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私は電話を待っていた (ツイッター小説) 40~42

その40
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私は電話を待っていた。
かかって来た電話の彼の声の向こうで船の汽笛が聞こえた。
「今どこにいるの?」
「海だよ。港の突堤に車を止めてる」
「船が見える?」
「うん。大きな客船が今出て行った」
「いいなー私も見たかった」
車は全然動かない。
渋滞の道路の上の車の中。
彼と並んで座り携帯で話していた。




その41
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私は電話を待っていた。
故郷の母から連絡が来なくなり、もう何年経つのだろう。
かけても呼び出し音は鳴らず、何かざわざわと雑音ばかりだ。
出張で隣町まで来たので家に寄ってみる事にした。
家は鍵が閉まっていた。
戸のすき間から電話線が伸び、裏庭の井戸の中まで続いていた。

携帯よ鳴るなと願ったが…




その42
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私は電話を待っていた。
自分の部屋にいるのになぜか落ち着かなかった。
何かひどく胸騒ぎがして不安だった。
それで、父に電話をしたのだけれど「忙しいのでまた後でかける」と言われてしまった。

電話が鳴った。
ほっとしながら受話器を上げかけた手を誰かの冷たい毛深い手がつかみ、無理やり押し戻した。





今回は、ウインドウズの更新プログラムに邪魔されて、遅くなってしまいました。
200個近い更新プログラムと、サービスパックの1と2(これだけでもそれぞれ1時間ぐらいかかる)ちょっとげっそりしました。
しかも、リカバリしたのに画像の編集でエラーが出るのが治っていないという最悪の結果になっちゃいました。
サブ機の方がよっぽど調子いいんですけど。

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by marinegumi | 2011-04-21 02:12 | ツィッター小説 | Comments(2)

Commented by ヴァッキーノ at 2011-04-21 20:46 x
ボクは、不条理っぽいのが好きなので
3番目のお話が好きです。
電話を押し戻す毛深い手!
想像しただけで、想像を超えてますもんね。
冴えてるなあ。
Commented by marinegumi at 2011-04-21 23:15
ヴァッキーノさんこんばんは。
不条理ってツイッター小説に向いてませんか?
不条理は好きですが、長編不条理小説というのはなんか読むのがしんどそうなんですよね。