愛がほしい (1枚半)

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幼なじみってあんまり言いたくないんだよね、あいつのこと。
小さな頃から近所に住んでいてさ、時々いっしょに遊んだぐらいなんだけどさ。
小学校からずっと同じ学校だったわ。
中学、高校と何の因果かクラスまで同じ。
当然のようになれなれしくするあいつを、適当にあしらって来たのね。
ところが、社会人になってからまで、何と、何と! 同じ会社に入る事になってしまったんだ。
こうなるともう、幼なじみって言うよりも腐れ縁だね。

その彼から告白された。
私には全然その気がなかったので、即、「ごめんなさい」
だって、見るからにダサくて、さえない男の代表って感じに成長しちゃってたんだよね彼。
でもなかなかあきらめないの。

ある日のこと。
「君の愛がほしい」
なーんてあいつが言うので冗談半分……いや冗談全部でやった事なんだ。
何も入っていない可愛い箱を、きれいな包装紙で包み、リボンをかけてさ。
「はい。私の愛よ」と言ってそれを渡したんだ。
あいつは包みを解いて中を確かめたのに、失望するどころか大喜びしたんだ。
「大事にするよ」ってさ、アホかいな。

でもでも、その日から何だかあいつの事が気になって仕方ないんだよね。
だんだんあいつに魅かれて行く自分がいる。
ひょっとして私、間違って本当の愛を入れちゃったとか? 
そ、そんな~。



おわり



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by marinegumi | 2018-09-05 22:43 | 掌編小説(新作) | Comments(8)

Commented by 雫石鉄也 at 2018-09-06 13:44 x
うわあ、いいですねえ。
かわいい。
しかし、海野さんのショートショートは40年以上昔から読んでますけど、いままでとは少し毛色が違いますね。
う~む。これはどっちかというと、りんさんのショートショートっぽいですね。
Commented by marinegumi at 2018-09-07 17:12
雫石さんありがとうございます。
そう言えばそうですね。
いつからこんなの書くようになっちゃったんでしょうね。
そうか、りんさんの影響?
こういう傾向の作品は結構このブログにはありますよ。

40年以上前から?
そうなりますかねえ。
生まれてすぐにショートショートを書きはじめましたからねえ。(この冗談前にも使ったような記憶が)
Commented by haru123fu at 2018-09-13 17:08
海野久実さん、この昨品を朗読させてもらいたいです。
と言っても私、残念ながら、一番朗読しずらい作品です。
若い女の子の声が出なくなっています。
それでも良ければよろしくお願いします。<(_ _)>
Commented by marinegumi at 2018-09-13 17:25
はるさんいらっしゃいませ。
朗読宜しくお願いします。
若い女の子の声が出なくなってる???
そんなこともないと思うけどなあ。
まあ、そう言う高い声を、ずっと出すのがつらいと言う事ですね。
それじゃあ今度は、もっと短い物か、魔法使いのおばあさんを主人公に何か一つと言う感じですか。
Commented by りんさん at 2018-10-08 10:46 x
お久しぶりです。
私も最近なかなか更新が出来なくて、久々の訪問になりました。
可愛いですね。
海野さんは、たまに女の子かと思うような可愛いお話を書きますよね。
こんなふうに、ちょっとしたことで恋に発展することってありますよね。
Commented by marinegumi at 2018-10-08 15:33
りんさんいらっしゃいませ。
ご無沙汰しています。
そうなんですよね。
何か女の子っぽいお話をよく書きたくなります。
漫画を描いていた頃も、男性名前のペンネームと女性名前のペンネームがありました。
小説だけになってしまった今でも同じで、海野遙香と言う名前でツイッター小説を書いています。

ところで、りんさんは「おとぎ話 猛暑編」のコメント欄を見て来てくれたのかと思っていたのですが違いましたか。
あのコメント欄に二つだけお話を書きましたよ。
Commented by りんさん at 2018-10-08 18:19 x
海野さん、すみません。
コメント気づかなかったです。
今確認してお返事書きました。
ちょうどこのころ、入院していたんですよ。
大したことじゃないんですけど、5日間ほど入院してたんです。
今はすっかり元気です。
Commented by marinegumi at 2018-10-10 18:11
いえいえ、なーんも気にしておりません。
入院ですか。
まあ、なんかかんかありますよね。
ぼくも、腱鞘炎で親指が痛くて、仕事に差し支えています。
あと、短期入院の手術で治したいところがいくつかありますね。
決心がつかないだけで。