<   2018年 09月 ( 1 )   > この月の画像一覧

愛がほしい (1枚半)

a0152009_22405357.jpg

幼なじみってあんまり言いたくないんだよね、あいつのこと。
小さな頃から近所に住んでいてさ、時々いっしょに遊んだぐらいなんだけどさ。
小学校からずっと同じ学校だったわ。
中学、高校と何の因果かクラスまで同じ。
当然のようになれなれしくするあいつを、適当にあしらって来たのね。
ところが、社会人になってからまで、何と、何と! 同じ会社に入る事になってしまったんだ。
こうなるともう、幼なじみって言うよりも腐れ縁だね。

その彼から告白された。
私には全然その気がなかったので、即、「ごめんなさい」
だって、見るからにダサくて、さえない男の代表って感じに成長しちゃってたんだよね彼。
でもなかなかあきらめないの。

ある日のこと。
「君の愛がほしい」
なーんてあいつが言うので冗談半分……いや冗談全部でやった事なんだ。
何も入っていない可愛い箱を、きれいな包装紙で包み、リボンをかけてさ。
「はい。私の愛よ」と言ってそれを渡したんだ。
あいつは包みを解いて中を確かめたのに、失望するどころか大喜びしたんだ。
「大事にするよ」ってさ、アホかいな。

でもでも、その日から何だかあいつの事が気になって仕方ないんだよね。
だんだんあいつに魅かれて行く自分がいる。
ひょっとして私、間違って本当の愛を入れちゃったとか? 
そ、そんな~。



おわり



ランキング参加してます。
クリックであなたに幸運が(笑)
    ↓
にほんブログ村 小説ブログ 掌編小説へ
にほんブログ村
[PR]

by marinegumi | 2018-09-05 22:43 | 掌編小説(新作) | Comments(8)