パロディー・昔ばなし (4枚)

おばあさんは八百屋さんで六個入りパックの桃を二パック買ってきました。
ゲートボールから帰って来たおじいさんと、二人で一緒に食べようと思い、切ってみてびっくり。
なんと中から小さな男の子が生まれたのです。
「おお、これは可愛い男の子じゃ」
おじいさんとおばあさんは大喜びしました。
「この子は桃太郎と名付けて大事に育てようじゃないか」
「そうですね、おじいさん。私たちに子供は出来ませんでしたからね」
二つ目の桃を切ってみると、これもまた同じ様に男の子が生まれました。
「なんとまあ、二人も生まれおったか。まあいい、お前の名前は桃二郎だぞ」
三つ目は桃三郎。
四つ目は桃四郎。
五つ目は桃五郎。
そしてなんと六つ目の桃からは男の子と女の子の双子が生まれたのです。
さすがにうんざりしたおばあさんは、まだ開けてなかった二つ目の桃のパックを八百屋さんに返品に行きましたとさ。
ねずみの嫁入り

「ねえ、お父さん。そろそろうちの娘にもお婿さんを見つけなくてはいけませんね」
「そうだなあ。うちの子は世界一器量よしだから、世界一賢い男と結婚させたいものじゃの」
「世界で一番賢いと言えばあなた、大学に行ってるネズミがいると聞きましたよ」
「よし!わたしが今から、そのネズミに会いに行って来る」
「おお。ここが早稲田大学理工学部と言うところか。おや?あそこにネズミがいるぞ。なるほど。なかなか毛並みのいい賢そうなネズミではないか!」
「あなたはどなたですか?」
「私は私の娘を世界で一番賢いネズミと結婚させようと思っているのです。大学に行っているネズミさんなら賢いだろうと思ってね」
「こんな所に来ちゃだめですよ。ああ~!ほら、捕まっちゃった」
「なんだ?薄汚いマウスだな。どのケージから逃げ出したんだ?」
ピノキオ

「ぼくは頭がいいんだぞ。ケンブリッジ大学を首席で卒業したし。ノーベル賞候補と言われてるしね。女の子にもモテモテさ。毎日4~5人はふってるかな。研究成果の特許料でお金には不自由しないぜ。五つの銀行に、分けて預けてある預金はたぶん15億円ぐらいかな?あとはもう寝てても自然とお金が入って来る。ゼベット爺さん?ああ。あの人は僕のマネージャーさ。月給100万円で雇ってやってるんだぜ」
地面に突き刺したピノキオの鼻はどんどん伸びて行き、彼の体を空高くどこまでも押し上げて行きました。
そしてとうとう雲の上にまで伸びたのです。
そこには大きなお城がありました。
ピノキオはジャックから聞いて知っていました。
そこに住む大男は宝物をたくさん隠し持っていると言う事を。
「さて、これで大男の倉庫からお宝をいただいて帰れるぞ。うひひ」
しかしピノキオは鼻があまりに伸びすぎて身動きがとれません。
彼の鼻の先はまだ、雲のはるか下の地面に突き刺さっていたのです。
「さあ、今からホントのことをたくさん言って鼻を縮めなくちゃな。う~んと」
嘘を言いすぎたピノキオはホントの事を思いつきません。
必死で考えるピノキオには、せまり来る大男の足音が聞こえませんでした。
おわり
この作品は、りんさんのブログ「りんのショートストーリー」の作品「おとぎ話(笑)10 [名作パロディー]」を読んで触発されてコメント欄に同じお題で書いたものです。
元の形に少々手を入れています。
いやいや楽しいですね、こう言うの。
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by marinegumi | 2014-05-29 22:36 | 掌編小説(新作) | Comments(0)