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こわいゆめ (1枚)

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こわいゆめからさめたとき、ぼくはあせびっしょりだった。
まだしんぞうがドキドキと、きもちわるいほどにはやくおおきくうっていた。
とけいをみるとまだまよなかだった。
きゅうにこころぼそくなって、ぼくはママをさがした。
あのこわいゆめのことをはなして、なぐさめてほしかったんだ。
ママのしんしつはドアがひらいたままで、ベッドにはだれもいなかった。
かいだんをおりて明かりがついているだいどころに行った。
テーブルの横にママが血だらけで倒れていた。
それはあの恐い夢と一緒の場面だった。
一緒だったのでかえって驚きはしなかった。
やがてすっかり記憶がよみがえった。
俺はもう大人になっている。
口うるさい、文句ばかり言うお袋を殺したのは俺だったのだ。
死んだばかりの様に見えていたお袋は、元の姿に戻った。
ドレスを着た白骨死体。
それが今のお前の本当の姿だ。




おわり



この作品を、ブログ「ゆっくり生きる」のはるさんが朗読してくださいました。
いつもありがとうございます。



イメージとしては、声が子供の物から大人に、徐々に変化した方がいいかなと思っていたのですが、このいきなり変わると言うのも迫力があっていいですね。
ドキッとしました。

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by marinegumi | 2016-02-08 17:12 | 掌編小説(新作) | Comments(4)

Commented by りんさん at 2016-02-09 18:53 x
なるほど、そういうことですか。
平仮名ばかりの文章が途中から漢字になって、恐ろしい現実で終わる。
短いながらも、なかなかの怖さです。
殺した死体とずっと一緒に暮らしているなんて、普通の神経じゃありませんね。
Commented by marinegumi at 2016-02-14 09:39
りんさんこんばんは。
元はツイッター小説。
120文字ぐらいの作品でしたが、『ぼく』が『俺』に変わる瞬間が、なんか面白かったので長くしてみました。
長くすることで、その時感じた面白さはちょっと薄れた気もしますが。
Commented by haru123fu at 2016-02-14 15:24
怖くてそれでも面白い作品ですね。
短い文章に不思議感がつまっているのもいいですね。
近いうちに朗読させてもらっても良いでしょうか?
骨折はまだ直っていないのですが、ただ寝ているのも飽きて来ました。(笑)
朗読の方是非お願いします。<(_ _)>
Commented by marinegumi at 2016-02-14 21:28
はるさんこんにちは。
今日、はるさんのブログを覗いて、2日から更新がないのでそろそろ心配していたところでした。
その矢先に更新と朗読のお願い。
さすが、めげないはるさん。
よろしくお願いします。
最初は子供っぽく読んで、だんだん大人の声になる感じかな。
難しいかもしれませんが。