあのまま持っていたのね?」
お母さんは遠い目をして窓の外へ目をやった。
「それは私たちがオーストラリアにいた頃ね。あなたに上げた初めてのお年玉。そうね。あまりあの頃の話はあなたにしなかったものね」

私のお父さんは私が幼い頃に死んだ。
それは仕事の関係で家族が住んでいたオーストラリアでだったと言う。
お母さんは思い出すと辛くなるので、私と二人で日本へ帰って来てもその頃のお話はほとんどしないようにしていたらしい。

自分の部屋に帰り、初めてもらったお年玉の袋からお札を取り出して裏表をじっくりと眺めた。
オーストラリアドルの10ドル紙幣だ。
雪の積もった窓の外の景色を見ながら、今オーストラリアは夏なんだなと考えていると何だか不思議な感じがした。

殆ど記憶のない、オーストラリアでの家族の暮らしを、いつかお母さんが話してくれる時が来るだろうか?



おわり



明けましておめでとうございます。
ほぼ放置状態のこのブログですが、まあ、ごくゆっくりしたペースでも、何か書いて行ければいいですね。
小説を書くコンペみたいなところで定期的にショートショートを書いているので、なかなかブログまでは手が回らない状態です。
ブログやツイッターを辞めてしまうのはあまりに寂しいので、今年は、なるべくなんやかや書いて行こうと思います。

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# by marinegumi | 2018-01-01 23:29 | 掌編小説(新作) | Comments(2)

ガラケー (1枚半)

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電話が鳴っている。
それは何度も何度も数限りなく聞いた懐かしい携帯電話の音だった。
それは僕が初めて持ったガラケーの音。
もうすっかり忘れていた単純なメール着信の音色。
少しくぐもったその音は、学生時代によく使っていた机の引き出しから聞こえているのだ。
ごちゃごちゃとガラクタの入った奥の方でそれは声を上げていた。
そしてすっかり埃にまみれていた。
もうあれから何台も買い換えて、今は最新式のスマホを持っている。
それと比べて、傷だらけで、埃だらけで、なんてみじめなんだろう。
画面を開くと薄暗い光に、懐かしい名前が浮かび上がる。
あの日、君に送ったメールの返事だった。
君が車に撥ねられて道路に横たわっていたちょうどその時間に、何も知らずに送ったメール。
「今から遊びに行ってもいい?」
決して返事の来るはずのなかったメール。
今頃なのかい?
携帯はとっくに電池が切れているはずなのに。
今頃返事をくれたの?
「わたしの方からそっちへ行くよ」



おわり




ひさびさの登校。
じゃないや。
ひさびさの投稿ですね。
なんだかまあ、登校拒否してた小学生みたいな気もしますけれど(笑)
二週間に一回、あるところに作品を送っているのですが、毎回それだけで手一杯な感じです。
今回は割と早めに作品が出来たので、少々気持ちに余裕があって、短いのを書いてみました。

新投稿画面で投稿すると、レイアウトが思うようにならないので、一度削除して旧画面で投稿しなおしました。

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# by marinegumi | 2017-11-03 17:21 | 掌編小説(新作) | Comments(0)

じゃあまん探偵団 魔隣組(まりんぐみ)

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懐かしのテレビ番組『じゃあまん探偵団 魔隣組』が始まりました。
スカパーの東映チャンネルです。
これは何年か前にも一度放送されたようなんですがその時は見る事が出来ませんでした。
スカパーの契約もしていませんでしたし、放映されるのも知らなかったのです。
今回は第一回と第二回が無料放送なので見る事が出来、それ以後の回も知り合いに頼んで録画してもらえる事になったので楽しみです。
お気づきのように、わがブログ『まりん組・図書係』のタイトルは、このテレビ番組のタイトルからお借りしたものです。

この作品は1988年1月10日から1988年12月25日まで放映されました(全50回)
東映不思議コメディーシリーズの『おもいっきり探偵団 覇悪怒組(はあどぐみ)』と『魔法少女ちゅうかなぱいぱい』の間に位置する作品です。
この不思議コメディーシリーズが、その後、戦隊ものにとってかわられるんですが、そっちの方はあまり好きではありませんでした。

東京湾近くの河川敷に埋もれた潜水艦、ドイツのUボートを基地にして、怪盗ジゴマと闘う少年探偵団たち。
前作の『おもいっきり探偵団 覇悪怒組』も、割と面白く見ていたんですが、この作品が始まってからはもう夢中になりました。
潜水艦が好きだったんですね。

さてさて、長らく更新が止まっていましたが、お決まりのように夏の仕事のハードさにパソコンの前に座る時間が極端に少なくなっています。
小説のアイデアはぽつぽつ浮かぶものの、それを文字にしていくのが億劫なんですよね。
まあ、毎年のことですから心配されている方はいないだろうとは思いますけどね。
Web光文社文庫の方の作品は何とか書いています。

またそのうち復活する日までごきげんよう。

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# by marinegumi | 2017-08-02 10:56 | わたくし事 | Comments(0)