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クリスマス・ツイッター小説を8本(4本追加)(さらに4本追加)

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その1
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クリスマスだと言うのに酔って帰って来た父親にさんざん殴られ、あまりの情けなさ、悲しさに少女は家を出ました。
薄着で裸足のまま凍える町を歩きました。
母親がいると言う隣町の方へ。

朝、町外れのもみの木の下で冷たい少女の体が見つかりました。
朝日で解けた露が光り、クリスマスツリーの様でした。





その2
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「本当にずっとここに隠れているつもりですか?」
「しょうがないじゃろ。サンタは見つかってはいかん」
「息子はもうはっきり起きてますよ」
「どうしようかのう。プレゼントをまだまだ配らねば」
「困りましたね」
「そうじゃ!あんたに配ってもらえんかの?」
「俺が?うーん…ちょっとやってみたいかも」





その3
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若い男女がクリスマスの夜に、しゃれたカフェで向き合っていた。
「あー!君へのプレゼントを忘れて来てしまった!」
「まあ、あわてんぼのサンタさんね」
「取りに帰って来るよ」
「いいのよ。あなたは疲れてるんだから。遅れても平気」
「でもさ…」
「フィンランド遠いわよ」

17代目の若いサンタなのだ。





その4
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幼い姉弟のベッドの枕元にプレゼントがあった。
「どうして寝ちゃったの?交代でサンタさんを見張るって言ったわよね。あんたの番の時に来ちゃったじゃない!」
「だってさーぼく…」
「まったく、しょうがない子ね」

姉は上着を羽織ると廊下に出て壁に耳を当てている両親に言った。
「OK。信じたみたいよ」





その5
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「サンタさん。まだ出発しなくていいのですか?」
「大丈夫じゃよ。わしの担当は日本じゃから少子化での、配る件数が少ないのさ」
「それについてなんですけど、日本は赤ん坊を運ぶコウノトリが少ないのでサンタさんに手伝って欲しいと要望が出ているんですよね」

と言う訳で聖夜ベビーの誕生にご用心を。





その6
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「今年のクリスマスは全ての人に小さな幸運がプレゼントされるそうです。誰もが平等に、分け隔てなく与えられると言う事です」

殺し屋はライフルの照準に男の心臓を捉えた。
引き金を引く瞬間に猫が足元を横切り弾丸が逸れ、男の頭に当たり全く苦しまずに死んだ。

殺し屋は帰り道で百円玉を拾ったと言う。





その7
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ひどく寒いクリスマス・イブに犬の散歩に出かけた。
今日は家族みんなが留守で僕一人だ。
寒さが身に滲みた。
その時、愛犬の鼻が赤く光っているのに気が付いた。
犬の数が増えトナカイに変わり、僕はソリに乗っていた。
そして赤い服を着ていて後ろには大きな袋。

そうか、サンタはこうやって選ばれるのか。





その8
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目が覚めると白い天井が見えた。
何やら和やかな人の声や音楽が聞こえる。
起き上がると大勢の人が病室に集まり、クリスマスパーティーを開いている様だった。
一人の女性が私を見つけて目を丸くした。
「みんな。サンタさんが!」

聞くところによると私はソリから落ちて重傷を負い二年間眠っていたらしい。




その9
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「今年もなんとかプレゼントを配り終わったのぅ」
「サンタさん起きて下さい。何を寝ボケてるんですか?これから配りに行く所でしょ?」
「うわーまただ。毎年こんな夢を見るんだよな。まあいいわい。夢の中でも配達するとしようかの。ホッホー」

「御覧なさい、この人。まだサンタだった頃の夢見てるわ」





その10
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クリスマスの朝、目が覚めると枕元にあるはずの物がなかった。
飛び起きて朝食中のサンタに抗議した。
「近頃物騒だから鍵をかけて寝たんだよな。サンタは入って来られなかったんだね」
と言いながら外を指差した。
見ると家の軒にプレゼントらしい物がぶら下がっている。

え?サンタってやっぱりいるのか?





その11
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僕たちが子供だった頃二人とも絵が好きだったよね。
クリスマスに僕は油絵のセットをもらったんだけれど貧しかった君はボールペン1本だけだった。
それを僕は馬鹿にして笑ったよね。
なんてやつだろう。

今では僕は筆を折り君は海の風景をボールペンだけで見事な細密画に仕上げる有名な画家になっている。





その12
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朝目が覚めると床にサンタクロースの衣装が脱ぎ捨ててあった。
台所のテーブルにはコーラの空き瓶が数本。
冷蔵庫の氷もごっそり減っていた。
ベッドに引き返すと枕元にプレゼントがありマフラーや手袋が入っている。

サンタにも異動があるのか。
オーストラリアのクリスマスは夏だと知らないやつが来たな。





その13
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「メリークリスマス!」
「ありがとう。素敵なネックレスね」

そうこうするうちに午前0時を回る。

「誕生日おめでとう!」
「ありがとう。わー、素敵な時計」
「それから…」
「え?まだあるの?」
「はいこれ。僕と結婚してください!」
「婚約指輪なの?」
「そうだよ。必ず幸せにするから」

「ごめんなさい」





その14
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昨日のクリスマスに琥珀の指輪をもらった。
その石を見ていると昔の事を思い出し始めた。
記憶はどんどん遡り、赤ん坊よりももっと遡り、類人猿だった頃、海に棲んでいた頃、微生物だった頃、遠い銀河系から来た隕石にくっついていた有機物だった頃まで思い出していた。

私よりはまだずいぶんと若い琥珀。





その15
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一人ぼっちのクリスマスも明け、自分で自分に買って来たプレゼントの可愛い赤いブーツを履いて夜の街へ出た。
すると、街はまだクリスマスの賑わいだった。
夜のお店で、プレゼントを交換する恋人達。

昨日も、おとといも、ずっと前からクリスマスは続いている。
そして、自分へのプレゼントが増えて行く。





その16
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「アフター・クリスマス!」
「え?なに?」
「毎年やってるんだよ、このパーティー。ケーキ屋さんとかクリスマスメニューが売りのレストランのスタッフとかクリスマスを楽しめなかった人達が集まるパーティーさ。君は今年がお初だね」
「ホーッホッホー」
「あれはだれ?」
「本物のサンタさんみたいだね」





おわり




クリスマステーマのついのべをまとめてアップしました。
最近はツイリミックスと言って、ある人の書いたついのべを自分なりにアレンジして違うお話にしたり、3つのお題を取り入れてお話にしたりしています。
当然即興でお話を作っていくことになります。
ツイートした時は「@」や「#」などのリンクを入れるので、140文字より少ない文字数になってしまいます。
それを全部ぴったり140文字に修正しています。

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by marinegumi | 2012-12-25 00:57 | ツィッター小説 | Comments(2)

Commented by りんさん at 2012-12-26 16:02 x
素敵なお話が12も。
クリスマスのたびに読みたい話ですね。
5と6、ブラックで面白いですね。いいなあ。
11はちょっといい話ですね。
人生ってそういうものだよな~みたいな。
いろいろ楽しみました^^
Commented by marinegumi at 2012-12-28 01:55
りんさんこんばんは。
お話も16本になっちゃいました。
ひとまずこれで終了。

ツイッター小説を毎日ほぼ4本書いています。
そのどれもが掌編に出来そうな感じなんですが、それをする時間がないんですよねー
毎晩のツイッター小説に時間を取られて(笑)