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丸い小さな空~空見の日~

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今日はブログのお友達、もぐらさんの提唱する「空見の日」です。
全国の、全世界の人々が一緒に空を見上げようと言う、ただそれだけの日…なのだと思います(笑)

上の写真は先ほど撮影したわが町の空です。
程よく雲が浮いていて、雲一つない快晴よりはこんな空が好きです。

それでは空に関するお話を一つ。



丸い小さな空 (2枚)


丸い小さな空~空見の日~_a0152009_16175719.jpg

ボクは毎日空を見上げている。
それは丸く切り取られたちいさな青い空だ。
そう。
その小さな丸い空はいつも青空だった。
たまに小さな雲が通り過ぎる事もあるけれど、だいたいいつも青空で、夕方にはオレンジ色に染まり、夜には星が輝く。
ボクは深い深い穴の底からその小さな空を見上げている。
毎日毎日、数えきれない長い日々。
あきちゃうこともなく、あこがれに似た気持ちで見上げている。

ある日ボクはあの空がある穴の「外」に行ってみたくなった。
そう、たぶんボクはそんな希望を持ってはいけなかったのかもしれない。
穴の外の世界の事を考え始めた頃から空に雲が増え、白い雲が灰色に変わり、やがてたくさんの水が落ちて来はじめた。
それはきっと雨と言う物らしかったけれど、ボクは初めてそれを見たのだ。

丸い小さな空はずっと灰色で日増しに雨は強くなっていった。
上を見上げているのも、目を開けているのもつらいほどたくさんの雨が降ってくる。
そしてボクがいる穴の底の水がどんどん増え、ボクの体も上に上にと浮き上がって行くのだ。
丸い小さな灰色の空がどんどん大きくなっていく。
いや、ボクがどんどん穴の上の方、「外」に近づいているのだ。
もう少しで外に出られそうだ。
このまま雨が降り続き、もしもボクが穴の「外」に出られたとして、ボクはそこで生きて行けるのだろうか。
そこは小さなお魚のボクが生きて行ける世界なんだろうか。



おわり


大阪府枚方市津田山手2丁目に空見の丘公園というのがあるそうですね。
いつ出来たんでしょうか。
今まで毎年「空見の日」のブログ記事を探すのに、「空見の日」で検索していたのですが、見なかったような気がするのですが。
そうだ。
来年の空見の日にはこの「空見の丘公園」にみんな集まると言うのはどうでしょう。
きっと誰も来ないでしょうね(笑)

もぐらさんの「空見の日」関連の記事一覧はこちらです。

「ゆっくり生きる」のはるさんの記事はこちら。空見の日です

「りんのショートストーリー」のりんさんの記事はこちら。ケンカのち、青空


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by marinegumi | 2018-03-23 16:21 | 掌編小説(新作) | Comments(2)

Commented by もぐら at 2018-03-23 23:55 x
海野さん ありがとうございます。
きれいな青空。晴れてよかったです。
こんな自己満足なイベントに参加してくださってありがとうございます。

空見の丘公園ってあるんですね。
夜景がきれいとありますが「夜空見」っていうのもいいですね。
来年 空見の丘公園までたどりつけるかな・・・(超方向音痴です)(笑)
Commented by marinegumi at 2018-03-25 09:56
もぐらさん、こちらこそお話を書くきっかけをいただいてありがとうございました。

「空見の丘公園」って夜景がきれいだと言う記事が多いですね。
それは街の明かりを見ているわけで、「空見」じゃないじゃん。
「空見の丘公園」では空しか見てはいけません(笑)
地上が見えないように塀を作るとか?

きっと雫石さんは、来年「空見の丘公園」に行って来てくれる……かも。