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パロディー/三匹の子ブタ (5枚)

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お母さんブタに、家を出てそれぞれ家を建てなさいと言われた三匹の子ブタは広い草原にやってきました。

一番目の子ブタはちょーめんどくさがり屋でのんびり屋。
もらったワラで家を作りました。
「ちょいちょいちょいと。もうできちゃった!かんたんかんたん。おひるねできるぞー」

二番目の子ブタはせっかちで要領が良い。
もらった木でお家を作り出しました。
「ぎーこ、ぎーこ、とんとんとん。ほらーできちゃった。かんたんかんたん。さ~おやつでも食べよ」

三番目の子ブタはしっかりものでがんばりやさん。
「小さくても良いから丈夫な家が良いな」
古いレンガをもらって来ると、それで家を建て始めました。
とてもながいながい時間がかかりました。
やっとおうちが出来上がった時には子ブタはへとへとに疲れていました。
「さあ、お兄さんたちを招待する準備をしなくちゃ」

その頃、おひるねをしていた一番目の子ブタのところに、オオカミがやって来ました。
「おれさまは腹ペコオオカミだ。昨日から何も食ってない。死にそうだ!おや?このワラの家からうまそうな子ブタの匂いがするぞ」
オオカミは出来るだけやさしい声で言いました。
「子ブタくん。中に入れておくれ」
「え~?いやだよいやだよ!おまえはオオカミじゃないか」
「ふん。それならいいさ。こんな家なんか…」
オオカミがふうーっと息を吹きかけるとワラの家はひとたまりもなく吹き飛びます。
子ブタをつかまえるとオオカミは家だったワラで子ブタを包み、水でぬらして火であぶり、むし焼きにして食べてしまいました。

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まだまだおなかがすいていたオオカミは二番目の子ブタの木の家を見つけました。
「おや?この木の家からうまそうな子ブタの匂いがするぞ」
オオカミは出来るだけやさしい声で言いました。
「子ブタくん。中に入れておくれ」
「え~?いやだよいやだよ!おまえはオオカミじゃないか」
「ふん。それならいいさ、こんな家なんか…」
オオカミがふうーっと息を吹きかけると、三回目で木の家は吹き飛びます。
子ブタをつかまえるとオオカミは家だった木を燃やしたけむりで、ブタ肉の燻製を作って食べてしまいました。

パロディー/三匹の子ブタ (5枚)_a0152009_21472932.jpg


それでもまだまだハラペコのオオカミは三番目の子ブタのレンガの家を見つけました。
「おや?このレンガの家からうまそうな子ブタの匂いがするぞ」
オオカミは出来るだけやさしい声で言いました。
「子ブタくん。中に入れておくれ」
「え~?いやだよいやだよ!おまえはオオカミじゃないか」
「ふん。それならいいさ、こんな家なんか…」
オオカミがふうーっと息を吹きかけてもびくともしません。
うでで押しても、体当たりをしてもレンガの家はびくともしません。
オオカミが疲れて休んでいると、子ブタが様子を見に出てきました。
そのチャンスを逃さずに捕まえると、ロープでしばっておいて、レンガの家をピザ窯に改造しました。
そして、子ブタをポークピザにして食べてしまいました。

パロディー/三匹の子ブタ (5枚)_a0152009_2147568.jpg


「ふうー。子ブタとはいえ三匹も食べるとさすがに満腹だ。ちょっと昼寝をしていこう」
オオカミはピザ窯のそばに、ゴロリと横になり、やがて大きないびきをかきはじめました。

その時、森で迷ってしまった赤ずきんと猟師がやっと森を抜けて草原に出て来ました。
「あれ?あんなところにオオカミが寝ているぞ。あれがおばあさんを食べてしまったオオカミかい?」
猟師がそう聞くと赤ずきんは自信なさげに答えました。
「そうかもしれないし、そうじやないかもしれないし…」
「よく見てごらん。ほら、いかにも悪そうな面構えをしてるじゃないか?」
「やっぱり、そうだわ!あのオオカミに間違いないわ!!」
猟師はそれを聞くと鋭いナイフを持ち、昼寝をしているオオカミに近づいていきました。

その少しあと、羊飼いの少年がやってきました。
「今日も村のみんなを驚かせてやろう。うへへへ…」
そう言うと、走りながら大きな声をあげはじめました。
「オオカミが来たぞー!大変だ。オオカミが来たぞ!」
その時、少年はピザ窯のそばで寝ているオオカミを見つけます。
本物のオオカミを見た事がなかったので、恐る恐るそばまで寄って見下ろしました。
「うげげげげ~!」
少年はお昼に食べた物をみんなもどしてしまいました。

遠く、森の入口あたりに、赤ずきんと猟師が逃げていく姿が見えています。
「やべやべ。人違いしちゃったね」



おわり




失礼しましたー(笑)
お食事中の方、ごめんなさい。
食事中にネットやってるあなたが悪いんですけどね。

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by marinegumi | 2012-02-18 21:49 | 掌編小説(新作) | Comments(4)

Commented by 春待ち りこ at 2012-02-20 01:38 x
クックックッ。。。
この話。。。こうなったんですね。(笑)
嫌いじゃないです。。。というか。。。
むしろ好きかも。( ̄ー ̄)ニヤリ

これから、三匹の子豚を見たり、聞いたりするたびに
思い出してしまいそうです。

赤ずきんちゃんの人まちがい。。。いや。。。狼まちがいは
想像すると恐怖ですね。
来世。。。おおかみだけには生まれ変わらないでおこうっと。。。

楽しみました。ありがとっ♪
Commented by かよ湖 at 2012-02-20 23:28 x
1行ショートがブラック童話に変身しましたね!(笑)
ラストの「少年はお昼に食べたものを~」のくだりが、よく理解できませんでした。オオカミが食べ過ぎでもどしているのではないんですよね?
しかし、途中の写真がなんとも複雑な心境を誘います。
ところで、豚って「ピッグ」→「ポーク」になる瞬間って、どの過程なのでしょう。
Commented by marinegumi at 2012-02-21 00:09
りこさんこんばんは。
一行ショートショートを引き伸ばすだけでは物足りないと言うか、僕のプライドが許しませんので、三つの童話をいっしょくたにパロディーにしちゃえ!と言う感じにしてみました。

あと、オオカミの出てくるお話はどんなのがありましたっけ?
とりあえず思い出したのがこれだけでした。
Commented by marinegumi at 2012-02-21 00:20
かよ湖さんこんばんは。

おやおや、ラストの少年のところが…
そうなんですか?
あれはですね。「赤ずきんちゃん」ではオオカミがおばあさんと赤ずきんを食べてしまい、通りかかった猟師がオオカミのお腹を切り裂いて二人を助け出して、替わりに石を詰めておくと言う所がありますよね。
で、このお話では食べられたのはおばあさんだけで、赤ずきんと猟師がオオカミを探している。
見つけたのはおばあさんを食べたオオカミではなく、子ブタを食べたオオカミだったと言う事ですね。
子ブタは丸呑みにされていたのではなく、料理されてから食べられていたので、猟師がお腹を裂くと出てきたものは…
オオカミ少年がそれを見て気持ちが悪くなったと、そう言う事です。

>豚って「ピッグ」→「ポーク」になる瞬間って、どの過程なのでしょう

我々には「ピッグ」→「ポーク」に変わる瞬間があるのでしょうが、養豚業者にとっては初めから「ポーク」でしょうかねー