私は電話を待っていた (ツイッター小説) 7~9

その7
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私は電話を待っていた。
骨董店の昔の様々なデザインの電話が何十と並べられた棚の前で。
鳴るはずのない大昔の電話が鳴るのを想像して、待っていた。
無数の人々の声と声をつなげ、今は沈黙したままの電話たちが、誰かの声を私に伝えようとしている
気がした。

「リン‥」と、ごく短く過去からの音がした。




その8
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私は電話を待っていた。
もう来るはずのない電話だった。
「また電話するね」それが最後の言葉だった。
もう君がこの世にいないなんて絶対に信じない。
信じてなんかやるものかと思って、私は電話を待ち続けていた。
電話をかけて来いよ!
君は約束を破った事なかったよね。

だからいつまでも待っているんだ。




その9
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私は電話を待っていた。
そこは広い広い野原の真ん中だった。
子供だった私はもちろん携帯なんか持っていなかった。
でもその私に電話はちゃんと届いたよ。
黒電話の受話器が遠い空から、宇宙の彼方から何万キロもコードを伸ばして降りて来た。

その電話で聞いた言葉を胸に、大切に、私は今まで生きてきた。




画像はこれまで、写真をトリミングするだけでしたが、「その9」では写真の合成をしています。
あと、電話のコードを描き加えたり。
文章をアップするだけなら、簡単なんですけど、こう言うことをやりだすと時間がかかってしょうがないですね。

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by marinegumi | 2011-04-07 21:11 | ツィッター小説 | Comments(2)

Commented by haru123fu at 2011-04-08 19:19
なんだか、切ない様な気持ちが伝わってきます。
「私は電話を待っていた。」の出だしが、すでにもう誰もが、経験したことのあるほろ苦いような、甘いような、そんな思い出を彷彿とさせるのでしょうね。
海野さんとっても快調ですね。楽しませてもらってます。
♪ついてるね~♪のってるね~ ありゃ?そんな唄なかったっけか。

Commented by marinegumi at 2011-04-08 20:33
haruさんこんばんは。
なんだかねー
切ない系が多いですよね。
ほんとはもっとハチャメチャな物も書きたいんですよ。
その4なんかはそっち系のつもりだったんですが、結構おどろおどろしいですよね。

中山美穂さんの歌にそんなのがあったっけと思って検索してみると、タイトルもそのまま「ツイてるねノッてるね」でした。