深い深い森の中 (2枚)
お姫様は森をさまよっていました。
なぜ自分がこんな深い森の中にいるのか、いくら考えてもわからないのです。
王子様と一緒に来たような気もしましたが、それも定かではありません。
何もわからないまま森の中をただ歩いているのでした。
その時風が吹きました。
お姫様は森をさまよっていました。
いくら考えてもどうやってこんな森へやって来たのか思い出せません。
王子様の白馬に乗せてもらってやって来たような気もします。
でも、それも違うかもしれません。
何もわからないままでさまよい続けています。
その時風が吹きました。
お姫様は森をさまよっていました。
こんな森の中になぜ自分が一人ぼっちで居るのかが不思議でした。
王子様に誘われてピクニックに来たのでしょうか?
だとすればその王子様はどこに行ったのでしょう。
何もわからないままあっちへ行ったりこっちへ来たり。
その時一段と強い風が吹きました。
お姫様は森を出たところにある大きな建物の開いた窓に飛び込みました。
「あら?なんていう不思議な事でしょう」
そこにいた女の人はお姫様を拾い上げると、本棚の童話の本を取り出して開きました。
「誰かが破いてしまった童話の本の1ページが風に乗って帰って来るなんて」
テープでちゃんとその本が修復されると、主人公のお姫様は全てを思い出しました。
おわり
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by marinegumi | 2015-04-05 15:48 | 掌編小説(新作) | Comments(6)
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haru123fu at 2015-04-07 19:32
海野さんらしい優しく透明感のあるお話ですね!
朗読させてもらっても良いでしょうか?
お願いします。(._.)ペコリ
朗読させてもらっても良いでしょうか?
お願いします。(._.)ペコリ
0
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marinegumi at 2015-04-07 20:34
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りんさん
at 2015-04-08 21:09
x
いったいどんな結末だろうと思ったら、こんな素敵なオチがあったんですね。
春の風邪はいたずらですね^^
春の風邪はいたずらですね^^
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haru123fu at 2015-04-10 23:08
掌編小説(旧作改稿)の「きずな」を朗読させてもらいたいのですが
よろしいでしょうか。よろしくお願いします。
よろしいでしょうか。よろしくお願いします。
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marinegumi at 2015-04-11 11:42
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marinegumi at 2015-04-11 11:44